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『空き家問題―1000万戸の衝撃』

これしか言いようがないってタイトル。空き家大問題の方がいいか。空き家だらけなのは地方だけかと思ったらとんでもなくて、東京なんかもすごいよという内容。本の流れとしては思い切り問題点を指摘しておいて、後で提言というありがちなパターンを踏襲で分かりやすい。で、前半はもう納得。空き家が増えて何が問題なのかをやさしく深く教えてくれる。まったく日本の大問題ということがよく分かってひじょうに暗い気分になる。つまり空き家を通じて見える日本の大問題。

そして後半。それでもね、と明るくなるかというと、無理。だって、そもそも根本にあるのは人口減少で、いくら何をしたところで出産できる女が少なくなっているのだから子どもは増えないわけで、これから団塊世代が控えているわけで、そういう社会を前提に制度設計しなくちゃいけないのにそこにちゃんと向き合った制度にしようというんじゃないんだから、ということを言っておいて、それでもこんな対策が、と言われてもなあ。それとアジアは若者が多くて活況を呈しているという具合に触れられていたけど、あまり納得できないなあ。タイなどは結構高齢化進んでいると思ったけど。ま、日本よりは遅いか。

# by kienlen | 2014-07-27 16:23 | 読み物類 | Comments(0)

『病む女はなぜ村上春樹を読むか』

小谷野敦著。本屋でたまたま見つけて何となく買った。読み始めたら面白くて最後まで読んでしまった。何で面白かったかというと、ひとつはちょうど自分が若い頃に読んだような有名な作家がたくさん出て来て、なるほど自分はこういう本の影響を受けて来たのかもしれないと思ったらぞっとしつつ、納得もした。タイトルから、村上春樹のみを論じたものかと思っていたらそうではなくて、多分書き下ろしというわけではないのだろうな、ちょっとよく分からなかった。

村上春樹の本は海辺のカフカ以来新しいのを読んでなくて、でも友人から引き受けた本の中に村上春樹のがたくさんあって、昔のを読んで、うーむ、この年で読めないと感じて娘に村上春樹は読まないのかと聞くと、友達で好きな人はいるけど、みたいな反応だった。で、村上春樹がどういう評価なのかとも知らずいきなりこの本だけど、笑える所も結構あって楽しかった。文学評論なんて多分ほとんど読んだことないもんな。批評家が褒めてばかりなのを批判しているのは、そう思う。
# by kienlen | 2014-07-24 20:55 | 読み物類 | Comments(0)

お中元まわり

この間ばったり会った久方ぶりの友人が、世話になった人のお中元周りに行くといい、世話になった人達は自分もだぶるところが大きいので便乗させてもらうことにした。手ぶらってわけにいかねえぜ、と言うが、いくら非常識な自分でもそのくらいは分かる。いい酒を置いている酒屋で待ち合わせた。土産の2本と自分用に1本。10年以上も会ってないその人はご夫妻でお元気だった。医者には行かない、薬は飲まない、食事は自家栽培野菜を中心にした自然食品という生活を昔から送っている。酒もよって純米酒。周辺空家だらけの郊外暮らし。すっかりくつろいでしまう雰囲気。車はどっちが運転してきたのかと聞かれたから、こちらと友人を指すと、じゃあキミは飲めるね、ビールかワインかと聞かれたので、どっちでもいいですと答えたら、両方出された。もちろんエビスビールと無添加ワイン。健康生活に昼間の酒は問題ないのでしょうか。何度も、薬は飲んじゃいけないよ、と言われたが酒は飲んじゃいけないよと言われなかった。

もうひとりは残念ながら留守。素敵な奥さんが対応。奥さんが賢いというのが、やはり老後を楽しくするコツであるように感じた。関係ないが本日のランチは、ネットでよく見かける、話題になっているらしいカフェにて。カフェというと趣味半分みたいな感じなのを思い浮かべて、それがどうかというと、休みがあまりに多いのとか、本気かなあというのは、まあ、どっちかというと魅力を感じているわけではないのだが、こちらはそういう感じではなかった。なんといっても規模が大きい。資本力のある所だろうなという感じ。レジで聞いたらやはり異業種の企業がバックにあった。しかも不動産屋だそうだ。どうりで、この場所にこの規模で駐車場まであって…。若い女性でにぎわっていた。連れと、勤め人風でもないし、子連れでもないし、一体この若い女性達は何なんでしょうと、きょろきょろしてしまった。
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# by kienlen | 2014-07-23 19:29 | その他雑感 | Comments(2)

こういう店もある

夏だなという気配を感じながら家で仕事していた。そしたら、年に1回とか2回連絡がある友人からランチどうかと連絡があった。出たくない気持ちと出たい気持ちと半分半分だけど出ることにした。超高速!参勤交代を見るというので、映画館の前で終了時間に会う約束をした。時間があったら私も見たいのだが、昼間はやはり我慢だ。映画館付近の中華料理屋に入った。美味しいと聞いてはいたが入る機会のなかった店。サービスしていたのは割と年配の女性。友人が「肉抜いて下さい」と言ったら驚いた表情をするので、じゃあいいですと遠慮していた。私が唐辛子を頼んだら、もっと驚いた表情をされたのでこちらが驚いた。嫌そうに持ってきたのは底の方に残骸がこびりついた唐辛子のビンだった。

とてもじゃないが使いたくないのでそのまま置いておいた。できればフレッシュな唐辛子を刻んだのを欲しかったのだが、そんなことを言う気分にもなれなかった。また行きたいとは感じない店だった。でも混んでいたから、あれでいいんだろう。多分、このような要求をする人はあまりいないのかもしれない。多分そうなんだな。ま、そうやっていじけるのもどうかと思うが。それからお茶飲みに別の店へ。コーヒー飲みたくないしジュースも飲みたくないし、いつもならビールにするところだが、さすがに今日はダメ、我慢強い日だった。夜9時からの、その参勤交代の上映があるので行きたいなと思ったが間に合わなかった。残念で我慢強い日だった。たまには我慢も必要か。

# by kienlen | 2014-07-21 22:19 | その他雑感 | Comments(0)

プリズナーズ

昨夜、映画を見に行った。もう出だしから、えらいもの見始めちゃったなーという感じ。ものすごく重たい画面と会話。キリスト教でないと厳しそうだなあ、という感じ。祈りの言葉から始まって鹿を撃ち殺す。とにかくひとつひとつの会話やら表情やら画面やらが濃厚で、つまりメッセージが多重的で、多分かなり理解できていない。途中でスマホで検索してストーリーを知りたくなったくらいだ。怖すぎて集中したくなかったのと、表面の展開以上の何かがあると感じさせるものだったから。

タイトルから刑務所が出てくるのかと思っていたら違う。なるほど、人は囚れているのだという意味では、実に内容にあったタイトルで納得。このくらい上質で、でも怖くない内容のを見たいと思った。何でも監督はだいぶ注目の人らしい。幸福なふたつの家庭の仲良し同士の女の子が感謝祭のパーティーの最中に行方不明になるという、それだけでもう絶望的な出だし。怪しい人物が逮捕されるが48時間で釈放されると、娘を愛するあまりの父親がそいつを自分で捕まえて来て…という感じな宣伝文句になっているが、その後の展開、苦しみ方はひじょうにリアル。ただやはり日本人の価値観とは違うというのは感じる。ミスティックリバーを何となく思い出した。ただ、後味の悪さはこっちの方がなかった。それにしても人間関係が全部把握できずにいる。でももう1度見るのは嫌なのですっきり解説してもらいたい。

# by kienlen | 2014-07-20 08:27 | 映画類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたりタイに住んだり戻ったり旅したり


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