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ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ

昨日見に行った映画。予告を見て、見たいと思っていたもので、午前と夕方の用事の間があき、通りがかりに時間を見たらちょうどいいタイミングだったのはラッキーだった。タイトルはこうだがピカソの絵が中心でもないし、ピカソが出てくるのはほんのちょっと。全体にテンポが速いのと、登場人物が多いのと、人間関係が色々出てくるのと、地名もたくさんなのと、美術館も画家も多く登場するのとで話の筋としてはついていけない感があったが、だからといってそれで何が何だか分からないというほどでもない。ナチスの映画に絵は割合よく出てくるし、贋作者の話も見たことがあったが、ここにも出てくる。贋作者はヒットラーをだましたということで、戦後に英雄扱いだったということも描かれていた。

ヒットラーがユダヤ人から没収した膨大な芸術作品を隠してあった場所というのがすごくて、それに、存在しないことになっていた男性のアパートから膨大に見つかったというエピソードもすごかった。画商の息子なんだそうだが。絵を巡る狂気の沙汰と、それを追いかけるのもまた尋常じゃない。物語全体の進行役はひとりなのだが、この人がまとめて話すわけではなくて歴史家だの研究家だの美術館の人だの色々な人が語り手で登場し、字幕が下に出て横に長い肩書が出て、両方を追うだけで精一杯な感じで覚えていられない。それに映像も観ないとならないし、盛りだくさんで忙しかった。面白かった。

by kienlen | 2019-06-16 19:58 | 映画類 | Comments(0)

『仏教』

古本屋でたまたま見つけた本で、この間のヴェトナム同様『象は鼻が長い』の副産物。クリスチャンの友人からよく仏教ではどうなのかと聞かれる時に少しくらい何か言えるようにと思った。仏教にも聖書に相当するものがあればいいのにと友人のお坊さんに言ったらあるというのだが、でも普及度からみてちょっと違うように思っていたら、そういうことも書いてあった。著者はワングという人で宗教学者でアーチストでヒンディー語の教師でもあるそうだ。出版元は安心の青土社で1994年。これはとても自分には良かった。こういうこと知りたかったのだというのがコンパクトに分かりやすくまとまっている。

仏教は信者数が示すよりも大きな影響力を持っているというところからの導入。当然日本もタイも含む国々が仏教の国として挙がっており、中国については公式には無神論の立場をとるが、相当数が仏教を信仰し「さらに数百万人は実践こそ行わないものの、仏教のもつ文化的な諸側面の影響を受けている」とあり、欧米にも影響を与え、ハワイは大多数が仏教徒であり、仏教の及んだ国は文化的、芸術的に豊かであったという導入ですぐに入り込むことができた。仏教伝播の二系統についてと具体的な国々と相違点、アメリカへの影響のプロセスとか、諸派のこと、禅仏教のこととか網羅的だった。サブタイトルをみるだけでそのことが分かる。現代の仏教世界、ブッダの生涯、仏教の伝播、仏教の諸派、仏教の文献、美術と仏教、仏教の暦年、現代の仏教。読みやすかったし押し付けがましくないし、良かった良かった。

by kienlen | 2019-06-16 11:10 | 読み物類 | Comments(0)

芳華

昨日は仕事のメドがついたので夜の映画を見に行こうと思っていたら、長く不在だった夫が帰って来た。だから行けなくなったというわけではないが、珍しく話をしたりで映画を先延ばしすることにした。今日それを見に行こうとしてふと別の映画館を検索してみたら中国映画をやっていた。それは昼間。中国行きを前にやるべきことが終わったわけではないがメドついたのが嬉しくて、だったら2本見てもいいかと思って出かけた。それでまずこれを見たら、もうあまりに感動してしまってもう1本見る気になれずに戻った。これを見ながら、韓国ドラマにはまるってこんな感じなんだろうかと想像した。やはり見てみないと分からないから少しは見ておくべきだったと思う。見たことがないので想像だけなのだが、みんなきれいでいかにもドラマっぽくて、でもやっぱり感動してしまうって感じが。

軍隊の芸術部門を文工団というのか、なるほど、いかにも。で、そこに入ってくる女の子が主人公のひとり。ただ語り手は先輩団員なのでちょっと複雑になっている。新入りの女の子はいじめにあい、家庭での愛情もなかったということになっているが、愛されていそうな外観がちょっと不似合いという感じはあったけど、家庭での愛情の薄さの理由等をみると、まあ納得。青春あり、恋愛あり、政治あり、戦争あり、組織あり、国家あり、老いありと、日常を描きつつもスケールの大きさが、中国だなという印象。白髪三千丈の世界観を感じるというと大げさだろうか。でも、たまたまここに居合わせたという感じの表出が、個人的な人間の視点というより宇宙的な広がりを感じてしまった。それぞれの心理も納得できたし、いやあ、良かった良かった。登場人物が、日本の役者の誰かに似ている感あり。青春映画かな程度で見に行ったけど何の何の面白かった、感動した。

by kienlen | 2019-06-14 18:26 | 映画類 | Comments(0)

中国行きを前に…

たった4日間だけなんだから日常に影響ないだろうと思って入れた今月の中国行き、というといかにも計画性があるようだが、実はただ勢いで行くことにしたのだった。もっとも計画などできない生き方をしているのだから、仕事以外は勢いで入れるしかない。で、娘が出張で長野に来るというので、旅行で留守があると伝えたらこの間の金曜日に来て今日までいた。それで一緒に遊びに行ってしまった。娘のリクエストは根曲がりだけを食べたいというもの。しかし高価であり、だったらその分で別のものを食べようよと提案してそうなった。それからバラ園を提案したら絶対行きたいということになった。それで、中野市の一本木公園に行った。雨が降ったり止んだりの天気だったが、人出はあるらしく遠くの駐車場を案内されてシャトルバスに乗って行った。素晴らしいサービス。
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バラってよく見るときれいなんですね。今まで行った時はいずれも晴れで、それはそれで良かったけど雨の日もいいものだ。見れば見るほどどれも違ってどれもきれい。飽きなかった。バラ祭りの最終日で花びらはだいぶ落ちていたが、それはそれでよし。しかし私が一番好きなのはこれかも。
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オランチェで夕食用のたかやしろファームのワインときのこやら野菜やらを買い、バラ園に行き、中野市内の食堂で蕎麦を食べ、木島平の温泉にも行った。娘と話せば話すほど身勝手さが分かり、それは自分にも言えることなのでしょうがないと思った。


by kienlen | 2019-06-09 21:16 | その他雑感 | Comments(2)

野尻湖と志賀高原

この間の金曜日、福岡にいるはずの友人から電話があった。もしやと思ったら長野に来ているそうで、野尻湖に遊びに行かないかということ。すっかり在宅気分で昼風呂入ってくつろいでいる時だったが、大急ぎで支度してすぐに出た。野尻湖は珍しくないが、国際村のある側は静かでいいのだということを、この友人の洗礼式の時に知ったのだった。野尻湖に入る洗礼だった。
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妙高には雲がかかっていた。乗り物に乗る予定だったようだが寒かったのでやめて、水辺で雑談。その前にこのハンバーガーが有名な店で食べた。
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山は本当にいい、というわけで、日曜日は志賀高原の大沼池へのお誘いにのって出かけた。あまり登山登山だと自信ないかも、という感じがしたが、そうでもないというので分からないままに6時に家を出る。中野市の待ち合わせ場所から4人で奥志賀の入口へ。
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清水をいただく。自分の車には行きがかりで水を見つけた時のためのペットボトルを積んであるが、この日は友人の車。でも友人がくれるというので遠慮なくもらってしまった。
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どうも山菜とか湧き水とかに目がない自分。生まれ育ちが知れる。なんといっても井戸水育ちであるのだから、水道よりこういう方が直観的に馴染んでしまうわけだ。貧しいのか豊かなのか分からない、多分両方である。お散歩という程度で素晴らしい場所に到着。標高1500mというのは、里とは全然違う世界で、芽吹きもまだだった。
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まだ秋の感じ。スケルトンみたいなこの景色は大好き。これがずっと続いていて見事だった。
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可憐な山桜も。まだ早春の気配。標高差があるって一気に色々楽しめてほんとうに贅沢なことだと思う。昔はドライブといえばイコール志賀高原でよく行ったものだが、しばらく遠ざかっていて、でも歴史を少し知ってから面白いなと感じて行くようになっていたが、車で行ける範囲のみでこんな素晴らしい所があるのは知らなかった。深い。
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北海道で見たブルーレイクに劣らない色。感動しました。
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池のほとりをこうして歩けるようになっている。静かで気持ち良くて最高だった。
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残雪もかなりあり、芽吹きには遠いし、フキノトウがまだあって、たくさん採れた。洗って冷蔵庫に入れて明日調理予定、楽しみ。里ではもうフキで、標高1600mはまだフキノトウ。
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道沿いの景色も壮観というか、志賀山の昔の噴火だろうという石が多くて自然のすごさを感じっぱなしだった。頭上にこれなので運によっては直撃されても全然不思議ではない。
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ちょうどランチ時に山を降り、蕎麦屋に入る。1250円で蕎麦を注文すると天ぷらと味噌汁とご飯が食べ放題という食べ盛りなら嬉しいシステム。食べ盛りをとっくの昔に過ぎているのに、歩いた後の気持ちよさで天ぷらをたくさん食べた。いいですね、信州。




by kienlen | 2019-06-04 20:14 | | Comments(2)

交通機関について書こうと思ったけど国境でおしまい

プノンペンに行ったことがないので首都の事情は知らない。それに他の地方も知らないのでほんの一部の経験からではあるが交通機関について。タイのアランヤプラテートから入るとカンボジアのポイペットという町に出る。そこからの交通は、車を雇っていけばいいやというつもりでいた。どうせこちらから何かしなくても先方から寄ってきてくれるのだから、それに乗ればいいやと考えていた。しかし自分ひとりでは不安。タイなら言葉が通じることもあってそういうスタイルでできても、言葉も知らず土地勘も皆無なカンボジアでは勇気がない。しかし今回は夫が一緒なので心強い。連れがいるってありがたいことだ。で、しかも今回、列車で知り合ったカンボジア人兄弟がいるのである。もう何も怖いことなし。というわけで、国境を越えた。ちなみにタイ人でビザ不要の夫は意味不明金100バーツを窓口で要求されて払ったそうだ。
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これはまだタイ側。今の時期、フルーツが最高に美味しい。といっても私はマンゴーが好きで、どうもマンゴーばかり食べていて他はホテルの朝食でランプ―タンを食べたくらいだった。マンゴスチンは食べなかったし、食べようと思っていたドリアンも食べ損ねた。食べている時間がなかったとも言える。
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ここにあるタイ語は「カンボジアへ行く通路」と書いてある。はい、行きます。
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書類に記入する。
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これがアライバルビザのオフィス。ちゃんと値段が書いてあるしローズ以外誰もいなかったし簡単だったから、次に行く時はeビザではなくてこれにする。
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国境を越えるとこんな感じ。かなり混沌としてました。きれいな建物はカジノと思われる。
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交通機関について書こうと思っていたが、国境で挫折した。後日に。




by kienlen | 2019-06-03 21:24 | | Comments(0)

『教養としての言語学』

鈴木孝夫の本は何冊も本棚にある。ということはこういう分野にかねてより興味があったということで、それに多分読んでもいると思うのだが、これは初めてかもしれない。いつ買ったのかも覚えていない。どうしてこういう本がたくさんあるのかも実はよく分かっていない。ただ今になって読む時間ができて、ストンと感じられるというのは面白い。問題は他のことを何もしないで本を読んでいることであり、うーん、これはもしかしたら大問題かもしれない。だいたい歳をとると、色々なことができる人が多い。ハーモニカが吹けたり、絵が描けたり有機農法で自給できたり魚をさばけるようになったり、その他色々。それもそのはずで、遅く始めたところで長く生きていればそれなりの時間を費やすことができ、時間に比例するだけのものにはなるはずなのだ。その点自分には何ができますと言えるものが見事にない。でもこの本は、そんなことを忘れさせてくれるくらいとっても面白かったし、実際に声に出して笑ってしまった。

初版は1996年とある。そういえば友だちが面白いと推薦しているみつばちの本があり、この本に取りかかる前に図書館に行こうと思っていたのにこっちを先に読んでしまった。ところが驚いたことにみつばちのことが割と詳しく書いてあった。というのは著者が子どもの頃から鳥が好きで、動物行動学の知見を言語学に取り入れている中の一貫にみつばちの伝達方法が出て来たのだ。鳥に関しては、雛の段階から美しく囀る鳥のマネをさせて美声を競うという日本古来の伝統芸があるという点で、これはタイにもあるはずで、なんだかすごく知りたくなってしまった。挨拶の本質、人称の問題、指示語、言語干渉など、テーマは身近なものだけど、視点が面白いし生活感覚として分かりやすい。英語がジェンダーバイアスの視点から言葉を変えなくてはならない問題にも触れていて、日本語はその点性差がなくて便利なんだから、~さんをミスターやミズに変えて英語の中に入れたらいいのにという案は大賛成。一番笑ったのは、学生対象に「彼」「彼女」と呼びかけられたことがあるかというアンケートに対する慶応大学の学生の答え。書き方が巧妙で爆笑した。あー、明日の仕事の予習をしないと…。

by kienlen | 2019-06-03 14:44 | 読み物類 | Comments(0)

カンボジアの食事のイメージ

カンボジアの食べ物のイメージといえばこれである。
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魚。昔タイにいた時、何度かカンボジア国境の市場に行き、このような魚の干物の束をたくさん見た。それでそのイメージが定着してしまった。つまりトンレサップ湖の魚であろうに、それが曲がって発展して魚→シーフードとなってしまった。シェムリアップは海から遠いのだからシーフードの町であるはずがない。それなのに到着した夜の食事はシーフードにしてしまったのだった。
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どっから見ても美味しそうには見えない写真だが、実は美味しかった。特にオクラ炒め。オクラはメニューにもokraだかOKURAだかになっていて、すぐ分かった。で。翌日のアンコールワットツアーの同行者のローズに伝えるのに、英語で何だったかなあと思いつかず、いやしかし英語もオクラだろうと思って言ったのに伝わらない。それでそうだレディーフィンガーだったと思いだして言ってみたら「レディーフィンガーは聞いたことあるけどそれが何かは知らない」と言われた。これって言葉の問題というよりは食生活の違いの問題。オランダでオクラが日常食なのか知らない。しかしこのオクラ炒めはまた食べたいな。

by kienlen | 2019-06-02 19:45 | | Comments(2)

『ヴェトナム―「豊かさ」への夜明け』

三上章の本を見つけに古本屋に走った時、入り口の本棚でこれを見つけ50円だったので深く考えずに何となく買った。カンボジア関係はポルポトに偏って読んだだけだし、ベトナムは近藤紘一を読んだくらいだし、ジャーナリストの書いたのなら2時間くらいでザっと読めるかな程度に思っただけで。それで、一昨日ちょっと読み始めたら、とんでもない大当たりだった。著者はベトナム専門の学者で、そしてちょうどベトナムに滞在していたのが自分のバンコク滞在と重なる時期。つまりバンコクから漠然と感じていたことがベトナム側から専門家の目で見るとどうかというのが分かる。この地域のこの間の変化を考えると1994年出版の本というのは古いのかもしれない。でも私が知りたいのは歴史とか政治体制の背景とか近隣諸国との関係とかなので、その点で理想的だった。人も縁だが、本も縁である。タイトルに惹かれたわけでもなく、岩波新書を読みたかったわけでもなく、何となくだったのにベトナムの基盤が分かった気になる満足感、ありがとうございます。

まず、中国の隣に位置しているということの意味が述べられている。これは島国には実感として分からない、多分想像を絶する大変さなのだろうということがヒシヒシ。言葉への影響というのもちょっとあって、これは自分的には特に興味深かった。中国の隣にいることで中国への態度がどうなり、逆にカンボジアやラオスやタイに対してはどうなるというのが、なるほど、実に興味深く納得。タイにいるとラオスやカンボジアというのはなんかお隣さんというか、文化習慣も言葉も似ているという親近感を覚えるが、ベトナムはその点でちょっと異質に感じる。ひとつの理由が、儒教の影響のあったのがベトナムまでと昔聞いた時に妙に納得したのをこの本を読みながら思い出した。そのあたりは割と細かく説明がある。ハノイの寺が漢字の世界だった時の中国圏なんだなという印象も重なる。植民地だったことの影響、社会構造、戦争の連続だったことによる影響、あとは政治体制などなどどれもこれも充実の内容。基本を知りたい初心者には大変役に立つ本、とっても良かった。

by kienlen | 2019-06-02 17:56 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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