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『คำพิพากษา』

昨日やっと読み終えたタイ語の小説。帰国後すぐに翻訳理論を読んでから次どうしようと本棚を見ていたら発見。いつ買ったんだろうと思いながら開いてみたら、分からない単語だらけで辞書引き引きながら惹きつけられてしまい、読めば読むほどこれはすごいと思って朝方はこれを読むのにあてていた。それにしても2か月以上かかったことになるので情けないといえばいえるが、原語で読む感動はまた別格である。最初は分からない単語を片っ端から辞書引いていたけど、後半はそれをやめた。登場人物の設定もストーリーもとてもくっきり分かりやすく、流れの中に入れたし、分からない単語というのが古い言い回しだったり、擬態語みたいな感じだったりで、つまり文学的な言い回しと感じられ、それが分からないと決定的に不明瞭というのでもなかったので。よってどこまで味わえたかはおいておいて、小説としてすごいなと感動し、読後にウィキペディアで見てみたところ、作家は国民的作家であり、日本語含む色々な言語に翻訳されていることが分かった。もう40年近く前に出版されたもので、作家がまだ20代だ。すごい。私が持っているのは43刷。2回映画化されているということだった。それにしてもこんな暗い内容のがタイで受けるというのがイメージしがたく、バンコクにいる友人に、その理由をタイ人に聞いてほしいと連絡してある。

タイトルの意味は「判決」なので、このまま日本語訳になっているかもと思って検索してみたが今のところ分からない。で、このタイトルから裁判に関するものなのかと想像したがそうではなくて、社会の衆人の目というか言動を表わしている。よってたかってのバッシングという感じだろうか。主人公は善人で親孝行の貧しい男性で、舞台は寺と学校が中心みたいな片田舎の集落。まずこの設定がちょうどいいタイミングで、今の自分には興味津々。とにかく今回のバンコク滞在で、仏教というか寺の重圧を感じ、キリスト教というか教会の重さに匹敵するのではないかと初めて思ったのだった。そのあたりの感覚を抱きながら読むと、主人公に下す衆目の判決に寺の影響が巨大であることは感じざるを得ない。学校の用務員の父と2人で寺の敷地内の小屋で暮らしていた主人公は親孝行で品行方正で、小僧さんとして寺に入っている時は村人から慕われていたのだが、徴兵されて軍隊から戻ってからが大変なことになる。父が新しい妻を残して亡くなったものだから、形上は養母と同居することになるのだ。仏教に帰依している主人公は女性との関係を持つことはないのに周囲はそうは見なくて、養母を妻にした男のレッテルを張る。で、この養母という人は、男性に胸を見せちゃったり、みんなは白か黒で参加する寺の法事にオレンジ色の派手な服を着ていくような人で、ゴミを集めるのが趣味。ゴミを家にこっそりストックして眺めている場面など、ゴミ屋敷問題先取りの感がある。濃いキャラクターではあるが、その濃さは必要以上には強調されていなくて、あくまで主人公が浮き立つようになっているのでひじょうに分かりやすい。

主人公はこの問題の養母を養わねばならないという使命感に縛られていて、実は僧侶として寺に戻りたいのだが、よっていつも寺のボランティアをしているのだが、衆目が悪口を言おうと養母と暮らし続ける。両者の関係というのが同病相憐れむというか、心理描写がいいのである。といっても養母の側からの描写は多分なくて主人公側から。三人称なのに特定の人物に偏った視点が面白く感じられたけど、あるいは気のせいなのだろうか。主人公は父から受け継いだ学校用務員の仕事を生きがいにしようと努めるが、その場面での山場となる出来事は狂犬を処分するよう指示されて殺してしまうこと。このあたりはタイの状況を知っていないと分かりにくいかもしれないが、殺生しない寺周辺は犬だらけ。隣が学校だったりすると、朝礼の場所にも教室にも犬は普通に入ってくるので慣れないと怖いし実際危ない。仏教徒でありながら殺生禁止の戒を破ったことで主人公は苦しむ。次の山場で全体の大きな山場のひとつは父の火葬。倉庫にしまってあった遺体を火葬する儀式で、村人が集まるべき重要な儀式なのに誰も来ないのだ。追いつめられる主人公。ここで、職業柄最下層と見なされている遺体を焼く職業の男性と急接近し、初めて酒を飲む。仏教徒は酒は禁止なのにまた戒を破ることになる。ここからは大げさともいえる転落ぶりで、酒に逃げるだけの生活になる。ただ、当時の酒は品質も悪いだろうと想像すると短期間に体がおかしくなるのも大げさではないのではないかと思うが、食事ができなくなり吐くものがないから胃液が出たり、眠れない場面など、お酒を飲まない人には気持ち悪い描写としか思えないかもしれない。酒を飲む人は心当たりありありと思う。

その後にまた山場があって、それは主人公が給料を預けていた学校の校長の裏切り。酒浸りになった主人公は結局学校を首になってしまうのだが、父の代からのお金を校長が管理してくれていたのをもらいに行こうとすると、知らん顔をされるのである。お金の管理を人に任せるなんてと、タイを知らなければ不自然に思うかもしれない。でも、当時のタイの田舎だと十分ありだ。この辺りの校長の様子もますます追い込まれる主人公の態度も類型的ではあるけど、分かる。それから今まで何があっても逆らったり自己主張しなかった主人公が酒の力を借りて校長の不正を訴えるようになり、しかし社会的地位と金がある者は偉くて何でもできる社会であるから、もがけばもがくほど権力も金もない主人公は不利になり、ついに警察に捕まってしまう。となると判決というタイトルは裁判の結果なのかと想像していたら全然違って、死という結末。最後の最後まで正義も善意も信仰も報われずに負けるのであった。バンコクの友人に連絡したのはまだ読み終える手前だったのに、タイ人の知り合いからの感想というかあらすじが送られてきて、そこに結末が書かれていたのにはびっくりした。ここですごいのは主人公の死も校長が自己宣伝に使う様子がしっかり描かれていることで、校長のほほ笑み方などお隣にいるかのごとくに浮かんできて、場面場面の説得力があっぱれ。で、主人公に救いがないかというと、それもまた違って、つまり小さき者にとっての救いは死でしかないのである。これはもしかしてハッピーエンドなのだろうか。

途中だれることもなく最後の最後まで面白かった一方、悲劇として大げさすぎるとは思いつつも泣けてしまった。感動。で、読了後にチェックしたところ、ギリシャ悲劇を下敷きにしているとか、いずれもノーベル賞作家のドイツのギュンター・グラスや日本の大江健三郎に匹敵すると称されているらしいことを知った。作家についての解説を読むと、小学校から書き始め、筆一本でやっているストイックな寡作な作家という感じ。読書がいかに大切かということを喧伝する活動もしているそうだ。いいタイミングで出会えた小説らしい小説。大変良かったです。辞書を引く手間が10分の1になったらもっといいのに。まあしかし苦労して読むとその分だけ味わい深いという面は確かにある。それにしてもいつどこで買ったのか。





by kienlen | 2018-05-31 09:54 | 読み物類 | Comments(2)

パッケージツアーの食事

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パッケージツアーは楽でいいけど残念なのは食事。やはりどうしても一般的な味になるわけで、自分としては物足りない、ということは最初から覚悟の上なのでよしとしておく。今回は全食付き。到着した日の夕食、つまり初めての食事がこちらだった。すべてこういうテーブルでの取り分けで量はたっぷりあった。
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初日はビールも注文、こちらは自分で払う。30元。500円以上なので安くはない。なお、コンビニで買うと500ml缶で7.5元だった。
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こんな感じで、かなり薄味だった。郷土料理とあるので無錫料理ということになるのだろう、宿泊がここだったので。
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こちらは蘇州にて。あんかけ風というか、片栗粉か何かで絡めてあるのが多かったように思う。メニューの詳細をもらえばよかったがないので分からない。自分で注文しないので料理の名前も知らない上に確認もしていない。タイだったら尋ねることもできるのだが…。とにかく辛い料理がないので3日目の上海での四川料理を楽しみにしていた。ガイドさんも「僕は四川料理好き」と言っていて、店は人気店なのだそうだ。そして案の定都会的な味だった。
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こんな演出があったり。
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一番美味しかったのは最後に出てきたこれ。小麦粉の饅頭みたいなものに切れ目が入っていて、この肉を挟んで食べる、らしい。このお饅頭が結構美味しかった。ただ、もう満腹近くなってから出てきたので食べきれなかった。四川料理の割にはまったくというほど辛くなかった。


by kienlen | 2018-05-29 22:50 | | Comments(0)

上海の夜景見学クルーズ

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パッケージツアーにはオプションが付き物で、結局すべて参加することにした。最終日の上海はライトアップされた夜景を見るクルーズで水と船好きとしては我慢することができない。220元、ただしチケットに印刷されていた価格は120元。元々は世界で2番目に高いとかのタワーから夜景を見るというものだったのだが、雲と霧がタワーより低く垂れこめていて夜景が見えないとのことでナイトクルーズになったもの。ビルが途中から雲に隠れている様子は初めて見たと思う。なかなか壮観で、高い所は嫌いな自分としても、オフィスビルなら仕事しながら、住宅なら生活しながら下に雲海が見えるなんていいなと思ってちょっと上ってみたい気分になったくらい。ライトアップなんてあんまり好きなわけじゃないけど、上海という人工的な都市には似合う感じだったし、しかもライトアップのやり方が半端じゃなく派手だったり、逆に妙にシックだったり常に変化していたりビルによって様々で飽きない50分だった。

by kienlen | 2018-05-28 23:37 | | Comments(0)

『上海―多国籍都市の百年』

ツアー前日に図書館に寄って何か読めそうな本がないだろうかと見たところ、中公新書のこの本があってパラパラしたらとても読みやすそうだったので借り、さっそく読み始めたところ面白くて、金沢までの新幹線、飛行機、旅行中と少しずつ読んでいたら最終日前に読み終えることができた。それにしても歴史といい何といい、ものを知らなさすぎることにがっくりすると同時に、おかげで何を読んでも新鮮で面白く感じられることにも感謝。そしてこの本は最初から最後まで実に興味深く、旅のお供のガイドブックとしても適当だと感じた。記述スタイルが物語風になっているので面白く読める。アヘン戦争に敗れてイギリスが租界をつくったところから、フランス租界のこと、国による租界の性格の違い、中国の政府や社会と租界との関係と制度、中国人との関わり、覇者がイギリスからアメリカになり日本になり、そして戦後どうなったかなどなど、目に見えるように描写してある。

特にロシア人、ユダヤ人のことは、ああ、思わず、なるほど、こういうことかと嘆息。両者の微妙な位置というのは、ちょっと他の国と違うし、さらに上海の日本人のユダヤ人に対する視線のヨーロッパ人との違いなど、まさにね、というところ。物語性を感じるのは、滑り出しの部分である特定の人物に当時の状況を代表させて描いているからで、それが時代背景の中に自然に溶け込んでいくから。人物像がいずれも生き生きしていてイメージが容易。今回は全部お仕着せのパッケージツアーだったので、ここに出てくる建物を訪ねたりということはできなかったが、それをしたらもっと面白いだろうと思う。しかし実際にそれをするところまでいくかというと、それよりも別の所に行きたくなってしまうように思う。それにしても中国は近い。そしてあの歴史と文明と影響力。次は北部に行きたい。となるとどれを読んだらいいのか…。とにかくこの本は、読んで良かった。ずっと覚えていられるわけでないのが悲しい。

by kienlen | 2018-05-27 20:36 | 読み物類 | Comments(2)

無錫

昨日、中国の無錫に着いた。朝7時40分の新幹線で金沢に行き、リムジンバス30分で小松空港に着いて、自衛隊機の離陸の様子を撮影するマニアっぽい人たちの超望遠レンズに同行の友人と感嘆しながら展望台でしばし時間を過ごし、午後2時近くに飛行機が出発した。パッケージツアーなので何も考えずどこに行くかもチェックせずにずっと上海のつもりで来たら、ここに2泊で上海は1泊だった。目的に応じて作ったパッケージツアーは何度か経験あるが、こうして既成のパッケージツアーに参加したのは初めてのように思う。多分そうだ。天気が似たり寄ったりだし漢字はあるし人の外見が大きく違うわけじゃないし、植物も似たようなものだし、第一印象としては外国って感じがしない。ただし、LINEが使えないのは、さすがに中国。バンコクで一緒だった中国人から聞いていて知ってはいたのに、それに中国に関係する人からは別のを使うように頼まれていた意味が分かったし、そうか、いざ使えないとなると、なかなか不便ではある。現地ガイドさんが「LINEが使えないのはホテルのWi-Fiの問題ではなくて国と国の間のインターネットの問題です」と何度か言っていた。まあたったの4日間だからいいけど。出発の前日に、図書館で上海についての本を借りて飛行機の中で読んだが短時間なのでまだ出だしだけ、しかし名前だけはさんざん聞いている場所のことを知らなかったのだということに気づき情けなさでいっぱい。無錫というのは、元は錫の産地だったが取り尽くしてなくなってしまったのだそうだ。今日はこの無錫と蘇州観光で明日上海に行くのだそうだ。
by kienlen | 2018-05-25 07:44 | | Comments(0)

『ローマは一日にして成らず』上

友人がはまっている本を借りた。塩野七生のローマ人の物語。一体何巻まであるのか知らないけど、これは止められなさそう。文庫版なのだが、まず長い前書きで文庫の厚さについて書いてあり、薄くしたのは上着のポケットに入れて邪魔にならないように。素敵すぎる。本文に入る前から打ちのめされる感あり。そのため、この巻が上下に分かれているようで上の方が薄くて下はそれよりは厚みがある。多少ブルーがかったグレーと大理石のような表紙と裏表紙の色も素敵だし、さすがはデザインのイタリア、の、物語。で、内容もすごく面白い。今までも読まねばとは思っていたけどきっかけがなかった。イタリア行ったことないからというのが大きいかもしれない。

丘が多いという始まりだけでもう行きたくなっている。でも、イタリアに行ったことないという人の方が周囲をみると少ないように感じなくもない。これを貸してくれた友人は、これを読むようになってから「寛容」という言葉をやたらに発している。その理由は、ローマ人は闘った相手だろうが何だろうがみんなをローマ市民として取り込んで、これが他にはないもので、それだから長続きした、ということのようであるが、まだ読み始めたばかりなので神髄部分には至ってない。ただ、次から次と読みたくなるであろうことは予想できる。今借りてるのは3冊。終えたのはまだ1冊。スパルタの徹底ぶりがすごかった。軍事に徹することで、哲学も科学も芸術も何も生まなかった、ってなんかある意味あっぱれ。まあ、そういう所に住みたくはないけど。それにしても、人間がやってることって基本的には古代から変わってないのである、人間だもの。

by kienlen | 2018-05-17 20:18 | 読み物類 | Comments(2)

筑北を歩くというイベント

友人に誘われて、筑北村を歩くというイベントに参加した。それにしても主体性がないというか、いつも誰かに誘われるおかげで何かできるという日々であり、感謝している。それなのに投稿は滞っている。このイベントだって確か5日のことだったのだ。で、行くことが確実になったのは当日になってからで、娘を早朝にバス停に送り届けての帰路だった。それもあってか、連絡をくれた友人が弁当を作ってくれるというのでありがたくいただいた。
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お弁当を広げた場所は神社の境内で、神事が行われていた。もっと本格的に歩くのかと思って登山用の靴を履いていってしまったら、お寺に上がっては住職のお話を聞くという場面が複数あり、それ自体は良かったのだけど、靴を脱いだり履いたりが面倒だった。これが最も印象に残ってしまうという情けなさ。山に登る以外は普通の靴に限ります。平らなアスファルトの上を歩くというのは、かなり物足りない感ありだった。アスファルト以外の道が、もうとっくに貴重になっているということなのだ。
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とはいえ神社やお寺の境内は土があった。畑もあったし山もあったし花も木もあった。当然か。
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ヨガのポーズみたいでワット・ポーを思い出した。そういえばドリアンのシーズンに入る。いつタイに行こうかな。
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電車も何回か通っていた。


by kienlen | 2018-05-12 22:02 | | Comments(0)

いかにも連休な過ごし方

就職後初めて娘と会った。研修中なのでとスーツ姿でバス停に待っていたのをピックアップしたのが2日の夜で、3日と4日はあちこちにドライブした。現在ほとんど全く仕事がないので精神的な圧迫感がない。仕事の種類にもよるだろうけど、仕事とプライベートの区別のできる仕事だと休日はこんな風に過ごすことができて、だったら子供にももっと注意がいったり時間のかかる料理を作ったりできたのかもしれない、子育てが終わった時期になってそれがわかるわけね、と過ぎ去った日々について思ってもしかたないし、別に後悔しているわけでもなく、ただ、ああ、こういう風に連休を楽しむってこともありね、という気分だった。とはいえ、人の多い所はごめんこうむりたい。連休の最初のころに友人が戸隠に行くというので同行したらえらい混んでいて、どうして地元民がこんな混雑する時期に来なければならないのであるか、と文句を言ったら、にぎやかな場所が好きだと言われて、なるほどと思った。その時は友人の事情で水芭蕉を見に行ったわけだった。
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連休初日の時点ではまだ芽吹きも始まっていなくて、さすがに戸隠であると感心した。3日はこの間友人に教えてもらった釣り堀に魚を食べに行くつもりでいたら夫もランチ営業を休んで一緒に行くというので珍しく3人で。夫は当然のように後部座席に座り、娘は当然のように助手席で私は当然運転手。4日も夫が一緒に行きそうになったのだが、娘が温泉に行きたいと言うと、じゃあ行かないということでご退場で、代わりというわけではないが父を乗せる。たまに行く店でランチを食べて付近の温泉に向かいかけて、まだ時間もあるし大町温泉郷に行こうかってことになり、向かっていたら葛温泉という標識があり、聞いたことがあるから行ってみようかってことになる。これもすべて元はといえば自分の山道好きが関係している。言い出すのは常に自分なのであるから、独り言という方が正しいかもしれない。ひとりだとちょっと怖いなって道を行くと、とにかく景色の美しさに惹かれてどんどん奥へ。葛温泉を過ぎて七倉温泉に着いた。昔来た記憶がある。
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誰もいない露店風呂に娘と2人で入る。650円。風の強い日で、里はもう新緑という時期を過ぎているのにこちらはちょうど新緑のざわめきの真っ盛りで、呆然と見とれてしまった。実物はとても美しい。川の音につられて柵のない崖っぷちをのぞき込んだら眼下は目の覚める清流だった。はあ、素晴らしい、信州。3人ともすっかり満足。
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このトンネルを行けないのは残念だが、途中のトンネルも十分スリリングではあった。眼前の山のてっぺんは吹雪いていて白さを増していた。小雨が雪に変わったら怖いので夕方にならないうちに下りる。それから通りがかりのみごとな菜の花畑をみてカフェでケーキを食べた。ここは人が結構いたけど、以前この場所に来たことのある東京の友人に写真を送ったら「人が少ない」と返事がきた。東京はどこも人が多いということだった。
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秋はソバ畑だが春はこうなのだ、初めてだったのでかなり感動。傾斜地が好きなのでここは好みにあっている。
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ニューヨークケーキが限定11個とあって、まだ終わってないお勧めといわれて注文した従順な客。ニューヨークチーズケーキといえばバンコクで食べたしょっぱいのを思い出すが、それより塩味は柔らかめで美味しかった。650円。娘の今回の帰省の目標は、美味しい味噌と醤油とはちみつを買ってもらってソバとジンギスカンと山菜の天ぷらとタイ料理を食べさせてもらって温泉に連れて行ってもらうことで、すべて達成できた。まあこの程度のご希望なら叶えてあげられるでしょう。



by kienlen | 2018-05-06 15:42 | | Comments(2)

シークレットマンとウインストン・チャーチル

ペンタゴンペーパーズの最後がウオーターゲート事件の始まりを予告したもので、その続きみたいな映画がシークレットマンだった。もうだいぶ前に見に行ったものをメモりそこねていた。シークレットマンというのは、つまり事件をリークした秘密の人のことで、それがFBIの副長官で、その人の視点から描いたものだった。FBIを愛し正義感あふれる冷静な熱血漢という人間像に感じられた。なるほど政府とFBIの関係って元々はこうで、今はどうなんだろうと思いながら見ていた。結末自体はもう知られていることなのでハラハラドキドキの程度は、分からないものとはけた違いだが、しかし面白かった。政治家というのは嘘つきでないとならないのかというのはいつもの疑問。

チャーチルのは、予告で見て必見と思って初日に見に行ったら珍しく観客が10人以上もいた。チャーチルについて、名前とかヒットラーと闘ったとかいうこと以外、そういえばよく知らないなということに気づいた。ヒットラーから世界を救った男との副題がついているが、まさにその通りな内容だった。ちょっと違っていたら違う歴史になるというのは当然だけど、それにしてもここで別の人が首相になったら、あるいはここでチャーチルがこの選択をするのをためらっていたらということをつくずく感じさせてくれるものだった。とっても面白かった。見たい映画がたくさんある、そして時間もたくさんあるのでせいぜい見に行こう。古いので見たいのもたくさん。

by kienlen | 2018-05-01 20:43 | 映画類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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