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カテゴリ:映画類( 370 )

ブラック・クランズマン

この間、この映画を見た。町に出たついでに何かと思って映画館の前に行ったらちょうど知り合いがいて、何を見るんですかと聞いたら、顎でこれを指した。ちょうど始まり時間まで10分か15分でいいタイミング。全く何も知らずに見てみることにした。観客は4人ほどいたから結構入っていたといえる。非常にいい映画だと思った。これ、結果がハッピーなのかアンハッピーなのか知っておいてみた方がいいと思う。そうでないとハラハラし過ぎで、途中で何度もスマホに目を落としてしまった。安心して見ていいのだと知っていればそんな残念なことをしなかった。実話だというクレジットが出たが、まあ、大胆なお話だった。ストーリーはとにかく面白いし、役者もとっても素敵。そして人間の恐ろしさも優しさも感じられて、アメリカ映画ってこういうのもいいのね、という感じ。というか、まあ、日本では現時点ではあり得そうにないもの。黒人とユダヤ人差別がテーマなので。

人間って役割を与えられるのが一番嬉しいのじゃないかと日ごろから思っているが、前にナチスの関連の本を読んでいて、女性が活躍できるということで入隊したというくだりがあった。なるほど、あり得ると思った。この映画でもそういう描き方があり、共感できた。内容に共感というんじゃなくて、そういう観点に。内容はおぞましいもので、よくぞここまでと思うが、差別、いやもう抹殺までしたいと思うに至る心情というのは、案外こんな具合なのかもしれないと思った。そして世界にはこのおぞましさがあふれている。うーん、もう一度見てもいいけど、時間がないな。もうちょっと一所懸命見れば良かった、非常にいい映画なのだ。警察ってとってもいい組織なのね、という気にさえなってくる。

by kienlen | 2019-05-13 21:28 | 映画類 | Comments(0)

ふたりの女王 メアリーとエリザベス

気分が落ち込んだり、妙に元気になったりの毎日。一昨日はどうだったんだろう。その前の日が無気力で一昨日は比較的良かったように思う。そうそう、娘が連休に帰省するというので少し片づけをしたのだった。で、その前に朝早くから客人があり、長話をしたんだった。日ごろ接しないタイプの人で面白いなあと感じながら話を聞いたり話したり。まあまあ片付いたというか、最低限やったので夕方のこの映画に行ったのだった。英国王室ものが続いている。この間のより迫力では弱いなと思いつつも、だんだん趣旨みたいなものを感じるようになり、最後はなるほど良かった、という気持ちになった。スコットランド王となるメアリー役がどっかで見たことあると思ったら「ブルックリン」の主役だったのだ。何年か前に見たエリザベスはあまり良かったと感じなかったことだけ覚えているが、男になるのだという決断をする過程が描かれるこちらを見て、自分が浅はかだったなという気がした。2人を対照させることで人物像が浮き彫りになり、取り巻く男たちの陰謀もくっきりして、生活感なしに人間のある部分をむき出しにできるのが貴族や王家を描くことの面白さなのかと感じたりした。しかし見事に庶民が出てこないって、日本の時代劇にはそういうタイプのものがあるんだろうか。
by kienlen | 2019-04-27 18:12 | 映画類 | Comments(0)

金子文子と朴烈

家にいたい気分と外に出たい気分が半々くらいだった。ちょっとした仕事を片付けてしまおうと思いつつ、映画館の情報を見たら、見たいと思っていたこの映画が今週で終わるのに気づいた。今出れば間に合う、というわけで午後1回だけ上映の回に急遽行った。映画は夜のみにしようと思っていたが、固い決意では全然ないので破ることにした。お仕事は後回し。思ったより観客は多くて10人近く。政治的な韓国映画はどれも良かったので、これも多分いいだろうと予想したが、いやはや、大変に良かった。見逃さなくて良かった。知っている人が見たらどうか分からないが、私は金子文子のことも朴烈のことも何も知らなかったので、知れただけでも良かったのと、関東大震災の時の朝鮮人虐殺が何だったのかというのも、そういえば背景を分かっていなかったので、なるほどと思いながら辛い場面を見ていた。このような重たいテーマを見やすく面白く描く韓国映画は素晴らしいと今回も思った。何なのだろうか、やはり深い苦悩というか葛藤を経ているからなのか、迫ってくるものが半端じゃない。それでいて脅迫的でも告発的でもなく、匙加減がちょうどいい。韓国側、日本側両方の役者も当時の顔つきって感じで良かった。こういう映画、タイだったら絶対上映禁止だよな、その点は日本で良かったと思いながら深く感動しました。それにしてもこの間のバイスを思い出す場面もいっぱいあった、いつの時代もどこの国でも本質は似ているように思えてならない。ああ、怖い。
by kienlen | 2019-04-17 20:48 | 映画類 | Comments(0)

バイス

昼間外に出たついでに図書館に寄り、少しは本を読もうと思って借りて、新聞を読みに公共施設に行き、ふとすぐそこの映画館に何かあるかなと行ってみたら、チェイニー云々という宣伝文句があって興味を持ったのと、上映までに25分というタイミングだったので見てみることにした。評判も何も知らずに。結果的には非常に面白かった、と言っていいのか、すごく怖かった。こういう事実の怖さというのは心の底から怖い。これは事実だがチェイニーは秘密主義なので分からない部分もあってそこは補っているみたいなクレジットが最初に出る。なんというか、全体的にアメリカの集合体というか、アメリカという国に世界中が抱いているステレオタイプを全部ぶちこみました、という感じがした。この映画そのものを含めて。まず出だしがその典型。きれいで賢い女性がダメ男に向かって、女は出世できないんだからあなたに賭けるのだといってがんばらせて副大統領にまでなるわけだ。

途中からブッシュ二世が登場するのだが、最初映し方がチェイニー中心でブッシュは背中だったから似ていないのでこういう風に映しているのかと思ったら、とんでもなくて顔がはっきり見えた時は吹き出しそうになった。あの表情がそのまんま。実物かと一瞬思ってしまった。で、これはこれで父親に褒められたいだけなのだというのが露骨。よくここまで揃ったなという面々の企みで世界は動いていくのだから、そんな権力を持ったら止められないということなんだろうなというのが分かるのだけど、小国の話ならふむふむでちょっとは気を休めようと思うけど、舞台がアメリカなのでもう怖い怖い。で、語り手のいる構成になっていて、でもその正体は分からなかった。その人物は登場するしコミカルな味付けの主人公でもあるのだけど、これはフィクションということか。こうして徹底的に一面的に描くと半端じゃなくて、それがアメリカ映画の自分的思い込み。あー、怖かった、事実ですから。マイケル・ムーアみたいな感じだけど、演じているのは役者なのでずっと映画っぽい、当たり前だけど。タイトルバックが流れたところで席を立たなくて良かった。重要な場面が入っている。

by kienlen | 2019-04-07 19:32 | 映画類 | Comments(0)

ヴィクトリア女王 最期の秘密

とりあえず乗り切った3月。通信教育修了、めでたい。最短の半年で終えられたのは、予想以上の出来だった。憂鬱だった組長も3月でおしまい。めでたい。今週は暇なので、行きたかった映画に行った。予告で見て必見と思っていたもの。雪がちらつく寒さだったので、もうしまおうと思っていた真冬のコートを着て出た。観客3人。それにしても英国王室映画は重要な輸出品目なのでしょうか。やたらに多いのですが。女王の孤独って全く縁のないことなのに、それでも見ていて面白いのはなぜだろう、人間の孤独という普遍に感動するのだろうか。この映画は「ほぼ事実にもとづいた」ものだそうで「ほぼ」の部分に強調マークがあった。ヴィクトリア女王の就任50周年記念に、植民地のインドから贈り物をするということで、背の高さで使者に選ばれたインド人男性が女王に気に入られてそのまま女王に仕えることになり、そのうちに女王にウルドゥ語を教える先生という地位に登用され、当然王室職員やら王子からは非難ごうごうなのだが、それを押し切って側近においておくという話。その間の人間の保身やら欲望やらが渦巻く様子が普通に描かれる。とってもカッコいいインド人と、女王役の素晴らしい表情に見とれているだけで十分という感じだった。それと服飾と装飾にも見とれた。それとイスラム教の女性の全身真っ黒なウエアの魅力も。そして最後は結構本気で泣いたりして…。イギリス映画ってやっぱり優良な輸出品になっているように思った。帰り道に知り合いのタイ人にばったり会った。
by kienlen | 2019-04-02 22:18 | 映画類 | Comments(0)

小さな独裁者

さすがにタイから戻って1年たって生活も気分も元に戻ってきた。もう仕事もないだろうと思って名刺も作らず、数枚を手作りしたのを見直し、名刺をまた印刷した。使いきれないかもねと思ったが結構はけている。声がかかるとイベントなどに出かけるという元のような状況になっているからだ。さすがにテーマは絞っているけど。で、この週末もイベントに行って、特に日曜日は2件あって、なるほどと時代の空気を感じ、夕方グリーン・ブックに行こうと思ってたのが間に合わなくなり、検索したら、予告で絶対に見ようと思っていた小さな独裁者が始まっているのを知った。ギリギリ間に合う。それで見た。日曜日のせいなのか、あるいは興味ある人が多いのか、観客が他にもいた。終わってから声かけられて見上げたら知り合いが夫婦で来ていた。「すごかったですねえ」と言うと「いやあ、面白かった」と言われたが、確かに面白いけど、なんかこの言葉がためらわれる面白さ。こういう時の語彙って何がふさわしいのだろう。人間って…というのを、味付けなしにストレートに超大盛りでドンと出されました、みたいな感じかな。

そもそも見始めてから「どうしてこういう映画が好きなのか、怖過ぎる」と思うのが多かったはずだが、最近はそうでもなくて、結構コメディタッチの味付けだったり、いかにもシニカルだったりで引いて見れる感じのが続いていた。これは違う。まじめに怖い。隅から隅までまじめで、人間とか組織とか政治とか、まあ軍は当然として、のあらゆる残酷さというかある意味のおかしさが、救いなく丸裸にされている。最後のシーンが象徴しているのかもしれない。直視できずに何度もスマホを見たりしてしまった。こういうのは久々だな。それにしてもこれが実話を元にしているとは!しかも最期が21歳とは!脱走兵から司令官に変身してなりきる主人公の微妙な表情のうまいこと。権力を手にすることの快感、何というか生きることのアナーキーさというか、それがもうびんびん伝わってきて、それを見ているだけでもハラハラなのに、展開もハラハラし通し。ただ、展開の仕方が単純なので気をそらされることなく理解しやすくて怖さもその分倍増というお得なのか恐ろしいのか分からないが、堪能しました。ああ、すごかった。

by kienlen | 2019-03-18 17:43 | 映画類 | Comments(0)

天才小説家の妻

色々あった上に昨日からもっと腹のたつことがあり、かといって今さらでもないしで今日は自分の確定申告を出しに行った後、この映画を見ることにした。予告を見て面白そうと感じて、心の中の必見リストに入れてあったもの。テンポは全体的にゆっくり。速いのがいい人には退屈かもしれない。眠るかもしれない。しかし初老か、それ以降の人で結婚生活の長い人には、もう吐き気がするくらいにすごいと感じられるのではないかと思う。ああ、でも夫婦関係が順調な人には違うのか…、いやいや、そういう人の方がもっと面白がれるかもしれない。でも男性にとってはどうなんだろう。女性の方が共感できるかもしれない。でも、何か役にたつわけでもないので、友人に勧めるのも何ですがと思いつつ、あまりに面白かったのでメールしたら、結構興味をもっていた。興味だけで見てみたいと思うなら勧めたい。そして感想を聞きたい。主人公の夫婦の演技がすごい、他の人たちも、映画の醍醐味。最後がどうなるかと期待していたが、これはまあちょっとはいはいって感じだったけど、心理劇として堪能した。夕食時の時間帯で食べてなかったので帰り道を急いでいたら知り合いにバッタリ会ってしまい、ここで会ったがって感じで、ついついビールと日本酒を予定外にたくさん飲んできてしまった。
by kienlen | 2019-03-13 23:15 | 映画類 | Comments(2)

宮廷のレストラン

昨日フランス人の若い女性と結構ゆっくり話した。日本に1年ちょっと住んでいて日本語で大丈夫。オノマトペがフランス語だと知らなかった。彼女もなぜこのフランス語が日本語に入ってきているのか不思議がっていた。北斎が好きとか、フランスの画家に大きな影響を浮世絵が与えた話とか、フランス料理の話とか、タイ人とだと話題に困るが、だから話すこともないのだが、そういうことはなくてよかった。残念だったのは自分が運転手でワインを飲めなかったこと。で、帰宅してワイン飲みながら一段落したから映画見に行こうかと思って調べていたら、このフランスのドキュメンタリーがあって今日行ってきたところ。かといってすごく見たいというのではなく、何しろまるで動いていないので散歩の目的の方が大きかったのだが、見てびっくり、迷ったけど行って良かったと思った。いやもう、最近の中で一番かもって感じたくらい。

多分すごい有名人なんだろうが、私はこういうのに詳しくないから知らないシェフのアラン・デュカスという人に2年間密着したドキュメンタリー。最初からいきなり引き込まれたのは、ドキュメンタリーを作った人がこのシェフに惚れ込んでいるのが感じられたからだと思う。やはり熱意が一番だよなと思う。チラシを見るとベルサイユ宮殿にレストランをオープンしたのを強調しているように感じるが、それはひとつの象徴であって、料理というのが、そうかこうなんだ、という感動でずっと涙がでてしまった。それとやはり仕事とは何かとか。ひとつひとつの言葉に、そうそうとうなずきっぱなしだった。最初に出てくるのが日本。昨夜の会話とも重なる部分があって面白かったが、ブラジルとかフィリピンの場面はさらに感動。ああ、本当に良かった。

by kienlen | 2019-03-02 22:15 | 映画類 | Comments(0)

かごの中の瞳

今日はランチの約束があったのがキャンセルになり、在宅仕事があったので考えていたところに別の友人からビールの誘いがあり、しかもそれが3時から。なんとなくだらだらと6時になり、酔い覚ましで映画見に行こうかなと思った。検索したらバンコクが舞台とあって、それだけで行くことにしたのがこの映画。出だしで、ああ、と思った。何から何まで腹が立つほど分らなかった。分からないのが詩的だからだったり謎だからだったり技巧的だからだったりならいいのだけど、そういう分からなさではなくて、論理性がないというか、つながりがもう全然分らなかった。分からなくても映像が良かったり音楽が良かったりならいいけど、それもなく、こんなにつまらないと思ったのは、そうだ、あの映画以来だ。それでも途中で展開があってパッと面白くなったりしたらいいなと思ったけど、最後まで同じ。時間がもったいなかった、お金ももったいなかった。こういう時は少なくとも時間を浪費しないために途中で退出した方が良かったのだろうか、しかし最後まで見ないと分からないし、ああ、行くんじゃなかった。バカだった。バンコク在住の友人に怒りをぶつけたら、バンコクが舞台のアメリカ映画なんて見たくないと返信がきた。分かる。それにしてもこういうのを見ると、日ごろ見ているのがいかに上質かが分かる。ああ、最悪だった。カテゴリーは何なんだ、ポルノなのかと思ってスマホでみたらサスペンスになっていた。懲りた。もうこんなことはしない。
by kienlen | 2019-02-16 22:49 | 映画類 | Comments(2)

女王陛下のお気に入り

今週はほぼ毎日友人とランチとなっていて今日もやはり出て行った。よく行く映画館の真ん前の店で食べて、何か見ようかなと思ったのだが目ぼしいのがなく、別の映画館に行ってみたら、予告で見て興味を持ったこの映画が4時半から上映であることが分かった。だいぶ時間はある。帰宅すると出てくるのが億劫になるので本屋に行くことにした。まあ、自分の行く場所は飲食店と本屋と映画館しかないということがよくよく分かる。3冊購入。なんと全く予定していなかったベトナム語の本まで。なんてこった。残りの時間は映画館で読書。実は、きれいな衣装を見れればいいやくらいのつもりだったのだが、とんでもない。とっても面白かった!まず喜劇的であること。かといってゲラゲラした笑いを誘うような場面があるというのでもなく、人間社会ってこうだよなあみたいな笑い。人間社会と乱暴にいうには、ほとんど女王と王室の面々、貴族たちしか登場しないので、我々には関係ない部類の人間社会なのだが、それがもう際立ちすぎてぶっ飛んでいる。

これって何の映画なんだろう。うーん、人生訓もあるのかもしれない、おふざけとシリアスと両方。というか、この区別がないのがいいのだが。それにしてもこういう映画、日本じゃあまずできないだろう。皇室をあんな風に描けるわけない。女王をあんな風に描けるイギリスってすごいなあとまず思った。それと現代的なのか、現代が当時的なのかちょっと分からないけど、同性愛にしろ男の化粧にしろ、女の強さにしろ、エマ・ストーンが出るだけのことがあるということなのか、実に微妙なバランスの傑作だった。実際はどうだったのか、知りたい。喜劇的ではあるが、もちろん、だからこそ、表裏一体の悲しさがあり、この感じがとっても良かったのだった。こんな言い方が乱暴であるのは分かるが、アメリカの映画だといういうのを感じられないのである。映画を見ている最中にメールがあって、見終えた後に、これを見たことを伝えたら、ひとりの友人は見る予定にしているそうだった。感想を聞きたいものだ。

by kienlen | 2019-02-15 21:14 | 映画類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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