カテゴリ:映画類( 356 )

運命は踊る

舞台がイスラエルの映画は多分初めてだと思う。予告の印象では謎に満ちたスリルいっぱいの何か政治的な内容かと思っていたが、予想は裏切られた、いい意味で。うーん、はあ、素晴らしい映画だった。詩的で美しくて悲しくて繊細で、人生ってこうなんだなあという感じ。映画を見に行く前に、イスラエルに行った時の写真をいっぱい送ってきて羨ましがらせた友人に、映画見るメッセージ送ったら、壁ができる前にも行っていて、ラクダに乗ったパレスチナの青年のカッコ良さに感動したとのことだった。今よりよほど良かったということだが、そりゃあそうでしょうと想像する。入管の緊張感が嫌だったというが、国境警備はこの映画の非常に重要な場面。

物語としては、兵士の息子が死んだという知らせを受けた母親が気絶するところから始まる。とにかく表情の大写しが続くので役者はすごいなと感じる。引いた場面はあんまりなくてアップがほとんど。引いてるのは砂漠の国境警備で兵士が踊る場面で、ここはほんとカッコ良かった。物語がその後どういう展開になるかというのは、ある意味どうでもいいというか、どうでもよくはないが、それを超越した感動だった。昨日読んだ本の中に詩の役割というか、生まれる理由というのになるほどと感動したのだったが、この映画はまさにそれかもと感じたのだった。映画館で今年見た映画の人気投票をやっていて何を一番にしようか迷っているが、これかなあ、あるいは「判決、ふたつの希望」かなあ、こっちにしようかなあ。

by kienlen | 2018-11-26 21:47 | 映画類 | Comments(0)

ポーランド映画祭

月曜日に娘の所に泊まり、火曜日にポーランド映画祭に行って前売り券を買ってあった2本を見る予定だった。で、余った時間でムンク展に行こうかなと思っていた。そしたら映画の解説があり、せっかくだから聞いてから行こうと思い、ところが解説を聞いていたらもう1本見たくなり、追加でチケット買って結局3本見てしまった。最初から見たくて予定していたのは「ロマン・ポランスキー 初めての告白」と「水の中のナイフ」で、予定外の追加で見たのは「サルト」。告白はドキュメンタリーで、ひじょうに面白く、ちょっとみっけもんって感じがした。この監督さんのは好きなのが多く、というか、好きなのがこの監督作品だったという結果から興味をもち、それで今回、初の長編という「水の中のナイフ」を見てみたかったのだが、ドキュメンタリーを見てますます好きになってしまった。戦場のピアニストがいかに自分の体験に基づいているのかが痛いほどわかった。ゲットーをぎりぎり生き延び、でも母を収容所で亡くし、父は収容所を奇跡的に生き延び、親友がある日突然消えていて、その後も妻を殺人で失い、それにそもそもこのインタビュー時は逮捕されて自宅軟禁中。なんかすごい人生を誠実に語っていた。とってもいい感じだった。

「水の中のナイフ」はタイトルがいいなという感じ。既視感に襲われたが、初めて見るもの。太陽がいっぱいってこんなんじゃなかったかと思っていたら、解説でその影響があるのではないかと語っていた。ヒタヒタと不安感が漂っている感じはどの作品にも共通しているように感じるけど、あんな人生を歩んできたら、そうだろうなあと思ってしまう。つまりそのヒタヒタ感は本物なのだ。ヒタヒタ感に本物と偽物があるかどうか知らないけど、ま、こういうのは感性の問題でありましょう。基本的に単調でモノクロで、ちょっとした盛り上がりがってハラハラして、という構成はともかく、極端に少ない会話で逆に心理状態を想像する余地がゆっくりあって、すごくいいという派手さはないが良かった。で、予定外だったサルトは、ポ監督ではなく、そしてかなり意味不明だった。これは何かのカテゴリーに入る映画なんだろうな、何だったか…。灰とダイヤモンドのパロディかと思っていたら、解説でもそのあたりに少し触れていた。映画館に一日とどまったことで、移動と静止のバランスは取れているのか…。

by kienlen | 2018-11-23 21:18 | 映画類 | Comments(0)

バッドジーニアス

昨日3本も映画見たのに今日も見た。これはどうしても見たかったからで、来週までやっているらしいが、行けるときに行かないと見逃す可能性があるから。昨年タイの高校に行ったりしていなければそこまで興味を持たなかったかもしれない。ただ、タイ映画というだけで見るかな程度だったかもしれない。しかし、である、タイの高校生のカンニングがテーマとなると、昨年高校にいたからには、見ないわけにはいかないのである。と、くどくど見る理由を述べるからにはそれなりの根拠があるわけだ。大きな声では言い難いが。というわけで、ちょうど夕方の散歩を兼ねていつもの映画館へ。観客はなんと7人ほどいた。大入りの方ではないだろうか。結果的に、これはもう大傑作、実に実に面白かった。役者は主演始め初の映画という子が多いということだけど、ぴったりはまってて、ものすごくリアル。校長のこの感じ、金持ちのこの感じ、金があれば何でもできるこの感じ、全然わざとらしくないところが怖いというか、何というか。

物語は単純である。頭脳明晰の主人公リンちゃんが、名門高校に入るところから始まる。天才的な成績なので奨学生として学費はタダ。名門っていっても入ってみると、勉強ができるというより金持ちの子が多いという感じ。このあたりの名門性についてはちょっと分からなかった。ただ、ギフテッドという名前のクラスがあるのでてっきりお勉強できる子のクラスかと思ったら「金持ちのクラス」と説明されてびっくりした経験が自分にはあり、リッチとか名前を変えた方がいいんじゃないかと思ったことはあるがギフトの中にはお金も含まれていると思えばいいのだ。以上、余談。まあ、それで、この天才少女はカンニングによって金を稼ぐ術を知り、どんどんエスカレートしていって…という話。途中でもうひとりの秀才が登場して話は多少膨らみを帯びるが、この単純さでこの面白さで、2時間以上の長い映画なのにまったく飽きない。すごいな。映画が終わってタイトルバックが流れるときには途中で出てくることが多いのだが、今日はなんとなく最後までいたら、最後の最後に流れる校歌の歌詞が秀逸。これを知らずに出ていたら残念だった、ということも知らずにいたのだと思うと良かった。この歌詞だけでも、皮肉たっぷりであることが分かる。いやはや、娯楽として楽しめてタイ社会をうまく描いていて感服。すっごく面白かった。


by kienlen | 2018-11-21 22:25 | 映画類 | Comments(0)

禁じられた遊び

なぜかこの映画を映画館でやっていた。先日行こうかなと思って挫折し、今日行ってきた。昨日と今日と集中して勉強していたのでちょっと休憩を兼ねた夜の散歩がてらの映画。どうしてこの古い映画をやっているのか知らないが、とってもありがたかった。会員になったので千円だしスタンプは押されるし、そして大きなスクリーンだし、観客は3人で広々なんてもんじゃないし。それにしても素晴らしい映画だった。何から何までが。これで泣かない人はいないだろうな。夜の7時50分からという上映時間もありがたい。名作は時代を超えて名作なのである。

父が大根と野沢菜と柿を持ってきてくれた。柿は好きじゃないが、干し柿は好きなのでそれ用の渋柿。取りに行く予定にしていたがもう熟しすぎでダメとのことでほんの30個くらい。夕食前にむいて干した。生乾きのうちに食べるのが大好きなので楽しみ。ついでに皮も少し干してみることにする。父は野菜をくれた後、おもむろに小さな包みを出しだした。札束かと思ったら違って色のついたご飯だった。「もしかして松茸ご飯ですか」と聞いたらそうだとのこと。親戚の人が冷凍にしたのを3本持ってきてくれて、まず1本を松茸ご飯にしたそうだ。今年最初で最後の松茸を昼ごはんとしてありがたくいただいた。しかし冷凍もののせいか、香りはかなりかなりいまいちだった。でも、シャキ感はあった。タイトルは映画なのに中身は日常メモになってしまった。

by kienlen | 2018-11-07 22:31 | 映画類 | Comments(0)

判決、ふたつの希望

この間、ちょっと切羽詰まっている状況の中だったが、もう今日見ないと終わってしまうと思ってちょっとムリして見に行った。レバノンの映画なんて多分見たことがないし、予告でぜひ見たいと思っていたもの。結果的にすごーく良くて、ムリしても行った価値があった。ほんの些細な日常の出来事を描きながらずっと深いところまで連れて行ってくれるという感じ。パレスチナ問題のレバノンの位置というのはまったく知らないが、中東の複雑さというのだけはひしひしと感じるし、日常生活と切り離せないものであることも感じる。日本にいると差し迫ったテーマではないのかもしれないが、今のようにどんどん定住する外国人が増え、それなのに移民という言葉は使わないという政策だと気づいたときにはこういうことも…ということはあり得なくはないはずだ。

予告の印象では裁判ものという感じで、実際に裁判の場面も多いが、裁判自体の複雑さというか、クライアントと弁護士の関係をこんな風に描くなんて、すごい面白かった。風刺もきかせつつ人情物でもあり、優しさもにじみ出ていて、うーん、良かった。役者も素晴らしくて、なんか映画と思えない、隣で起きていることという雰囲気だった。チラシに「観る者の心を深く揺すぶってやまない」とあるけど、大げさではないし宣伝のための文句という気はしない。揺すぶられた。それにしても映画館に徒歩距離の所に住んでいるのは便利だ。思い立ったら時間調べてすぐ見れる。今日も行こうかなと思っている。夜はどうせ何もできないのだから。そうそう、昨夜は驚異的にアルコールをとらなかった。ここんとこ切羽つまり状態で、それに昨日の仕事が重圧で疲労感があった。明日は東京に歌舞伎を見に行くのだが、またもや日帰り。優雅な日々ねといわれると、そうね、と答えている。優雅だったらバスで日帰りってことはないのではないだろうか。まあしかし優雅って何ってことになるけど。しかしこんなことをしているので一番やりたい仕事を物理的な理由だけで何度か断ってしまう羽目になっている。しょうがない、気にしない気にしない。

by kienlen | 2018-11-04 17:17 | 映画類 | Comments(0)

1987年、ある闘いの真実

この韓国映画を見てきた。こんな平日の行楽日和にこんな映画を午後一番から見に行く人がいるんだろうかと思っていたが、なんと8人もいた。極小スクリーンの極小の部屋に8人もいるとにぎわいを感じてしまった。しかし、タダで色々な映像を見れる中でわざわざお金と時間を使って映画館まで足を運ぶ層に見せるには、意外にこういう映画がいいのかもしれないと思ったりもした。とにかく一瞬もほっとできる間がなく目をそむけたくなる場面多く、そして久々に号泣してしまった。泣いた目で会員の申し込みをしてきた。これで市内のすべての映画館の会員になったことになるが、こんな制度を知っていたらもっと早くなっているんだった。何しろ500円払って会員になれば毎回1000円で、さらに6回行くと7回目がタダ。ここに会員制度があるのを知らなかったのは残念だった。

1987年といえばつい最近である。若い人以外にとっては。その時に韓国がこういう社会であったことを知らなかった。しかしほんと隣の国のことを何も知らないのである。小説もそうだが、自分が最も興味あるのは基本的には事実で、そこに脚色したものであると感じている。今日のはまさにそれで、韓国映画で見に行くのもそういうのが多いが、もうひとつ好きなのは芸術性と抽象度の高いもの。ということは全部ってことか…。役者も良かったし、描き方も良かったし、独裁の恐ろしさは十二分に伝わるし、深く感動した。最近友人たちは読書量が増えているというのに私は激減、それには事情もあるが映画に行ってしまうのも関係している。

by kienlen | 2018-10-26 16:47 | 映画類 | Comments(2)

スターリンの葬送狂騒曲

友人から修理に出した自転車を車に積んでもってくるアルバイトの打診があり喜んで引き受ける。それだけで3千円くれるというのだから。それを午前中にやり午後から打合せ2件で、夜は友だちと食事ということになっていて連絡待ちだったのに音沙汰がないのでムリすることもないですよと電話したら後日ということになり、出先で時間があいた形となり映画を見ることにした。その時間で間に合うものをみたらそれほどなくて、これにした。ブラックコメディということだったのでふざけて笑える作りになっているのかと思ったら、思ったよりすごーく怖かった。何しろリストに従って殺しまくる場面から、権力争いから、その結果のまたまたの殺しから、もう怖い怖い、というか、つまり怖い場面以外はなし。英語なのにびっくりしたが、これロシア語でできるわけないなと思い直した。なんでも、上映禁止とか。

スタートにもびっくりした。きれいなピアノで始まるコンサート。モスクワ放送局のライブらしいのだが、そこにスターリンから電話があって録音を届けろと言われたスタッフのあせりよう。録音してなかったので演奏し直し。観客が足りないと音が響くということでかき集めてくるのと、ピアニストの女性がやらないと言い張るのを説得するのがもう大変。このピアニストは家族を片っ端から殺されているので、もう怖いものなしみたいな強さがある。とにかく、このような内容をブラックユーモア以外で描けるわけはないのだろうとは思う。幹部も殺されるリストに入っているんだし、妻もそうだし、もう怖い怖い怖い。どこまでが事実なのか知らないが、しかしかなりが事実らしい。私はそもそもスターリンってこんなに急死だったんだと知らなかった。広い劇場に観客は自分含め2人だった。

by kienlen | 2018-10-20 22:32 | 映画類 | Comments(0)

灰とダイヤモンド

友人とランチの予定だったのがキャンセルになった。時間を見ると9時35分。ギリギリ間に合うので午前10時の映画祭のこの映画に行った。絶対見逃すわけにいかないのでスケジュール帳にメモしておいたもの。とはいえ、行ける時に行かないと期間はすぐに過ぎる。歩きたい距離だが時間がないので自転車で。何で見たのだろうか、昔昔何かで見たことはあるが何も覚えていない。「地下水道」の方は、あの、穴から出てきた時の絶望があまりにリアルで映像が記憶に残っていて、もうあれは見たくないなという気持ちがあるけど、こちらの方はそこまで深刻でなかったような気がする、という程度の分からなさのままで行った。昨日のインドのと時代はほとんど同じ、つまり大戦後まもなくのころ。インドは独立をめぐっての分裂と内戦の危機だが、こちらのポーランドは共産化した政権と抵抗派。ただこちらの映画はそういう政治とか社会を描きながらも芸術的で哲学的で、ずっと目頭が熱くなりっぱなしという感じだった。モノクロの映像はすごくきれいだし、わざとらしいくらいの演技もセリフのひとつひとつもカッコ良くて悲しいのである。

この間、モノクロの写真を撮ってきた写真家からモノクロの色の豊かさというのを聞いたばかりで、そのことを想いながら見ていた。やはりモノクロは大好きだ。比較できるようなものでもないのに、どうも昨日のと比べてしまう。昨日の男女のロマンがああいう形で必要だったのかというのが疑問なのだが、今日のは違和感がなかった。どこまで切迫しているのかという描き方が、今日のは、この状況ならこの心理状態ならこうなって当然という納得ができて、昨日のは、そこまで納得できなかったわけだ。それはストーリーからではなくて描き方からくる印象のように思う。分かりやすいのは最後のシーン。昨日のあの甘い終わり方と今日のあのぼろきれのような終わり方。後者が冴えている、と感じてしまう自分がいる。若いときにこういうのに影響を受けるというのは一生に影響してしまうよな、と考えていたわけだが、だからといって、じゃあ自分が明るくて元気なのを好きになったことがあったかというと、子どもの頃から今まで一度もないわけで、どーしようもない。全体的なわざとらしさといい、登場人物それぞれの美学といい、ほんと良かった。

by kienlen | 2018-10-12 23:12 | 映画類 | Comments(0)

英国総督最後の家

友人からこの映画を一緒に見ましょうと誘われた。予告編を見て絶対に行こうとスケジュール帳にもメモってあったものなので、夜の時間帯に変更になってから行こうと思っていたのを変更して今日行った。観客は7,8人いたので、平日の昼間としては多い方だと思う。今回の予告も見たい映画だらけだった。なんでこれを見たかったかというと、インド独立を前に最後に派遣された総督を取り上げるというのが、すごく興味深かったから。なんか、盲点みたいな感じで。舞台は1947年。インド解放が決まり、300年統治したイギリスから最後の総督が、政権をスムーズに委譲するためにやってくる。しかしそんなに簡単には進まない。ここで焦点を当てているのはイスラム教徒とヒンズー教徒の対立で、もちろん大きな理由はイギリスの統治方法にあり、そういうやり取りはでてくる。それにしてもずっと植民地になっていたということの残酷さは想像を絶するものだろうと今回も思った。

独立後にマイノリティーになってしまうイスラム教徒はパキスタンとして独立する道を激しく主張し、ネルーやガンディー含む会議派は分離は避けたい。板挟みになる総督。複雑にしているのは妻が政治への関心が高くて口だしすることで、大英帝国の宣伝にふさわしいような人道的な女性なのである。つまり人間的。総督も人間的。そんな個人が国家の非情さに翻弄されるというあたりの描き方はイギリスっぽいなという感じがしたし、面白かった。ただ実際の主人公というのは総督の豪邸の使用人となるパンジャブ州出身の多分ヒンズー教の青年とモスリムの女性なのだろう。つまり状況的に成就しないこの2人の悲恋なのだが、これがないと物語が進まないのかどうか、どうなんだろう。好みとしてはこれなしでやってほしかったけど、それだと色気も素っ気もなくて映画としての面白さに欠けるのだろうか。最後がいかにもなのもうーん、どうなのかなって感じだった。ただ、インド独立の時の状況や、当然今に続く複雑さの元が少し分かったし大変に面白かった。

by kienlen | 2018-10-11 21:16 | 映画類 | Comments(0)

ラ・チャナ

ここんところの一番の重圧から解放され、切り替えて勉強に取りかからねばと思ったが、ちょっと間隙が欲しくて映画を見に行くことにした。つい先日まで別のを考えていたが、友人から、友人が絶賛しているとの連絡があった「ラ・チャナ」に変更した。口コミの力ってやはり侮れない。さて、これは予告で見たときに面白そうだと感じたが、伝記物って多分いいのは分かるけどなんか想像つくような感じもあり必見リストというほどではなかった。芸能人だと酒とか男とか女とか、こう自己破壊的な不安定さみたいな感じの。で、これ、結果的にはとても良かった。ひとつには、誰かが演じるのではなくて当事者であること。伝記なんて勝手に思っていただけで、つまりはフラメンコダンサーのドキュメンタリーということか。それから、すっごく内省的であるのが良かった。もっと踊りの場面に満ちているのかと思ったらそうでもなくて、色々な含みのあるものだった。

ヒターノという言葉がいきなりでてきて、キーワードであることは分かったが、意味が分からなかった。知識があったらもっと深く理解できるはずなのに、毎度のことながら残念である。で、後でチラシを見たらヒターノ(ジプシー)と書いてあった。つまりヒターノの、決断するのは男であり女は従うだけだという文化がひとつのポイントとなっている。だからといってこの文化に抵抗する強い女という描き方ではなく、その文化に翻弄されながらも自分を貫くしかない、みたいな描き方が、とても感動した理由のひとつだと思う。この主人公みたいな人は天才なのだろうと思う。すっごく魅力的だった。ダリが彼女の踊りを見に来たときの感想が面白かった。チーターを2匹連れてきたのだそうで、彼女が大きな足音を踏み鳴らすと、うーっとうなって怖かった、といっていた。月並みな言い方だが、純粋。素直に生きるのがすがすがしくていい。大変良かった。自己満足でもなく自己欺瞞でもなくただストレートに表現できるというのはすごいことだと思う。もっとも身体表現というのは、ごまかしがききにくいか。


by kienlen | 2018-09-26 20:01 | 映画類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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