人気ブログランキング |

カテゴリ:読み物類( 782 )

『台湾物語』

友だちから「海外旅行中ですか」という問合せメールがきた。戻ってますと返信したら「どこから」ときたので「台湾」と返信したら、それをブログで読みたいと嬉しいお言葉があった。嬉しいのだからすぐ書けばいいのに、こんなに遅くなっている。しかも、旅行についてではなくて本である。裏切りである、なんてことはないと思いますが。しかし、それにしても、旅行の前から読み始めたこれを旅行中に読み終えて、続けて今も読んでる最中の『台湾海峡1949』がすご過ぎて、はあ、それにしても何も知らない自分、だからといって知っていたらどうということでもないが、ちん、という気持ちになっている。もう一度、ちん。で、この本。著者の新井一二三さんという方の本は中国語についての新書がウチにあるしそれは読んだはずだと気づいた。どうりで見たことある名前だ。

非常に面白い、とてもいい本だった。始まりは、仕事の同僚であるらしい台北で働く編集者の里帰りに同行させてもらうという場面。とってもありふれている。台北という中心地と地方の格差だとか食の話とか、家族のこととか。ちょっとうーんと思ったのだが、すぐに撤回。格差や違いの背景となる歴史、政治状況、さらに他の地域間の違い、当然そこには民族だ言語だということが出てくるし、それはイコール文化だし生活である。日本の植民地だったとか、それなのに親日的であるとか、中国との関係とか、漠然としたイメージでしか台湾についてもっていなくて、本の1冊も読んだことがなかったのだ。結構親しい知り合いもいるし、これまで出会った台湾人も何人かいるのに。それにバンコクにいた時、台湾人が日本語で商売していたのも印象に残っているのに。それに映画もいくつか見たことがあるのに、基礎知識があまりに欠如してて、何も理解していなかったと思う。本というのは、その点説明ができるし、分からなければ読み直しもできるし、断片がつながるのだが、じきに忘れてしまうのが自分の難である。

いずれにしろこの本を読んでいて、モヤモヤが少し整理された感がある。なるほど、1988年に蒋介石の息子が死去するまで独裁で、初の直接選挙は1996年だったのだ。なんと、ちょうど私がバンコクに住んでいた期間。それから民主化が進み、この本では2000年の選挙で民進党の南部出身の総統が誕生したのは無血革命くらいの変革だといっている。これを機にインフラ整備が進んだようだ。なるほど、つい最近のことなのか…。こんなことでなるほどと感じているとはお恥ずかしい限りで、まったくの触りに過ぎない。この本は独立した7章だてになっていて、多分どこから読んでもいいのだろうけど、私は最初から最後まで順番通りに読んだ。今と過去を行き来しながら、多様なテーマを折り込み、深い知識としっかりした視点と、何より台湾への強い愛情を感じる本で読みやすい。何度も涙が出てしまった。秀逸なのは、ガイドブック的な側面も意識していることで、とてもよくできた本だった。そういえばどういう経緯でこれを買ったのか…忘れちゃったが、アタリだった。

by kienlen | 2019-09-14 11:12 | 読み物類 | Comments(0)

『だめだし日本語論』

橋本治と橋爪大三郎の対談で図書館で借りたもの。橋爪大三郎は博学過ぎて、はあすごいなあ…ため息…で、対談くらいしか読めないし、橋本治は面白いので読んでみたら、やはり面白かった。しかし本というのは面白くないと最後まで読まないわけなのでどれも一応は面白かったということになってしまう。となると挫折した本のこともメモっておいた方がいいのだろうか、いやそれはあまりに面倒である。そもそも最後まで読まないと、何が面白くなかったのかも分からないわけだし。この間のハングルから日本語を見る本に戻ってしまうが、口語を分析する難しさが書いてあった。データ集めがまず困難。会話は重なるので文字表記できないし、会話データを集めて何年も研究にかけていたらすでにその時点で話言葉は古くなってしまう。確かに。で、対談本というのも実際の会話とは違うわけでまとめる人の手腕は多分にあるのだろうけど、文字は大きいし行間は広いし専門用語はないし、それに資料が抱負でとっても親切な本だった。太田出版ってこういう本もあるんだ。それにそういえばatは太田出版だったのか、気づかずにいた。

テーマをひとことでいうと、日本語ってどういう言葉かってことになると思われる。まずは文字を持たなかった日本語に中国から文字がきてひらがなができる過程とかの話があり、当時の文字資料が提示され、男と和歌の話とか、上流階級だったら和歌ができなくてもいいし代筆も可能だったので、和歌がうまくなったのは下級貴族であるとか、知らない者にとっては色々と面白いことばかりだった。あと最も興味深かったのは、武士が歴史をつくらなかったことが天皇制につながったのだとか、江戸時代と明治をひらがなとカタカナに例えたり、日本史を外国に説明できない理由。こういう話が定説なのかどうか自分には何も分からないけど、とりあえず読んでいてとても楽しかった。あと、日本語がどこかで完全に断絶しているのじゃなくて、文字資料もあって千年以上もさかのぼることができるのがいかに貴重かというのも英語なんかと比較の中で感じることができた。ふたりが自由に語っているのが読んでいても面白い理由なんだろうなと思う。

by kienlen | 2019-08-31 13:47 | 読み物類 | Comments(2)

『日本語とハングル』

読んだのにメモる元気もなく図書館に返却してしまった本。収入がほとんどないのもあって本はほとんど図書館になっていて、まごまごしていると記録を忘れてしまう。さて、この本、大変面白かった。文字が部分的に太字になっていたり今風というかネット風というかで、ちょっと見には軽薄っぽい感じがするのは、自分が古いってことか、でもそれでもひるまず読んだのは、そうでもないということか。ま、どっちでもいいけど、結果的にとっても面白かったのだった。ハングルというのは韓国の文字のことなので、タイトルで日本語と並べるのは次元が違うのだが、なぜかという理由を述べていた。つまり、音を非常に合理的に記せるハングルを通して日本語を見ようということだったと思う。手元に本がないので確認できず…だが。

韓国語と日本語がいかに似ているかは、色々聞き及んだり読んだりしてきて、それなのに言語学の世界では同類になっていないのはなぜかというのは、ついこの間も友人と話していたところだが、ここにその理由が書いてあった。言語学の分類は厳密なのだと。うん、分かった気分。この本はハングルの知識がなくても読めるようにと初心者向けに書かれてはいるが、ハングルの仕組みを知っているとさらに分かりやすい。ちょっとかじっておくだけでも面白いものだと感動。あと、変体仮名とか古典の文章とか、それをIT技術でよみがえらせておくことが必要であるとの主張に、なるほど、技術はそういう風に使えるわけだと感じいる。そしたら日本語のルーツをたどるのに大変役にたつし辞書機能で古典が読めたら面白そう。韓国語では、語源の漢字がワープロで出せるとか。それいいなあ。この本が面白かったので同じ著者の本を借りた。


by kienlen | 2019-08-30 10:47 | 読み物類 | Comments(0)

『日本語は親しさを伝えられるか』

岩波書店の、そうだったんだ!日本語のシリーズは興味深いテーマばかりでこの前に1冊読み始めたのがあるが、こっちを先に読み終えた。ずっと疑問に思っていたこと。日本語には挨拶言葉を始め形式的な言い回しが多いのじゃないのかということ。日本人が話下手なのはこの影響があるんじゃないかと思ったりもする。とにかくよろしくお願いしますと言ったり書いたりが多いし、それでマナーにかなっているような気になる。中身要らない。それと子どもが学校に行っている時の悪夢のあいさつ運動。吐きそうになって言い訳みつけて休んだがずっと休めずちょっと顔出したことがあると思うが、どうして挨拶を運動でやらなければならないのか今も分からない。みんなよく耐えていると思ったものだが、続いているということはあれで病気になったりする人はそんなにいないということなんだろうか…。

という関心から読むととっても興味深い。著者はポライトネスの研究者だそうで、その観点からのアプローチで敬語も挨拶の流れで扱っていて、そうかなるほどと思った。それにどうすべきという主張ではなくて、まずこのことを知ろうという趣旨なのは好感だった。日本で現在伝統とされていることが明治の発明品であることを全く知らないわけではなかったが、そっか、挨拶もか…。なんかすごく納得してしまった。タイ語の場合の挨拶言葉のサワッディーが新しく作られたものであることは分かっているというか、そう定義されているが、日本語の場合、みんなそれを共有しているように感じられないのはなぜなんだろうか。あるいは私だけ知らなかったのか。いやこの本を見る限りそうでもないらしい。韓国語が敬語もあって似ているとは聞いていたが、日韓のポライトネスの違いも面白かった。なんか心当たりあるなって感じて。それでこのタイトル、つまりこれからどうしていくかって話である。言葉ってほんと面白い。通じるって何かというのも面白いというか怖いというか。

by kienlen | 2019-08-18 16:40 | 読み物類 | Comments(2)

『日本語教育はどこへ向かうのか』 

さすがにこの手の本が増えてるように感じる。そりゃあそうでないとならないと思う時代のある日、たまたま図書館の新刊コーナーで見つけたもの。日本語教育関係はちょくちょく借りるけど、読み通したものはそんなにない。これは大変面白かった。ディスカッションとレポートを組み合わせた形式が面白いのと、内容も興味深かった。日本語教育関係者が政治に働きかけをしているのに対し、何もしなくても雇用がある英語教育ではそれをしてきていないようだとか、教え方の問題とか、現場の話からポリティクスの話まで色々で、もちろんそれが全部つながっているのだが、こういうバランスのものってそんなにあるんだろうか。著者のひとりが「やさしい日本語」というのの提唱者らしく、それには紙面をだいぶさいてあった。私はこれについて知らないけど、いつも疑問を感じていることはある。それは、例えば学校から保護者宛てのお知らせとか行政からのお知らせとか、フリガナをふるようになっているのは多いが、そういう問題じゃないでしょうと感じることがよくある。構文が複雑だったりとか。ただここで言っているやさしい日本語はそんなレベルではなくて、どうも全体にやさしくしましょうということらしい。となると日本語自体が貧弱になってしまうのではないの、みたいな議論もちょっと紹介してあった。まあ、元を知らないので触りだけ感じただけだけど。経済力が落ちる中で日本語を学びたい人をいかに維持するかは、やはり戦略が必要でしょう、という空気は漂っていた、まったくそう思う。すごく共感したのは、実用レベルの日本語の教え方の話。今日返却するので、とりあえず読んだメモだけ。
by kienlen | 2019-08-03 07:42 | 読み物類 | Comments(2)

『中国の論理―歴史から解き明かす』

今日はちょっと出かけるので、これを図書館に返却しようと昨日読みふけっていた。大変大変面白かった。本というのは本当にありがたいものだと、いつも思うが今も思う。中国は研究の歴史が長いし文献もあるし、だから深さも視点の多様性も広がり面白くなっていくに違いない。例えばタイでここまでのものを一般向けにできるかというと、きっと難しいと思われる。このところ中国が続いているので重なる部分もあり、面白さが加速していくわけだが、この本も知りたいツボが色々出てきて感動してしまった。この間読んだ本で、イギリスとの外交で礼の仕方をどうするかで折り合わないみたいなくだりがあり、そこまで重要な問題なのかとちょっと笑えたのだが、これを読むと儒教では礼節こそが大切なのであるということがくどく説明されていて、よく分かる。それと中国における歴史研究の意味が何かとか、もう、はあ、なるほどーの連続だった。比較が中心ではないが、ところどころ日本との比較がありさらに分かりやすかった。ずっと気になっていた国の呼び方についても出てくるし、手元に置いておきたくなる本だが、これ以上本を増やしたくないし、仕事で使うわけでもないし、我慢、キリがない。良かった、ありがとうございますと言いたい。
by kienlen | 2019-07-26 09:24 | 読み物類 | Comments(0)

『漢字廃止で韓国に何が起きたか』

図書館で借りてしばらく前に読んだ本。日本語もローマ字表記にするとか、英語を公用語にするとかの議論が本気であったことを考えるとゾっとするが、韓国では漢字を廃止したのだ。韓国とベトナムが漢字を使い続けていたらいいのにと、すごく思うので残念ではあるが、歴史を考えると漢字を廃止したい方の論理も分からなくもないなと思ったりもしていた。そんなわけでタイトルに興味を持って借りたもの。文字が大きくて見やすかった。この本によると漢字の廃止はとんでもない結果を生んでいるということになる。ここまでの事態になっているのか実際を知らないけど、理屈は分かる。言葉はまず音があって、文字はその後なので音の方が大事といわれても、日本人の自分としては、まず思い浮かべるのは漢字であり、表音文字の国の人とは発想が違うんだろうなと日ごろ感じているので面白かったし、ひらがなとハングルのでき方と一般への文字の普及の両国における違いとか、色々と面白かった。漢字復活させてくれないのかな。ベトナムに行った時にお寺の碑が漢字だらけだったのも印象的だった。韓国とベトナムが漢字を使っていたら、日本語を教える時に中国人と韓国人とベトナム人と日本人で楽しいことになるだろうにと思う、残念。
by kienlen | 2019-07-25 19:38 | 読み物類 | Comments(0)

『星の子』

娘が今村夏子が好きで、この本を前から勧められていた。1度読み始めたことがあったけど、そのまま枕元に置きっぱなしになっていたのを、昨夜ふと読んでみるかと突然思った。こういう、どうということのない小説を朝から読むのは時間がもったいないと思いながら今朝パンを食べながら、まあ、しかしすぐ読めるから読み切ってしまうことにした。つまり不快感はないし、どうなるのかなという展開を思わせて読めてしまうものだった。面白かったかというと、すごい面白いとも言えないし、かといってつまらないとも言えない。すんなり読めてしまって、登場人物も関係性も淡い水彩のスケッチみたいな、現代的というか、まあ自分には抵抗のない内容だった。リアルというか。新興宗教というか、すがる対象をこんな風に軽く描くのは、珍しいものなのかもしれない。といっても、今の小説をほとんどというくらい知らないので何とも言い難いが。この透明感というか存在感のなさというか、いかにも今風で、そういうのには抵抗感はないが、かといって時間を使ってこの手の本を読むには歳を取り過ぎているように思う。前に同じ著者のあひるも読んだんだったな、内容は覚えてないけど、多分同様の印象だった気がする。悪くない、あるいは若かったら好きになるかもしれない、でも、今時間は使えない、でも読むのに時間がかかるわけでもないので、たいした損失ともいえない、というところか。読んだ後でAmazonとか読書メーターの評価をのぞいてみることが多いが、この両者の評価はかなり違うのが面白い。読書メーターは若い層が多い感じ。これも読書メーターの評価の方がAmazonより高いようだ。
by kienlen | 2019-07-17 11:26 | 読み物類 | Comments(0)

『動物農場』タイ語版

軍政が続いていたタイでやっと選挙があったこの春は、仲良しだった高校生が初の選挙権行使でどうなるかなとちょっと思っていた。その子が投票すると言っていたのが、新しく誕生した政党。その党首で首相候補として立候補したのが、俳優になったらいかにも悪役が似合いそうなイケメンで超金持ち。それだけならありがちな話で、そこまで興味があったわけではないが、たまたまYouTubeで演説を聞いたら、これがすごくまっとうでファンになってしまった。協同設立者は名門大学の先生で、これまたイケメンで、こっちはまあ悪役じゃなくていいとこのお坊ちゃまという感じ。もうすべてがいかにもタイなのである。それで何度も色々なのを聞いていた。それから投票があり、即日開票なんてことはなくて、何をしているのか分からないけど1か月くらいたってから結果が出て、この新しい未来党は、党首が逮捕されそうになるなどの事態にも関わらず予想を上回る票を得たのだった。

という経緯と「動物農場」がなんで関係あるのかというと、選挙の過程で、かつてのクーデターで権力を握って首相になっていて、今回も選挙を経て結局は続投となった首相が国民に対してこの本を読めと言ったというのが話題になっていたのだ。それに加えてこの本は私の大好きな本のひとつ。それにしても、軍事クーデターで首相になった人が勧める理由は何なのかという疑問があった。だって、それで結局もっとひどい事態になったってのがお話の内容ではなかったっけ。かといってよく覚えているわけでもないので再読しようと思って、本棚を見たら、この本のタイ語版があるのに気づいた。いつ買ったか覚えてないが、いいチャンス。他をさておきで読んでみることにした。日本語ならすぐ読める短篇だがタイ語ではそうはいかない。いきなり分からない言葉だらけ。しかしいいのである、焦ることもないし分かっていることだし。慣れてくるとなんとか分かるというのも経験上分かるし。それにしても非常に非常に長い時間を浪費して、他を犠牲にして昨夜読み終えた。やっぱり面白いのと、簡潔なのが読みやすい。日本語と比べてみよう、でもその前にやっぱり原文でも読んでみたい。今日買いに行こう。本屋にあって欲しいです。



by kienlen | 2019-07-14 10:39 | 読み物類 | Comments(2)

『清朝と近代世界19世紀―シリーズ中国近現代史①』

ああ、面白かった。大地のインパクトと中国語が面白いのと、これからも中国に行きたいと思っているのと、そうだその前に行っておこうと台湾のツアーも予約したのとで、何かまた中国関係をと思いながら図書館ぶらぶらしながら見ていて手軽そうなこの岩波新書を借りてみた。テーマが色々入っていて時系列でもないし、まあ時系列で書くなんてことは実際できないことは分かるが、とにかく聞いたことも見たこともない人々が大量に登場して覚えられるわけもなく、で、覚えようと思ったら挫折するし、そんな必要性も感じないので、もう分からないまま気にせずに読んだ。几帳面な人だとこうはいかないのだろうか。しかし西洋の歴史よりも親しみを感じるのは名前も漢字なのでこんがらがり方の質が違う。書く側もそんなことはお構いなしという勢いで進めているのが好ましかった。いちいち気を使っていたら勢いが衰えますもんね。なんてことはともかく、まず、はじめににある最初の文章であっと思ってしまった。「日本の徳川政権と清朝とは、使節のやりとりなど国家どうしの恒常的な関係をもっていなかった」とある。そうか、なるほど。タイもベトナムも朝鮮も琉球王国も清のお墨付きをもらっていたのだが、日本はそうではなかったのだ。で、これが後々まで影響することになる、というのが歴史を読む面白さ。この点に関するタイのことは終わりの方ででてきて、ラマ5世当時のやりとりが興味深かった。

前に大航海時代にインドからだんだん植民地化されていく様子の大著を、支配する側からの視点で描いたのを読んだ時、すごく面白かったがすごく巨視的なので当たり前だが、各国内の事情は非常に大雑把だった。で、印象としては国内がガタついていることの危うさというのが残っていて、中国の場合特にそれが強調されていたような気がする。この本を読むとそのことがダイナミックに描かれている。鎖国なんてできるのは島国だからだろうし、地方勢力が力を持ち過ぎないような仕組みを作るのだってあんな大きな国ではムリだろうし、それでもがんばっている感じが伝わってきた。儀礼の作法がいかに重要で、外交関係にここまで影響を与えるのだというのは新鮮だった。面白さは細部に宿る。あとは科挙制度の問題点というか、本質というか、時代に対する柔軟性を欠くことになるあたりのこととか、日本の家制度に対して男系でつながっていることとか、まあ、断片的な知識としてはあっても、それが人間関係や社会にどう作用しているかまでは分かってないことが、少なくともある視点からはこうなのであると分かるし、そういう発見がいっぱい。台湾のことも出てくるし、この間行った福建省ももちろん出てくるし、ちょっとでも見てあるのとないのとではだいぶ違う感じがする。このシリーズどれも面白いんだろうなあ…うーん、どうしよう。



by kienlen | 2019-07-07 16:04 | 読み物類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
プロフィールを見る
更新通知を受け取る