2018年 10月 12日 ( 2 )

灰とダイヤモンド

友人とランチの予定だったのがキャンセルになった。時間を見ると9時35分。ギリギリ間に合うので午前10時の映画祭のこの映画に行った。絶対見逃すわけにいかないのでスケジュール帳にメモしておいたもの。とはいえ、行ける時に行かないと期間はすぐに過ぎる。歩きたい距離だが時間がないので自転車で。何で見たのだろうか、昔昔何かで見たことはあるが何も覚えていない。「地下水道」の方は、あの、穴から出てきた時の絶望があまりにリアルで映像が記憶に残っていて、もうあれは見たくないなという気持ちがあるけど、こちらの方はそこまで深刻でなかったような気がする、という程度の分からなさのままで行った。昨日のインドのと時代はほとんど同じ、つまり大戦後まもなくのころ。インドは独立をめぐっての分裂と内戦の危機だが、こちらのポーランドは共産化した政権と抵抗派。ただこちらの映画はそういう政治とか社会を描きながらも芸術的で哲学的で、ずっと目頭が熱くなりっぱなしという感じだった。モノクロの映像はすごくきれいだし、わざとらしいくらいの演技もセリフのひとつひとつもカッコ良くて悲しいのである。

この間、モノクロの写真を撮ってきた写真家からモノクロの色の豊かさというのを聞いたばかりで、そのことを想いながら見ていた。やはりモノクロは大好きだ。比較できるようなものでもないのに、どうも昨日のと比べてしまう。昨日の男女のロマンがああいう形で必要だったのかというのが疑問なのだが、今日のは違和感がなかった。どこまで切迫しているのかという描き方が、今日のは、この状況ならこの心理状態ならこうなって当然という納得ができて、昨日のは、そこまで納得できなかったわけだ。それはストーリーからではなくて描き方からくる印象のように思う。分かりやすいのは最後のシーン。昨日のあの甘い終わり方と今日のあのぼろきれのような終わり方。後者が冴えている、と感じてしまう自分がいる。若いときにこういうのに影響を受けるというのは一生に影響してしまうよな、と考えていたわけだが、だからといって、じゃあ自分が明るくて元気なのを好きになったことがあったかというと、子どもの頃から今まで一度もないわけで、どーしようもない。全体的なわざとらしさといい、登場人物それぞれの美学といい、ほんと良かった。

by kienlen | 2018-10-12 23:12 | 映画類 | Comments(0)

旅して感じること

以前、友人とタイに行った時、同じホテルの同じ部屋に泊まった。タイでは基本部屋ごとの値段だしシングルルームというのは私は知らなくて、1人でもツインかダブルに泊まることになってしまうのでもったいないといつも感じる。で、その友人はバンコク在住なのだが、定宿があってそこに折半で泊まったわけだった。で、一緒にチェンマイに行くことにして、私は一足先に出て在ビエンチャンの友だちに会いに行き、その後チェンマイで合流することにした。ところが、ビエンチャンに着いてその友だちから最初に言われたことが「〇さんからチェンマイに行かないって電話があったよ」ということだった。私はタイで使える携帯を持っていなかったので、そのような伝言がされていたわけだった。その時はかなりびっくりして、だったら最初から言ってくれればいいのにと感じたが、チェンマイに行きたいわけでもなかったのでさっさと予定を変更して、北部より好きな東北地方を回った。

バンコクに戻ってその友人に理由を聞くと、私と一緒だとペースが合わないので止めにした、というようなことを言われた、と思う。人には忘れられない思い出というのがいくつかあると思うけど、このことは自分の中の忘れ難い思い出としてよく記憶の中から浮かんでくる。もしかして彼女の意図は違ったのかもしれないが、物事に対する解釈などそもそも勝手なものだし、自分がそこから何を感じるかは自分次第でしかない。この友人とは今も親しい関係であるが、たまに思うのは、あの時一緒にチェンマイに行っていたら、あるいは友人関係が解消していたかもしれないということだ。実は私の側には、あえてこの友人との関係を解消する理由はないのだが、彼女の側にはそういう事態が予測できたのかもしれないと思ったりするのだ。時々、人間関係において自分を過信しているかもしれないと感じるときがある。その意味はつまり誰からも好かれるとか誰とも問題がないとか、そういう意味では全く全然なく、自分からあえて関係を解消したいなどと思うことはないだろうという意味で。でも違うかも、それは過信であるかもと感じるときがある。まあ、そういうときは自分が何者なのかってことに直面するときでもあり、ある意味面白いのだが時間を多少消費してしまうのは否めない。


by kienlen | 2018-10-12 09:08 | | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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