2018年 06月 28日 ( 1 )

『技法以前-べてるの家のつくりかた』

最近友人有志たちと読書会を始めた。前々からやりたいねという声はあったものの、自分たちでやるというのは立ち上がりのエネルギーがいるので着手できずにいた。一時期すごく楽しみに参加していた読書会があったけど諸事情で挫折し、まあ何より社会人を半分止めているような状況を活かさない手はないので発足させたわけだった。持ち回り式の担当者が課題本と会場や進め方を好きに決めることにして、2度目である次回の課題図書がこれ、という経緯で読むことになった本でメンバーからの借り物でもある。こんなこともないと読むことはなかった存在さえ知らなかった本。べてるの家というのは聞いたことがあるな、程度しか知らない。内容は大変まとも。ケースワーカーとして長い経験をもつ著者の考えと実践、体験をつづったもの。統合失調症という現象との付き合い方という感じだろうか。幻覚や幻聴が症状なので分かりやすい、というか現代社会にあっては明らかな問題行動があるということになるが、その深層は何かというのを、いかにも専門家として深堀するというのでもなく、専門家ではあるが感性のある人間ならこうだよな、というくらいの次元で対応しているのだが、形態としては、自分の症状を自分で研究して発表するという形をとっている。精神科医の対応も含め、この分野で広く常識とされているものとは大きく違うのだろうけど、専門家じゃない者からみると、これがまともでしょう、と感じてしまうようなものだった。本を読んでいる時間が惜しいって感じになっているので実は、この厚い本を読めるだろうかと思ったりもしたが、難しい内容じゃないのでそんなに時間はかからなかった。日常生活にも応用できる技法以前だし、悩んでいる人にとってはヒントがたくさんあると思われる。読書会の一回目は『中村屋のボース』だった。これはざっと再読してやはりいいなと感銘を新たにした。この方向でいくと文学ではなく社会科学系が主流になりそうな気配。
by kienlen | 2018-06-28 13:54 | 読み物類 | Comments(0)

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