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テープ起こしの合間の講演会

昨夜友だちから「北川正恭の講演会に行かない?」と打診があった。「誰、それ?」「元三重県知事でマニフェストの人」みたいな返事。ああ、名前は聞いたことがあるなって程度。このところ内職のテープ起こししかやってないから頭は使わず肩は凝る、極度の運動不足、ひたすら時間と格闘状態。こういう考えない仕事というのは時間さえあれば自動的に片付くわけで楽といえば楽だが、逆にいうととにかく時間が足りなければ完全にどうしようもないので、困るといえばひじょうに困る。当たり前だが。よってその2時間は惜しいが、そういっていると世間が狭くなるしせっかくのチャンスだから申し込んでもらった。それで今日行って来た。20代の時からずっと政治家をしている人なんで、話しは上手だし若々しい。まずは現在の定義のようなもの。文明史的転換点にある、という認識。これは意義なしだな。いつの時代もこの転換点というのは、まず科学技術が発達してから政治・社会がそれに追いつく形でやってくる。それが今。で、こういう時に何が大切かっていうと「非日常の決断」なのである。これも意義なし。そもそも転換期に、これまでの日常が続くと思ったら大間違いであるくらいは私にも分かる。が、人というのは従来の日常から抜けるのは容易じゃない、ということで三重県知事になった時の経験が語られた。

ここで従来の発想からなかなか脱出できなかったのが県職員で、その様子はかなり詳細であった。そこで知事としていかなる方法でリーダーシップを発揮したかという点も細かい。というわけで明らかなのは、官僚政治から政治家の政治へ、が強調されるわけであるが、ここはまあ、そりゃあ民主主義なんだから選挙で選ばれた代表による政治が妥当なんだろうと思うけど、しかしなんか手放しでイケイケと思えないものがある。政治家を選ぶ眼が有権者にないと愚衆政治になりますよ、と北川さんも指摘しておられたが。お話しは面白く、ごく基本的なことを押えていたと思うけど、それは分かったからもう一歩先、というか、北川さん自身の展望みたいなところも入れて欲しかったな。ここは自明であるせいなのか何なのか触れられなかった。施政者側の視点で徹底しているという点では分かりやすく、しかしこの立場だけで現状分析や社会のありようをどう描くのかってところが見えにくかったな。あと、専門の地方自治に関してもっと踏み込んだ話を聞きたかったな。次の機会があったら欲張って期待しよ。
by kienlen | 2008-02-14 23:27 | 社会的話題 | Comments(0)

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