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『渡邊恒雄 メディアと権力』を読む

絶好の行楽日和だ。たまには家族でドライブとか山でバーベキューとか温泉とか…なんて考えていたけど、まず息子が出かけ、それから夫と娘がセットでコソコソと出かけ、またひとりぼっちだった。友達を誘って遊びに行こうかひとりで温泉もいいか…、しかし混んだ温泉ほど嫌いなもんはない、いや、温泉だけじゃなくて人混みは嫌だ、するとうちでひとりがいいってことになってしまう。ますます自分の小さな世界にお引きこもり様。ともかくそういうわけで、長いこと書棚にあったのを開いて一気にいくにはボリュームあった魚住昭『渡邊恒雄 メディアと権力』を読み始めたら、やめられなくなって、途中の空腹も昨夜の残り物で満たして読了。ううむ、面白かったなあ、いつもながら、この人のは。それにしても内容は権力への飽くなき邁進で、吐気がするくらいだった。これで書き手が良くなかったら、引きこもりの私なんかにはとてもじゃないが読めないが、書き手がいいのである。

バンコクにいた時に、在住邦人コミュの中にちょっとした渦が巻き起こった。というのは大げさだが、それまでバンコクの日本人は朝日新聞の郵送を受けていた。といっても現地採用とかバックパッカーじゃなくて、日本人会の連絡網にも入っているような駐在員の方々とか、乱暴に言うと、邦人保護の担当者が面倒くさがらずに対応してくれるような身分の人々で、私なんかはもちろん講読してない。ところが、読売新聞がバンコクに総局をおいて印刷して販売するってことになった。朝日新聞はシンガポールに総局があって印刷もあっちだったから、タイに届くまでに時間がかかるのだが、バンコクで刷れば日本との時差の2時間もあるし、なんとリアルタイムで読めますってわけだ。もう随分昔の話なので今は知らない。で、その時に、多分宣伝効果だろう、初めて読売新聞って世界一の発行部数なんだ、一千万部なんだと知ってそれが今も頭にこびりついている。で、この本を読んで、一千万という部数がつい最近のものであり、なんでそうなったかが垣間見えた。ついでに戦後政治史も楽しく早分かり。行楽よりお得感あったけど、新緑の高原の爽やかさからはほど遠く、ますます厭世観が募っていけない。自粛体制に入ろうかな。
by kienlen | 2007-06-03 14:15 | 読み物類 | Comments(0)

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