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サティシュ・クマール講演会

火曜日にサティシュ・クマールさんの講演会に行った。若い友人達が企画したもので、私もチケット販売に少し協力した。この間の六ヶ所村の映画の時に預かっていたチケットを積極的に勧めなかったことが、見てから悔やまれて、今回は遠慮せずに勧めまくることにしたのだ。何より一生に一度のチャンスである可能性が高いのだし、1000円払ってソンしたと怒る人もあるまいと踏んだ。写真の通りの素敵な人だった。当たり前の話しだったが、当たり前の事を話してもなお魅力的であるのが、私らが当たり前の話しをブツブツするのと全然違うところだ。そしてもちろんその当たり前を実践している人のゆるぎなさが魅力の源にある。思想を語る人ってこうじゃなとね、って感じた。西欧型といっても今じゃあ日本も中国もインドもアジア諸国まで巻き込まれている直線的な発展モデルの限界、大地と魂と社会の循環型社会への回帰の必要性、身体と精神の分離という二元論の問題・限界、自然は人間に奉仕するものではなくて人間が自然に属しているのだという事、国民総生産ではなくて国民総幸福で判断をとの提案、などなど。

簡素であれ、という内容そのままに、クマールさんの話し方もゆっくりでシンプルで分かりやすかった。その分かりやすさは、余計なものを塗りたくって膨らんだ球体の一部に光を当てて他を暗闇にしたままのような性質のものではなくて、コアのみを抽出して目の前に差し出してくれるような感じ。私達を曇らせる分かりやすさもあるが、こちらは晴れ晴れした分かりやすさ。講演は通訳を介して1時間だったのでポイントのみだったが、質問に対する答えが素晴らしかった。特に印象的だったのは「怖れるな」のメッセージ。怖れではなく愛を。しかしこれは常に意識していないとつい恐怖に支配されてしまいがちだ。あそこが攻めてくるかも、治安が悪化している、テロがあるかも…。つまり人をダメにするには恐怖を煽ることだ。恐怖なんてキリがないから自滅するか攻撃に出るか。まったくどっかの政策モデルそのものであるな。愛ある政治って、あるんだろうか。何のために愛より恐怖を煽らなければならないのか、それで何のメリットがあるのか、ホント、分からない。怖い…とならずに愛と平和を唱えることにしよう。
by kienlen | 2007-05-03 20:38 | 社会的話題 | Comments(0)

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