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タイがつらかった人、留守がつらかった私

バンコクから帰って来たばかりの学生さんに「楽しかった?」と聞いたら「つらかったです」と言う。タイへ旅行してこう明快に答える人にはそんなに会ったことがない。そういえば彼は、グリーンカレーを食べて、主観的辛さに驚いて痙攣を起こしたという人だから、食べ物がつらかったのだろうか。そんなはずはないな、辛くないものはいくらでもあるんだし、辛いものが苦手なタイ人だっているんだから。で、何が?と聞いたら「英語が全然通じなくて」という答え。「言葉が通じないってほんとつらいです」。分かります、この感覚。私もほんとつらかった。食堂に行っても注文できない、露店の洋服の値段を聞いても電卓で示されないと理解できない。それに自分は旅行者という意識で住んでいたわけではないので、もっともっとみじめに感じる。

しかし、言葉が通じなくても比較的平気な人もいるのだ。身振り手振りで通じるという説もある。こういう人の方が、私みたいに、それに先の学生さんのように普段から英語で話すサークル活動なんかして言葉を信じている人よりも、もしやインターナショナルなのかもしれないと思ったりもする。そもそも私のように何か覚えるのに時間のかかるタイプが何か国語もできるようになるのは、もう無理だ。すると、全く未知でないという意味で英語圏かタイか、タイ語が通じるラオスくらいしか行ける所がないではないか。あ、それと筆談がちょっとは使える中国か。そう思うと、身振り手振りの能力を鍛えた方がいいような気もしてくる。今日は夫がタイから帰る日だ。留守はつらかった。自分の仕事だって、暇とはいえ、全くないわけでもないのに店番。昨夜はじいちゃんに留守番を頼んだのに、娘が泣きべそをかきながら何度も店に電話をよこした。「じいちゃん、7時くらいに寝ちゃったんだよ。つまんないよう、寂しいよう」と。もう歳だもの仕方ない。とにかく今夜は帰るから、と言い聞かせるしかなかった。
by kienlen | 2006-11-08 11:10 | 言葉 | Comments(0)

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