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過去と希望と現実の溝

日付が変わったので昨日のことになってしまうが、借りていた本と傘を返しがてら友人とランチをした。私は都会が苦手だが、彼女は時々東京に行かないと鬱屈するようだ。その理由を考えていて、東京での仕事がちょうど充実しかけた時に、家庭の事情で呼び戻されて、その不全感をひきずっているのだろう、という結論になった。「母が病弱でなければ全然違う人生だっただろう」と言う。そういう痛恨は誰にも何かしらあるのだろう。かといってどっちが幸福だったかは分からないし、両方経験できないのだから比較のしようもない。ただ、問題はこうして子供の話題に移る時なのだ。自分はもういい、でもね…というところ。「だから子供には世界にはばたいてもらいたいと思ったのにねええ」と友人。娘さんは、地元の就職先としては最優良企業のひとつに就職しているから、私などから見ると順調そのものなのだが、なるほど、母の願いはそれだったのか。「勉強だって何だって、何でもできる環境なのに、しないんだからああ」。

同感で私もつい熱が入る。「私だって、勉強したかったのに親がさせてくれなかったから、子供には存分にさせてあげようと思ったら、全然しないもんねええ」と言って、うなずき合うことになった。人生なんてそんなものだ。さすがに私も息子が「大学に行ったら1人暮らししたい」と言い出すに至っては「高校だって入れるか分からないのに何それ。そりゃあ、大学なんか、子供が少ないから選ばなければ行けるだろうけど、遊びに行くんならダメ。そんなお金ない、あっても出したくない!」と叫ぶことになる。これは本気だ。こんな軟弱な人間ばかり作っては日本がダメになる。いきなり愛国者になった。
by kienlen | 2006-11-01 00:34 | 家族と子供の話題 | Comments(0)

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