平凡な好みと平凡な会話

勤め人でない事の利点は、交通渋滞に巻き込まれなくて済むことだが、今日はちょうど自分の帰宅が多くの組織の方々の退社時間帯と重なってしまった。たいしたことがないのに渋滞への耐性がなくなっている。それもあって不機嫌で臨んだ夕食作りだった。テレビを見てのほほんとしている子供らの態度も気にくわない。当方のイライラを察して散っていく彼らの態度も気に入らない。何もかもイライラの材料になることは、私の場合とっても多い。つまり、仕事を始めとする外部要因のしわ寄せが家庭にくるということだ。それで、もしや家庭優先の人だったら逆になるのかなあ、などと考える。それでも無事夕食に至った。私の不機嫌が伝播している気配の中、娘が口火を切った。「今日の給食の汁、美味しかったんだよ」と。毎度毎度の給食の話題。一般的には悪評高い給食なのに、ウチの子供達の評価は常に高い。「給食がそんなに美味しいって面白いよねえ」と言うと「でも、嫌いな人多いんだよ。お弁当の方が好きって人多いよ」と娘。「それって○(娘の名)が味音痴ってこと?」と聞くと「違うよ、○は好き嫌いがないから。給食は野菜が多いし」。

「でもティラミスの上にかかっている粉は嫌い」と娘。横から息子が「それって、好き嫌いあるってことじゃないか」と言うが、この判断はどうすべきなのだろう。あの粉ってココアかチョコレートかコーヒーか、お菓子に興味のない私には分からないが、多様な給食食材の中で、その粉だけ嫌いで、好き嫌いがあるってことになるのか、ならないのか。ちなみに娘はティラミスだけは持ち帰って兄にくれている。その兄は「給食で食べられないものはひとつもないよ、ひとつもだよ」と言い張っている。娘は「肉の時は大勢が欲しがるからジャンケンになるんだよ」と言う。「でも○は参加しない」とのこと。「○は肉、あんまり好きじゃないもんね」と言うと「うん、○が好きなのは汁とか平凡なもので誰も欲しがらないから残ったのを食べるんだよ」。

肉を欲しがる群れを横目に、平凡な汁をお代わりする図を想像すると、その静かさがいとおしい気がする。「そういう人生っていいよねえ」と子供相手にしんみりしてしまう自分。「ママにおみやげがあるよ。でも多分いらないと思うから捨ててもいいよ」と言う。ニコニコと持ってきたのは極小ズッキーニだった。小さいのに1人前の形状でかわいい。「理科の実験で育てているから、使うと捨てちゃうんだよね。持って帰りたいって言うとダメって言われるからこっそり持ってきちゃった。この間はこんな大きいのが捨ててあったんだよ」と手を広げる。ゴミ捨て場を覗き込んで無念そうな図を想像する。平凡な夕食の平凡な話。
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Commented by ワイン at 2006-10-04 23:53 x
羨ましい情景です。そういう何気ない子供との会話に、ほっとし癒されるしあわせを享受できるのは、子育てという難作業を経たからこその得がたい財産ですね。いいなあ。私も子供がほしくなります。
Commented by たて at 2006-10-05 07:56 x
うちの娘も給食が好きです。保育園の頃からです。複雑な母心。ああ、でもティラミスはうちも嫌いだ。小さい頃あんまり好き嫌い言うのでカップラーメンを作ってあげたら「ママの作ったラーメンおいちねー」って食べてた。他人には笑い話ですけどね・・・。(;;)
Commented by kienlen at 2006-10-05 19:03
ティラミスが給食ででるなんて、昔なら考えられなかったですよね。なんでティラミスなんでしょうか。娘は好き嫌いがありそうな赤ん坊だったんでヤダと思ったけど、何でも食べるようになってほっとしました。今から子供をもつのはどうですか、ワインさん。長生きしないとならないから元気でるかも。
by kienlen | 2006-10-04 21:22 | 家族と子供の話題 | Comments(3)

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