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公共性とは何か

日付が変わったので昨日になってしまったが、バイトを早めに切り上げて、標題の講演会に行った。それも、わざわざ車運転2時間以上の場所まで。というのは、偶然、定期購読していない新聞の情報欄で「権力的公共性と市民的公共性」というタイトルを見つけて、大変興味をもったのだ。しかし、2時間がかりの場所で7時半から、ということは、帰宅は12時を回るに違いない。自分は平気だが、子供は心配。彼らに打診して「やめてお母様!」と言われることは皆無で「行けばあー」「何でそんなこと聞くの、いつもいないじゃーん」が、親心を理解しない子供達の理解の仕方であるが、とっさの対応を考えると距離の問題は大きい、と思う程度の常識はある自分。迷っていたら、私の父が私の息子と日帰り旅行するということで、我が家に宿泊するという情報があって、渡りに船である。父に留守を託して出かけた。この分野の研究に興味がある友人に声をかけて2人で行く。

講師は、宮本憲一氏。1930年生まれ、ということは、私の父親の世代である。そのようなご自身の話は出なかったが、2時間近く立ったままで、このところ活発になっている公共性に関する議論の歴史を、丁寧なレジュメに沿って説明。つまり、市民革命を経ていない日本では、公共=権力的公共性であったこと。それに対して市民的公共性の必要性を主張してきたこと。具体的には公害裁判などを通じて。当時は、公務員自らが内部告発をして、住民運動との連帯を図ろうとしたこと。その中で、ある意味の特権階級性を指摘されて、自らを振り返りながら努力してきたこと、地方自治研究活動の成果等、この年代のリベラルな主張のエッセンスが詰まっていた。最期はNPOの可能性と、危険性に触れた。なるべく具体的に語ろうとする姿勢が、今の政治社会状況に対する危機感に満ちつつ、希望を失ってはいけない、という気分を刺激する。抽象論は、私の場合暗くなる一方なので、このような実践論を伺うと、がんばろうか、という気持ちになる。遠方まで出かけた価値があった。
Commented by 夕涼み at 2006-08-18 21:49 x
関西の地方自治の第一人者・元立命館大教授宮本憲一行きたかったなあ。どこでやっていたのですか。昔関東のこの筋の大一人者・松下圭一と住民VS市民論争があった。これは地方自治の主体をどうとらえるかをめぐっての
重要な論争だった。そのことも聴きたかったなあ!
告知よろしくします。

Commented by 夕涼み(訂正) at 2006-08-19 00:00 x
関西の地方自治の第一人者・元立命館大教授宮本憲一行きたかったなあ。どこでやっていたのですか。昔関東のこの筋の第一人者・松下圭一と住民VS市民論争があった。これは地方自治の主体をどうとらえるかをめぐっての
重要な論争だった。そのことも聴きたかったなあ!
告知よろしくお願いします。
Commented by kienlen at 2006-08-19 12:31
宮本憲一『公共政策のすすめ』の読書会を行っているグループの主催のようでした。次回の読書会は9月22日午後7時半。佐久市。途中参加もOKとのこと。でも、ちょっと遠すぎませんか。
by kienlen | 2006-08-18 01:27 | 社会的話題 | Comments(3)

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