ゲッペルスと私

昨日は朝方から車で出かけていて歩かなかった。それでどうも気分が悪くて夕方散歩がてら映画を見に行くことにした。予告で知って絶対に見ようと決めていたもの。変化のないドキュメンタリーなのは分かっていたのでそんなに期待していたわけじゃない。でもやはりこの関係のテーマは見たい。で、思ったよりずっとずっと良かった。ゲッペルスの秘書をしていた、インタビュー時103歳の女性の語りがほぼすべてなのだが、語りのすべてがメモしたくなる含蓄に満ちている。そして彼女の語りの中に挟み込まれるのが、アメリカやロシアのプロパガンダフィルムなのだが、アメリカので最高なのがあった。最強の武器は人種差別であり、ナチスがそれによって世界を支配しようとしているという趣旨、秀逸だった。

ヒットラー最後の13日の中で忘れられないのが、ゲッペルスの妻が子どもたちの口に薬を入れて殺す場面。抵抗する子の口に強引に入れてカチンと噛んだらおしまい。彼女はその場面を見ているわけではないが、紳士のゲッペルスが自殺して妻もと聞いて、躾が行き届いて行儀のよかった子どもたちのことを尋ねたら、子どもたちも、という答を知るシーンがある。誰も信じらないと思うけど、私は収容所の実態は知らなかったというのは何度か出てくる。これが本当なのかどうかは微妙な雰囲気だが、きっと本当なのだろうけど、それは多分知ろうとしたら知れたのだろうけど、知りたくないことは知らない方が自分のためだというセンサーがあったからではないかと感じた。だからあの時代を生き延びたのだということは当人が言っていた。白バラのショアきょうだいが処刑されるのも体制側から知るところ、あの映画は本当に辛かった。とにかくいくつかがつながった、歳をとるってこういうことだな。それにしても103歳であれって、すごい。

Commented by jun at 2018-08-21 22:14 x
ピースがぴたりと合ってつながる感覚って快感です。また、人間は歩くように出来ているのに歩かないって変ですね。
米国がナチの方法を理解しているって、ナチ以上にワルだったか、繋がっていたのか。にしても、やりきれないですね。
イシグロさんと村上さんは私は似ていると思いました。どこを見るかにもよりますが。むしろ二人セットでノーベル賞を取ったと思っているくらいです。
Commented by kienlen at 2018-08-27 21:44
Junさん、やはり似てると感じましたか、そうですよね。更新がすっかり滞ってるのにコメント深く感謝。懲りずによろしくお願いします。
by kienlen | 2018-08-20 23:09 | 映画類 | Comments(2)

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