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ラブレス

この間たまたま見た映画。映画館の前を通りかかってポスターを見て、ロシアの監督さんかあと思ってちょっと興味もって、それに息子の失踪とかラブレスというタイトルも興味わくしで、夫の店で夕食を食べて時間を待ってから夜の時間帯のに行った。観客は2人いたかな。1人を覚悟したのでそれよりマシだった。特に期待したわけではないが、はっきりいってすごい好みだった。なぜだろうか。ストーリーはありがちというか、珍しいものではない。関係が良くない夫婦がいて、お互いに外に付き合っている人がいる。夫婦の間には小学生の息子がいるのだが、彼からするとそんな家の居心地がいいはずがない。母親は無関心というより息子を嫌っていて、たまに帰ってくるらしい父親も離婚後はお前がみろよ、嫌よ、児童施設送りにきまってるでしょ、みたいな押し付け合いの喧嘩。それをはっきり聞いてしまった息子は家を出る。しかし一緒に住んでいる母親は彼の失踪に2日間気づかず学校に来てないという連絡で初めて知る。そこから捜索シーンになるのだが。

親子関係と結婚、夫婦関係、子育てって切っても切れない関係だと思うが、だからといってそれをことさらに強調している感じでもないのに、ああ、分かるなあという細部の連続だった。自分がここまでできるかというと、それはできないとは思うが、かといってこうなるなんてあり得ないとまでは思えない。そのあたりの微妙な線というのがいい感じだった。それと捜索シーンが長い間続くのにまったく飽きない。人探しってこうするのね、というプロの技がすごく美しい。ボランティアなのだそうだが、プロで真剣で潔くてものすごくカッコいい。なんか、ロシア人ってすごいなと感じてしまったりする。子どもはちょっとしか出てこなかったが慟哭の場面なんか良かったな。そして最後は、いったいあっちなのかこっちなのかというのが、私にはよく分からなかった。大変良かった。満足。

by kienlen | 2018-06-04 23:53 | 映画類 | Comments(0)

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