赤い襷

まだ帰国から間もないころ、友達と会った時に映画の鑑賞券をもらった。富岡製糸場に行った松代の横田英の話ということでひじょうに興味があったので嬉しかった。いつものようにひとりで行くつもりでいたら別の友人からこの映画の誘いがあり、毎日が日曜日状態なのをいいことにさっそく行ったのが昨日。観客は驚くべき多さで、10人以上いた。友人と「こんなの初めて」と顔を見合わせる。予告が何本かあったけど、チャーチルのは絶対見たいと思った。で、この映画、始まりは横田英たち一行が松代から富岡製糸工場に行くシーンから始まる。この工場が作られることになった経緯があり、工場での出来事が涙を誘うところも織り込みながらドラマとドキュメンタリーの中間みたいな感じで進行。で、最新機械による製糸の技術を学んで戻るというところでおしまい。富岡日記も読んだことがないし、それに岡谷も諏訪も上田も南信州も製糸や蚕糸の後が濃厚に残っていたり意識的に残しているのに対し、松代は別の財産があるせいもあるのか製糸の香りが感じられないので横田英が行ったくらいしか知らず、その意味では勉強になった。

フランス人の腕利き検査人を招いて工場を建設したところは知らなかった。シルクといえばタイシルクも有名だが、前に富岡で学んだ女性がタイの製糸業の支援で渡タイして奮闘するという話を読んでから富岡に興味が沸いて世界遺産になったのもあって見に行ったりもしていたが、ここでそれが出てくるわけじゃあないけど、色々つながるのが面白い。こじんまりまとまっていて良かったし、それに予算だってそんなにないんだろうことは分かるが、好みからいえばもっとテンポを速くして盛り込む内容をもうちょっと広げてくれたらなあとは感じた。それと、松代に戻ってからの場面が欲しかった。なんていうと、趣旨からずれていくんだろうけど。ちょうど今読んでいる本が日本語文法を統一して列強に負けない国家としての日本を作ろうという話なので時代的に重なりとっても興味深かった。しかし江戸から明治というのは本当にすごい時代で一歩間違えたらの連続であることを、ほのぼの系ではあるこの映画でも十分感じることができた。あの田舎でお蚕さまのおかげで生き延びたと感じている者には見る価値があった。

Commented by jun at 2018-04-05 08:59 x
見えない糸が見える糸で繋がっていたのですね。確かに命をつないでいたのかもしれません。
私の最近の映画は、「空海」はそのじつ「楊貴妃伝説」だったのでイマイチで、リベンジで「ペンタゴン・ペーパーズ」を観たら前半が緩く眠くなりましたが
後半から現代ともリンクしてとても良かったです。
梅が咲いたと思ったら、桜も咲いてしまいました。「天神を偲ぶ土雛梅の花」
新年度。kienlenさんと同じく、うちの娘も民間ですが宮仕えとなり、古今の悲哀と伴に地域季節を歌にしてみました。少々ベタですが、玉城先生に朱を入れていただきました。
Commented by kienlen at 2018-04-05 10:39
> junさん
私も昨日その映画みました。あれで前半緩いですか?!私はとっても楽しめました。役者も抜群でしたよね。お嬢さん、おめでとうございます。梅と土雛のシーンが浮かびます。
by kienlen | 2018-04-04 10:51 | 映画類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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