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新聞販売店への複雑な怒り

いい本を読んで満足感に浸っている時に電話が鳴った。「A新聞です。そのへん集金に回っているんですけどおー、場所が分からないんです。表札違うのだしてませんかあー」みたいなあー、若い女性の声。ひどくルーズである。この一声からして言語処理をつかさどる脳みそ部分を心地悪く刺激する、ああ、耐え難い。「表札は出してませんけど、○の向かいだし、地図で調べても、それにそもそも前の担当者に聞いたら分かるでしょう」と言うと「前の担当者もよく分からないんです」と言う。じゃあ、今までの担当であった男性はどうやって勧誘に来て、どうやって集金に来たのだろうか。お化けかな、私が見たのは。で、彼女は悪びれる風もなく、まるで友達と待ち合わせでもするように「じゃあ、その近くに行って分からなかったらまた電話します」である。新聞販売店がいろいろ問題あることは聞くけど、こんな対応も珍しい。これは新傾向である。それも悪い方向への。それで「今、とっている新聞、契約が切れたら全部やめます」と言った。

彼女にとっては初出勤の日かもしれない。あるいは派遣か、その他不安定雇用か。研修もなし、引継ぎもいい加減としか思えない。そういう内部事情の犠牲がこの女の子だとしたらかわいそうではあるが、こんな業界ではなく別の道を探って欲しい、なんてお節介な気持ちになったりもする。新聞販売店への本社からのてこ入れは厳しくて、この販売店も経営者が交替した様子である。その結果がこれ。どこもかしこも余裕がなくなっている。人材を育てるよりは即戦力。そうなると、若い人が不利になってしまう。若い人が不利になる世の中に希望はあるのだろうか。ちょっと悲しくなる。新聞を断るより先に、電話の話し方をもっとちゃんとしたほうがいいよ、と教えてあげたほうが良かったのだろうか。自分も余裕がないのかもしれない。早まってごめん。いや、改革すべきは新聞販売のしくみである、と思ったりで、なんだか後味が悪い。
by kienlen | 2006-07-30 13:33 | 読み物類 | Comments(0)

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