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早速シネコンの会員になった

水曜日は新しいシネコンの女性優待日で1000円。それで『グッドナイト&グッドラック』というのを観に行った。ついでに会員になった。会費300円で常時1400円で鑑賞可。毎回10%のポイントが加算されて1000ポイントで1回無料ということなので、多分じきに無料鑑賞にありつけるでしょう。とはいえ、無料が待っていなくても、一律1000円だったらもっと行くのだが。この映画は、1950年代にアメリカで吹き荒れた赤狩りで、報道機関も圧力を恐れて自主規制する中、赤狩りを推進するマッカーシー議員に果敢に立ち向かったジャーナリストを描くもの、との自分なりの解釈があって、このテーマに興味があって行ったもの。昨夜、映画好きの知人と話していて、すでに観に行ったというから、感想を聞いたら「観る前の人に話すのは控える」との反応だったので、なんとなく、期待しない方がいいかなという感触を得ていた。私は観る前の人にも感想を話してしまう方だ。あくまで自分の感想であって、それ以上の何モノでもないから。

それで、この映画。好きか嫌いかと問われたら、迷わず「嫌い」と答えてしまうだろう。こんな問いに意味があるとは全く思わないけど。テーマとしてジャーナリズムの何たるかを考えるのは、ひじょうに興味がある。巨大企業の内部告発者とジャーナリストの葛藤に終始感動が絶えなかった『インサイダー』、最近では『ニュースの天才』も面白かった。なんで今日のがつまらなかったのかと考えると、考える前に、なんだか自己陶酔の匂いを強烈に感じてしまって辟易という感じ。当時の世相を知らないので、あれが正直な描写なのかもしれない。とはいえ、ああ、疲れた。なんで、顔のアップばかりなのか分からないし、心に響くものが何もなかった。抑えが効いているわけでもなく、開放感もないという半端さにイライラし通しだった。行間にあふれ出るほどの深い意味がないのに、広い行間だけは取ってみました、みたいな感じ。映画に関しては素人の感想でしかないので、ネットで検索してみたが、たくさんヒットしてたくさん読むのは面倒。でも、読んだ限りでは評価が高い。うーん、分からない…。そういえばこの間同じ監督の『コンフェッション』をDVDで観た時も、喜劇でもなくシリアスでもなく、人間不在の不全感という不思議な感覚を得たが、今日のも印象は同じだった。印象の方が強くて内容を考える気力なし。芸術作品とするなら、露骨に社会性を帯びたテーマを扱う必要がどこにあるのだろうかとも、思った。自分の凡庸さを感じたってことかも。
Commented by マルチ豆 at 2006-06-29 09:28 x
『インサイダー』は、5本の指に入るぐらい好きな映画です。もう10回ぐらい観てます。その当時、まだ有名とは言いがたかった、ラッセル・クロウがとても良かった。この人はすごい俳優だと思いましたもん。役になりきるってこういうことかと思いましたもん。監督のマイケル・マンの演出もすごく好きなんです。初期の頃は、「ザ・男」みたいな描き方するのが、任侠映画っぽくって、好きになれなかったけど、だんだん映画全体に音楽に例えるとしたらジャズの混沌としたかっこよさみたいな感じになってきて、孤独な人間の強さを描ける監督さんです。ただ、この監督、男の映画しか撮ってないので、次回は是非、女性を主人公にしてほしいなと思っています。同監督の『コラテラル』は、だんだん尻すぼみになって、ラストは納得いかない映画だったけど、なかなか悪くないです。
Commented by kienlen at 2006-06-29 21:03
マルチ豆さんのあと4本を知りたいです。インサイダーのラッセル・クロウは、最初そぐわないなあと思ったのですが、深みにはまっていくにつれて、これ以外にない、って演技でしたね。ビューティフル・マインドもクロウでしたよね。それにしても私が観るアメリカ映画って、ほとんど、夫が突然解雇を言い渡されて、妻が嘆いてのパターンが挿入されているんですが、これに結構飽きてます。もっと他の言い方と表情はないのか、と。
by kienlen | 2006-06-28 22:26 | 映画類 | Comments(2)

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