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華麗なるギャツビーを見た後で聞いた大統領選話

華麗なるギャツビーは有名必読書という感じがあって何年も前に読んでみて映画も見てみた。でも何がそんなにいいのか分からなかった。情けない恥ずかしいみたいな気持ちをずっとひきずっていた。それで本を読み返そうかと思っている時にレンタルショップで棚を見ていたらDVDがあったので映画の方をもう一度見てみることにした。前回見た1974年の作品だと思って借りたら2013年の新しいものだった。前半はやっぱり分からない、謎の成金による豪華絢爛なパーティーと乱痴気騒ぎという印象のまま。でも後半になってなるほどと感じて涙した翌日、たまたま在日の長いアメリカ人による大統領選についての話を聞く機会があった。話した後に急いで次の場所に駆け付けるということで質問時間があまりなく、どういう根拠での見解なのか分からなかったし、そういうことを問題にするような場所でもなくごくごくカジュアルだったのだが、だからこそというか、面白かった。次のような内容だった。

アメリカ人にとって最も重要な価値は自由。彼も自由と、それに伴う責任という価値観の中で育った。ところが今のアメリカから自由が失われている。ワシントンDCの住人は「部族」で、一般大衆とかけ離れてしまっている。その代表がヒラリーであり民主党、共和党問わずの上層部で、マスコミも部族民。部族外の人がトランプ、そしてサンダース。したがってヒラリーが大統領にならなければならず、実はひじょうに人気のあるサンダースが指名されるわけにはいかず、トランプが当選するわけにもいかない。そんなアメリカに失望して日本国籍に変えることも考えているというその彼に、ではどちらを支持するのか聞いてみたら「ヒラリーは絶対嫌」と即答だったが「しかしトランプも…」と歯切れが超悪かった。これを聞きながら、ギャツビーのことを考えた。まさに部族外の人で、最後は結局誠実さのかけらもない部族民に滅ぼされるのだ。ずっと前に予見していた小説家はすごい。日本人の場合、部族に自分も同化したい願望が強いということだろうか。それでどうなるかって、怖いんだけど。



by kienlen | 2016-08-08 12:15 | 映画類 | Comments(0)

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