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トムヤムクンを巡る不思議な会議

仕事で少し関わっている雑誌が送られてきた。名の知れた料理家が何か1品、作り方を指南する連載ページがあって、今月号は、日本で一番有名なタイ料理らしい「トムヤムクン」が紹介されていた。タイトルはトムヤムクンとなっているのに、本文は「トムヤンクン」になっているのはご愛敬。少し前まではこういう表記がよくあったが、さすがにここまで普及した今、このミスはあまり見かけないから貴重。ちなみにトムヤムというスープは3種類のハーブが入るもので、食材店に行くとレモングラスとマクルートの葉とカーがトムヤムセットとしてゴムで束ねて売られている。でも雑誌の紹介ではカーを使わずショウガを入れるようになっていた。あえて違った風味を試みているのだろうが、するとセットのカーはどこへ?と、ちょっと気になったりする。トムヤムがここまでタイ料理を代表してくれると、国際交流行事などで作るものに困らない。それで、夫も何度かトムヤム講習をしたことがある。

そんなこともあって、昨年のPTA役員で学級会長をした時は、親子レクリエーション(学校を舞台に親子が遊ぶPTA行事)にトムヤムクン作りを提案した。親子レクの責任者は学級会長という役職であり、初回の会議でタイ関係のリクエストが多かったのと、担任とも相談の上。すぐに「それは皆が食べられるものか」という質問がでた。「好みは個々違うので分からない」と私。すると「ウチの子は辛いものが食べられない」、だから「辛くしなくてもできる」と私。次は「なぜタイ料理なのか」と言うので「ウチで対応できるのがそれだからというだけ。他の提案をしてくれ」と私。この説明は予めしてあったはず。でも代案は出ず、話は(当方からすると)それるばかり。で、「親子レクは強制じゃないから無理して参加する必要ない」と、言うまでもないことを言った。私自身、夫が行けば行かなくてすむ。すると、粉でもまいたように場の空気が澱んでいくのが見えた。結局、先生の「食べられなければ、それはそれで異文化接触ということで…」との発言で締め。昨年経験した、以上のごとくの学級懇談会という名の話し合いもどきは、自分がこれまで抱いてきた会議のイメージと何かが違った。何を目指して発せられる意見なのか分からない。私を主張したいのか、ある程度の公意識をもっているのかの基準が読めない。弁証法的に進む、というわけでもない。掴もうとすると自在に形を変えてしまう生ゴムみたいな感じというか。今もその見えない感触が残っている。あるいは、単にキャラの問題だったんだろか。
by kienlen | 2006-06-12 20:42 | PTA・学校 | Comments(0)

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