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杉原千畝

予告で観て、これは必見と思いつつなかなか落ち着かなくて、昨日になってようやく行った。お子さまたちで映画館のロビーは賑わっていたが、この映画の観客はカップル2組と単独がひとりかふたり。いつも選ぶH列には自分だけだった。杉原千畝についてはユダヤ人にビザを発給した外交官という知識しかなく本を読んだことも何か見たこともない。それもあって今回見ておこうと思ったのもある。彼が、押し寄せるユダヤ人にビザを発給したのはドイツだと、そこしか浮かばないという理由だけで思い込んでいたらリトアニアだったんだ。不確かな思い込みはこわい。映画はとても分かりやすい感動大作になっていて、ハンカチを持ってなかったらコートが染みだらけになっていたと思う。

始まりは、昭和30年に外務省にひとりの外国人が訪れて「センポに会いたい」と求めるところから。そういう人物は今も昔もいないという公式見解を告げられ、彼を探すのを諦めないと言って去る外国人。諦めないの信念はこの映画における一貫したテーマ。それがあっても多くが死に、でも諦めなかった人たちには生きのびる可能性があった。場面が変わりセンポ、つまりチウネが世界を変えたい野心家でロシア語始め多言語を繰る優秀なスパイで愛国者で、諜報活動によって得られた証拠からドイツの動向を予測し、このままいくとアメリカと戦うことになる戦争を何とか阻止したいと努める様子が描かれる。ビザ発給に際してオランダ領事のアイデアに感動した。ゲシュタボの殺戮場面でのひとりの狂気の様子は戦慄の演技。センポが雇った2人も良かったし、主人公の視点に徹しているのでとっても分かりやすく、助けたユダヤ人が米国で核開発に従事かと匂わせる所もあり目配り充分、満足、とても良かった。

by kienlen | 2015-12-26 11:05 | 映画類 | Comments(0)

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