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こっそりが堂々とできる怖さ

3日もあけてしまった。こんな意味もないダラダラを書いている場合かよ、という気持ちが居座っていてどうにもならない。そこで思い出したことがある。タイにいた時の日替わり定食のような政治。インフラというのは長期的に行わないとできないということは想像できる。そして政府が主導しないと無理でしょう、というのも想像できる。ちょうど大量輸送の交通手段を考えている時期だった。都市計画の話を聞いた時、バンコクにそういうものがないから今の計画を実行したら、立体交差が積み重なるような具合にものすごい高度(単に物理的に高いという意味)で交通網が走り回ることになる、というような内容であった。本当かどうかちょっと分からない。でも一応正式な話だったと思うが、それはともかくとして、工事はいっこうに進まないのだった。途中まで建設しては頓挫も何回も。バンコクで暮らしていた家の近くにも、頭上でストップしている高速道路だか何だかがあった。

どうしてこういうことになるのかと思ったら、政権交代のたびにいろいろ絡んでプロジェクトがストップするようなのである。全くなあと思ったものだが、あれはあれで素晴らしいことのように感じられる今日この頃だ。ここにきてまで事故を起こした原発を廃炉にするかどうかは「専門家の意見を聞いて」とか言っている首相。そしてここまで原発が、実は違うとしても表面的、結果的にはスムーズに進んできたのはなぜかを考えると、いろいろな絡みが絡みのままいられず、すとんすとんと進むまでに絡みきってしまっていたということなんだろう。タイは汚職でも悪名高いが、こうなってみると、露骨な汚職の方がマシに思えるまでの怖さ。ここまでくると、ああ、自分も病んでいる感。今回の件でタイは首相が原発計画をストップした。次にどうなるかは分からないけど、自分達の手に負えないレベルを低く設定できるということは、結局は賢いんじゃないだろうか。自然に畏敬を覚えずに「想定外」で片付け、科学技術は信仰するというのは、科学を知らない田舎生まれの自分にはもう理屈じゃなくて身体反応として全く理解できないことだ。科学技術関連のプロジェクトには感性豊かで超金持ちで金に目が眩まない芸術家をひとりは入れることを希望する。カナリアみたいな存在として。
by kienlen | 2011-03-30 22:47 | その他雑感 | Comments(0)

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