『ケニア!彼らはなぜ速いのか』
2010年 09月 29日
久々に丸ごと1冊読んだ気がする。必要性を少しは感じつつもためらっていた本を一大決心してアマゾンで注文。って、大げさである。そしてこれは思いがけずひじょうに面白い本だった。乱調があってページが乱れていたのがびっくりしたけど。著者は朝日新聞のジャーナリストで忠鉢信一さん。私にとって全くもって未知の分野であるから、ケニア人の足がなぜここまで速いのかについて、世界中の学者が研究していることも初耳だったので、本の最初にケニア人の足の速さに関する学説が紹介され、その反証がありという部分から興味をそそられた。つまり研究者の世界の競走とか研究環境に関する事情とか、スポンサーとの関係とか、そういう部分も面白かった。結局この本は、質問文のようになっているタイトルの答えを提示するものではなくて、一緒に考えるというスタイルを取っているので、その過程が一緒に楽しめるようになっているわけだ。ロードムービーのような感じといったらいいのかな。移動はイギリス、コペンハーゲン、ケニア、東京などにまたがっている。
足の速さを遺伝だとする説があり、そうじゃないとする説もある。そして当事者がどう感じているかもある。ケニアでケニア人ランナーのコーチをしているヨーロッパ人の考えもある。いろいろな人がいろいろな視点から語っている。こういう本を見ると、ジャーナリストの役割というのが重要ではあるなと思う。学者が、自分の論に反対する者の学説について詳しく解説してくれるわけないわけで、またいくらフィールドワークをする学者であったとしても、学術的な研究であってしまうわけで、こういう一般に分かりやすい書にはならないだろう。ケニアの文化が垣間見えるかと思うと、時にはそれが前面に出たり、知らない国なのに、走るというプリミティブなスポーツを通じて感じられるものが多々あった。これは読んでみて良かったな。設問の答えは出ていないが、でも、なるほどと思って読後のもやもや感よりもすっきり感がある。意外な収穫って感じだった。
足の速さを遺伝だとする説があり、そうじゃないとする説もある。そして当事者がどう感じているかもある。ケニアでケニア人ランナーのコーチをしているヨーロッパ人の考えもある。いろいろな人がいろいろな視点から語っている。こういう本を見ると、ジャーナリストの役割というのが重要ではあるなと思う。学者が、自分の論に反対する者の学説について詳しく解説してくれるわけないわけで、またいくらフィールドワークをする学者であったとしても、学術的な研究であってしまうわけで、こういう一般に分かりやすい書にはならないだろう。ケニアの文化が垣間見えるかと思うと、時にはそれが前面に出たり、知らない国なのに、走るというプリミティブなスポーツを通じて感じられるものが多々あった。これは読んでみて良かったな。設問の答えは出ていないが、でも、なるほどと思って読後のもやもや感よりもすっきり感がある。意外な収穫って感じだった。
by kienlen
| 2010-09-29 15:18
| 読み物類
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