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東野圭吾『殺人の門』

旅行先で読み終えて、荷物を軽くするために処分してもいいかなと思って持参。でも読み終えることができなかった。でも面白くて中断もできず本日になって読了。こんなことして仕事しない。本も生活のジャマになっているように思うが、これなしの生活は考えられない。本の中でいろんな人や事件を見ていると現実の人や事件に新鮮味を感じなくなるというのは大きな弊害であるとは思うが、生きる上でのある意味の予防注射になっているような気もしなくもない。う~ん、どっちの力が大きいのか、分からないけど。という意味では、この本も人生の参考書としてはとってもいいんじゃないだろうか。息子のような人に読ませたいと思った。東野圭吾という人気作家の本を1冊は読まなきゃと思って、書店でたびたび手に取るのだが、ざっと見ると文学的な香りを感じないし、青春小説っぽいのかな、なんてことまで思っていた。そんな時、読書家の友人がこの人を推薦してくれた。

それでまた書店で手に取って買おうかなと思ったのがこの本だった。これにしたのは、なんとなくで、厚いから。難しい本で長いのは挫折の可能性高いが、ミステリーは長い方が堪能できる。でも、こういう小説本を購入するのはどうなんだろう、無駄のような気がする財政状況下であるから我慢していた。で、今回の旅に持参する本を自分の本棚から物色していたら、これがあった。つまり以前にも同じように考えて購入して忘れていたんだ、きっと。だぶらなくて良かった。出だしの1行から魅了されます、って感じ。小学生の主人公が大人になるまでを描いている。ちょっと不思議なタイトルには、途中で深く納得する。なる程ね。ああ、いるいる、というタイプの人物像を少々誇張的に描いて分かりやすく、でも重きがあるのは関係性の方で、それがとってもリアル。郵便受けから手紙を盗んで読むというシーンは、ちょうどこの前に読んだ村上龍のにも出てくるシーン。追い詰められた人が取る行動パターンとして定着しているんだろうか。大変面白かったです。しかしこういうの読んでたらこっちの方面にばかり行きそうだなあ。
by kienlen | 2010-02-04 22:40 | 読み物類 | Comments(0)

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