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今後、出身は「エコビレッジ」と答えるか

昨日「エコ・ビレッジ」に関する勉強会みたいなのに行った。このテーマにすごく興味があったというわけじゃなくて、選挙に関係している友人からそっちの関係で誘われたのが本題のテーマよりも大きな動機。友人を誘ったら、その友人に遭遇する前に別の友人に偶然会った。しばらくこの地を離れていた人で多分数年以上ぶり。諸事情があって後者の友人と隣同士で着席した。留守している間に農学の博士号を取っていたらしい。そういえばこのテーマにぴったりの人だと気付いた。だから参加したのかと思ったら「どーゆー人が来るのかに興味があってね」ということだった。各国のエコビレッジの紹介というプレゼンをしたのは京大の院生の人で、アメリカ人の方なのかカナダか、ちょっと分らなかったけど、こちらはひじょうに興味深く聞いた。彼が実際に訪れた村々の事例で、スエーデンとデンマークとイタリアの確か全部で5か所。全世界には450くらいのエコビレッジがあるという説明をする当人も「でも数えられないと思いますね」と言っていたからあくまで目安ってところだろう。形態はいろいろ。基本的には建築段階のエコ、車をシェアしたりトイレの設備のエコ等、排出エネルギー関係、食事担当を全員の当番制にして一緒に食べる仕組みは「当番は月に1回か2回。後は食事のことを考えなくていいですね」。藁ブロックの家のみの村もあった。運営はNPOが多かったようだ。住民の意思疎通のための会議は欠かせない。

発表は面白かったし、私には特に抵抗ないが、根本的な疑問は「だったら私はエコビレッジで生まれ育ちましたって言っていいのか、日本の農村が登場しないのはなんで?」ということ。お隣の農学博士にコソコソと聞いたら「だからあ、アタシもそれでうんざりなんだけどね、こういう所に来る人ってそれを知らない人が多いみたいよー」「えー、そんなのあり得ない。つい50年くらい前だよ」「そういう発想の人はこういう所に来ないの!アタシはそういうのさんざん見てきたの」。つまり農学博士になる過程で、ということであるから、説得力ある。結局私の内心の問いに対する言及は皆無であったから質問の時間に期待したが、誰も聞いてくれない。それどころか外国の話ばかりになっていく。結局最後の最後に聞いてみた。「日本の農村はエコビレッジと言えないんでしょうか。私も藁の家、あ、屋根だけですけど、に住んで、井戸水飲んで、畑のたい肥は人間の糞で薪をエネルギーにする生活でしたが…」と最後まで言わないうちに発表者は「そ、それ!なんです。だから僕京大に来ました。アメリカではそれありませんね」とお目目を丸々とさせた。あ、アメリカの方だったら、なるほどと思うけど、でも原住民のエコって有名だし、なんかふーしぎ。それにその後も、真新しい概念であるかのような意見が出る。しかも若者じゃないし…。やっぱ訳わかんない。そんな当方の青臭い疑問をよそに悟りの境地の農学博士。結局彼女は予想通りの展開で持論を補強したってところなのだ。それにしても、今の今も輸入物信仰ってあるのかなあ、かなり不思議な光景だった。
by kienlen | 2009-09-19 14:56 | 社会的話題 | Comments(0)

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