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『客』

昨日の映画があまりに良かったので、図書館に原作を借りに行った。カミュの『客』だ。カウンターで調べてもらうと鶴見俊輔などの面々が選んだ短編集の中に入っているだけとのこと。カミュの短編集はないのだった。世界文学の並んだ棚でその本を見ると、とっても短い。世界文学の別のを借りて、客はその場で読むことにした。

映画のシーンを思い浮かべながら読んだ。しかし、そうでないとどうなんだろうか。地理は重要なファクターだが、アルジェリアの砂漠や岩山を、映像なしで思い描くことはほとんどムリ。こういうのは映画を見てから読むといいなと思った。出だしの部分が原作にかなり忠実で、そして最後がそうだったのだ。何だかすっきりした。ついでに世界文学全集の重厚なのを借りてきた。

# by kienlen | 2015-08-05 19:34 | 読み物類 | Comments(0)

フェリーの乗り方

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フェリーへの乗船はこういう風だった。つまり、車置き場を通って2階、3階へと上がるわけだが、この場面がなかなかシュール。娘と、ミステリー小説や映画の舞台みたいね、と言いながら通った。警備員が大勢いて、危険のないように努めているのを感じた。

で、翌日に別のルートのフェリーで火災のあったのを知った。トラックから火が出たと聞き、こういう場所なのだろうと想像した。私たちのフェリーで見かけた乗客はほんの数人。波も静かで大変快適。長時間なので、旅1日目にして1冊目の本を軽く読み終えることができたのもフェリーのおかげが大きい。

# by kienlen | 2015-08-05 18:34 | | Comments(0)

涙するまで、生きる

ノーチェックだった映画。たまたま何かでアルジェリアが舞台でカミュの小説が原作と知り、俄然興味がわいて突然今日見に行った。予備知識はいつものように何もなし。荒涼とした岩山のシルエットと、それの背景で幻想的に色を変える広大な空が最初のシーン。きれいさと不気味さがスクリーンを埋め尽くす。明るく楽しい映画なわけがない。どうしてこういうのばかりに来るんだ、と多少の後悔。いきなり戦闘シーンとか嫌だ、など。すると学校のシーンになってちょっとホッとしたのだが、すぐにとんでもないことになった。主人公の学校教師の所に、殺人を犯した罪人を憲兵が連れてくる。こいつを裁判にかけるため、別の町に連れて行くようにとのことだった。教師は断るが、憲兵は去る。

教師はアルジェリアの宗主国のフランス人らしい。嫌々ながらも罪人に食事を与える。フランス人は十字を切って食事。招かれざる客人はイスラム教徒。結局この2人が指定された町に行く道中の1日を描いただけのものなのだけど、危機続きで、もうハラハラし通し。ものすごい不条理にも遭遇する。この道中、2人は生い立ちなんかを話すことになり、なるほど、だからこうなのかという謎が解けてくる。教師なのにどうして銃の扱いが巧いんだという疑問は最初からあったが、その謎も解ける。罪人の村の掟は江戸時代の武士の掟のようだった。フランス人かと思ったら実は…という主人公の境遇も最後の方で明らかになり納得。アルジェリアが舞台の映画なんて初めて見た。1954年のフランスからの独立を求めた悲惨なゲリラ戦の最中の1日の出来事。深い。冒頭、一体どんな展開になるか怖さのあまり娘にメールしたら「見たかったのに時間なかった」ということだった。いやはや、ものすごく良かった。深く感動。初めてパンフレットまで買ってしまった。素晴らしい。今週でおしまいなのでお急ぎ下さい。

# by kienlen | 2015-08-04 21:44 | 映画類 | Comments(0)

青函連絡船

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ブログをどうしようか考えていて、そのためしばらく空いてしまった。これを閉じて新しく始めようかとか色々。だいたいタイトルが中身とかけ離れているので変えたい、そしてあまりに個人的な独り言の内容をもうちょっとマシにしようかなどなどなど。でもマシにするのを意識するとそれなりに疲れるので、やっぱりしばらくこのままタラタラでいくことにした。日記をつけなくなってしまったのでその代わりのメモは必要。ただちょっと変えようかと思っているのは、これまでより各種匿名性のレベルを下げようかということ。

そこでさっそく。ずっとあこがれだった青函連絡船に乗った。今どきこんな呼び方はしなくて青函フェリーと呼ぶらしい。特に「飢餓海峡」を見てから、生きてるうちに1度乗ってみたいと思い続けてきたフェリー。旭川に行きたいという父の希望を口実に、青函フェリーを組み込んだ。朝6時10分の新幹線で大宮→新青森に11時には到着する。2時半頃のフェリーに乗ると6時くらいに函館着。そこで1泊。これだけ移動すると読書時間がたっぷりとれるのが何よりいい。何年か前に真冬の厳寒の北海道に行って以来だった。続きは明日から。



# by kienlen | 2015-08-03 23:45 | | Comments(0)

朝食

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最近の毎日の朝食は、ブルーベリーとミニトマトと珈琲。ブルーベリーは毎年今の季節に、栽培農家の友達から購入。ミニトマトは別の友達からのいただきもの。美味しくて快適。
# by kienlen | 2015-07-26 00:42 | その他雑感 | Comments(2)

信州で読んだり書いたりタイに住んだり戻ったり旅したり


by kienlen