「日本のいちばん長い日」と「ルンタ」
2015年 08月 19日
この2本を同日に見た。ルンタは試写会にて。映画を見る前にその映画について調べていくということをしないので、日本のいちばん長い日は、昔の映画の再上映かと思っていた。この思い込みは、調べるとか調べない以前に問題外の誤解、バカ。通りがかりに時間を見たら開始から5分経過していたので急いで入った。暗かったけど20人位は観客があったように感じた。自分が行く映画としてはとっても多い方だ。監督の名前を見た時に、ああっと思った。単なる好みの問題として、何だか苦手でいいなと思ったためしがない。その予感は当たって、つまらないとは思わなかったけど、それにこんなことがあったのだと知らなかったことを知れたのは良かったけど、だったら本読んだ方が良かったかもともいえる。演技の大げさなのが苦手。好きな役者もいなかった。おかげで、自分の好みを改めて確認した。一般的でないのかもしれない。
ただ、内戦の起こり方を知ることはできる。一歩間違ったら、というスリリングな1日は手に汗握るものだった。で、次がルンタ。比べるような内容ではないとはいえ、対照的。チベットで頻繁に起きている焼身自殺の背景を伝えるドキュメンタリー。良かった。チベットで建築士をしている中原さんという日本人男性を通じてチベットを見るものだが、この人がちょっと怪しげでいい味を出していた。中国の支配下での逮捕、殺人、拷問という圧政に、このままではチベット文化もチベット仏教もなくなってしまうのではないかという危機感が伝わってくる。遊牧民の定住化の問題は、研究者の発表も以前に聞いたことがあるが深刻な問題。言語政策も宗教弾圧も深刻。それらへの抗議として焼身自殺を選ぶ人が絶えない。背景には、チベット仏教の教えの重要なポイントが他利で、そのためには自分の命を捧げてもいいというのがあるというのは知らなかった。それで他に対してはあくまで非暴力を貫く。ルンタとは「風の馬」なのだそうだ。象徴的な場面がいくつもあった。重たい、そして政治的に微妙なテーマをこのように表現する大人の技という感じだった。
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by kienlen
| 2015-08-19 20:47
| 映画類
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