娘よ

この非日常的生活があと数日で終わる。週明けはテストがあり、レポートもありなので勉強やら何やらで大変な人が多いようだが、私は岩波ホールに映画を見に行った。母娘割引というのがあり、ご丁寧に証明不要とあったので、ここに大勢いる娘世代の誰かに付き合ってもらいたいと思ったが、とてもこんなマイナーな映画に誘えるほどの仲の人はいなくて一人で行った。本物の娘にも一応声をかけたが、明日本屋に一緒に行くことになっているしで今日は見送り。どうしてこの映画を見に行ったかというと、友だちに勧められたから。パキスタンは行ったことはないが、身近に感じる国ではある。友だちがいるし、関係者もいるし。これを勧めてくれた人も関係者のひとり。

物語はシンプルで時間も1時間半ほど。景色がすごくきれいだったし役者もきれいだった。が、内容はとてもきれいとはいえず残酷。部族間の争いに手を打つためにまだ小学生の娘を相手部族の初老という感じのリーダーに嫁がせることになり、それを知った母親が娘を連れて家から逃げる。これはとんでもないことで、相手部族にとっても父親にとっても不名誉この上なし。何が何でも探し出して殺さなければならない。尊属殺人は最近もニュースになっていたが、なるほどこうして起きるのかというのが垣間見える。とにかくハラハラし通し。実話に基づいてパキンスタン人女性監督が10年の構想を経て作ったものだそうだ。分野的にはロードムービーというものかな。道中の景色が変化に富んでいて、美しくてかつ怖い。内容は社会派でこじんまりしているようだけど映画の楽しみがいっぱい詰まっているという感じだった。紹介してくれた友人に、今でもパキスタンの田舎ではこんな感じなんでしょうかと聞いたら、そうですよ、という答えだった。



# by kienlen | 2017-04-15 22:34 | 映画類 | Comments(0)

1週間早かった

閉じこもって新聞もテレビも見ず、与えられた課題だけやっていると、世の中で起きていることと無縁に存在しているような気分になる。たまにネットのニュースを聞くと爆発続きで暗い気分になる。今日は渋谷に行き娘と夕食を共にした。相変わらず人が多い。本当にありがたい平和。娘がだいぶ遅くなったので本屋で待つことにした。どこに行っても一番安心する場所で棚を見ているだけでわくわくしっぱなしで、このところの読書できない状況と今後の多分読書できない状況について、何だか一抹の後悔の念がわいてきたりもする。気に入っていつも使っていたシャーペンが壊れてしまい、他もいくつかあるが使い心地がどうもいまいちで、最も欠かせないものだけに新しいのを買おうと思っていたらその本屋の文具コーナーでパイロットの名入れサービスをしていた。いいなと思ったシャーペンがあり、黒に金の名前を入れてもらうことができてラッキーだった。
# by kienlen | 2017-04-09 21:47 | その他雑感 | Comments(0)
薄いブックレット、いつ買ったのか覚えていないがこういう状況下で読むにはいいかなと思って持参していたのを大変興味深く読んだ。タイの東北地方にはラオス語を母語にする人が多く、民族的にも料理もラオスに近いと聞いてはいたが、そういえばどうしてなのか知らなかったことに気づいた。恐ろしい。ラオスという国の統一はされていなくて争いがあったりして弱小化していたのに乗じてタイが属国にしていたそうだが、それをフランスが植民地にする時、タイが領土を守るためもあってメコン川のあちら側を割譲した、というところまではまあかろうじて知っていたが、これをラオス側からみると、タイの東北部は元々ラオス語だったのにタイの辺境の一地方に甘んじて差別されている、ということになるわけなのだ。

で、ラオスはフランスの愚民政策の下、ラオス語の正書法を確立しないままにきたそうだ。ここで問題となるのは、タイ語とラオス語がそっくりなため、タイと同じ、つまりサンスクリット語、パーリ語を語源にする言葉の表記に語源を残すという方法を取るのはラオスの独自性がないようで嫌だ、だったら発音通りに綴る方法にするか、いっそローマ字表記はどうだ、などの議論があったそうだ。とにかくラオスはラオスとして独立した国でなければならないのだから、何とか理屈をつけて実は各地に広がったタイ族はラオスから、みたいなとんでも説を出さざるを得ないなどの小国の苦悩に涙。ラオスに初めて行った時の一番の衝撃は本屋に本がほとんど全くないことだった。この本を読んであの光景と結びついた。コンパクトにまとめてあって読みやすく色々納得できた。

# by kienlen | 2017-04-01 07:57 | 読み物類 | Comments(0)
本を読んでいる時間はあまりない。勉強しないとならないし。とはいえせっかく何冊も持って来たので関連書籍くらいはと思ってこれを読んだ。古本屋で見かけてタイ関連は一応という意味で購入してあったハードカバー。タイトルだけで中身を特に検討しないで買ったので自分の想像とは色々と違った。一番は文体で、会話体になっている。こういうのは初めてかもしれない。読みやすさのためということで、確かに読みやす過ぎるくらいに読みやすい。著者が実際に訪れた様子を中心にして、そこに歴史や政情などを入れている。国境好きにはタイトルだけで限りなくワクワクだし、行きたくなる。こういう状況でなければ飛んで行きたい。それにしても、こんなに平穏な期間は一生で一度きりに違いない。何しろ閉じこもって決められたスケジュールに従っていればいいのだから、信じられない日々。
# by kienlen | 2017-03-30 07:21 | 読み物類 | Comments(0)

安全な日々

危険な仕事に就いている人にとって帰宅時の感想は多分、今日も生きていた、だろうと思うが、そこまで危険でなくても、例えば車の運転だって戻ると、ああ無事だったと思う。あのころのバンコクでの日々はまさにそんな感じだったし、遠出して戻ると、自分たち自身もそうだが、家に泥棒が入っていなかったと安心した。そんなことを思うのは、守られた決められた場所に住んで決められた場所に行き、決められたことをしている日々がいかにも平穏で安全だから。それでふと、ひとりでなく多勢の職場で大きなビルの中で1日を過ごしていたらこんな感じに近いのだろうかと思ったりもする。もっとも自分はビル自体が怖いのでそんなことないけど、慣れたら違うかもしれない。
# by kienlen | 2017-03-25 08:27 | その他雑感 | Comments(2)
出がけに読み始めて、どうせなら最後までと思って持参。買ったのは結構前で、実はすぐに読み始めたがなかなか読めずそのままになっていた。タイトルから抱いた予想とはだいぶ違う内容だった。予想というのは自分の勝手な予想なのでタイトルが悪いわけじゃないけど。シリアに行った動機は今ひとつよく分からないが、この本を書いた理由はよく分かった。つまりイスラム過激派と一口に言っても色々なグループがあるということと、マスコミ報道では偏向がありすぎて伝えたいことが伝わらないということから。

色々なグループについての説明は分かりやすかった。文章にもうちょっと理があるといいなという感じがした。でも、逆にこの方がリアルかもなという気も同時にした。帰ってからの話の方が興味深かった。多分こういう本を読んだ理由のひとつは、昔会ったことのある人がフランスの外人部隊にいたことのある傭兵で、少数民族のためにビルマ軍と戦っていて、こういう人がいるんだ、と衝撃だったのがあるからだ。その人のことは深く話したわけじゃないので分からないが、共通するものがあるのかもしれないと思いながら読んだ。あの時の彼も、今だったらシリアだったかもしれないし、この著者もあの当時だったらビルマかもしれないなと。

# by kienlen | 2017-03-23 20:32 | 読み物類 | Comments(0)

閉じこもり

夫が駅まで送ってくれて助かった。ひと月分の荷物なので重たい。勉強用とひと月の読書用とで20冊持参したから、それが一番なのだが。出る時に夫に「一か月も自由がないなんて」と言ったら「自分で決めたくせに不満を言うって何ですか」と言われた。おっしゃる通りです。そういえば彼は不平不満というものを言ったことがない。連休明けなので空いているかと思ったらとんでもなくて、駅も新幹線もしっかり人がいっぱいいた。そうか、移動の時期なのだ。季節感のない仕事の上、子どもがいないと世間のことが分からなくなる。そうしてじょじょに社会から引退していくのだというのを実感する日々。

それなのに新しいことをしようというのだから物好きといえばいえる。まあしかし、それだからこそできるわけで、とにかく決めたことだし、施設に到着して部屋に入る。普通の狭いビジネスホテルと同じ。夕食は施設内の食堂を推奨とあったので、荷物を全部出して所定の位置に納めてから行く。お仲間は若い人ばかりに見える。向かいにも隣にも人がいたけど、話しかける気にもなれず5分くらいでカレーをさっと食べて部屋に戻る。しかし、ひと月缶詰で歩かないって大丈夫なんだろうか。退化、老化が急速に進行したりして。散歩したくなる環境のようにも感じられないが、着いたのが暗くなってからだで周辺をまだ見てない。仮に素晴らしい環境としても時間はない。

# by kienlen | 2017-03-21 20:40 | その他雑感 | Comments(4)

野菜を片づける

出発前に目安にしていたところまで一応終えた。仕事の前倒しも最低限はやり、最後の問題は野菜だった。父からもらったのがまだ余っている。白菜やら大根やら玉ねぎは夫の店で使うのでいくらあってもいいが、長いもとかぼちゃは店では使わない。長いもはタイに多分ないし。ここ何日かご飯代わりに生の長いもとかぼちゃのみそ汁を食べていたが、それでも終わらないし、ご飯代わりに食べると米が全く減らず、これはこれで困る。ひとりってこういうことで、ひとりが多くなるとどの家でもこういうことになっているに違いない。友だちにやるといっても、わざわざ取りに来てもらうほどじゃないし、と思うとやりにくく、結局蒸して冷凍にすることにした。ほうれんそうも一つかみあり、私はほうれんそうそのものはさほど好きじゃないけど、根っこの赤い部分だけは好き。小さいのを引っこ抜いてあるので、この赤い部分がたくさんあるのは嬉しい。
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朝食に、このほうれんそうと蒸しかぼちゃ及び蒸し長いも、及び野沢菜の蕪をそのまんまで。野沢菜の蕪は生で食べるとシャキシャキで結構いけるのだ。料理上手なら色々やれるのだろうが、料理できない上にひとりだとますます何もしないでそのまま食べるだけ。芸がない、文化レベルがごく低い。動物のエサといってもいいような皿である。今日は雨で駅まで重い荷物をどうしようかと思っていたら夫が送ると言う。本当に実行してくれるとありがたい。当分こういう野菜は食べられないので食いだめ。そもそも長いもはどこでもできるもんじゃないし。父が野菜を作る張り合いのなくなるのが心配。夫はタイの野菜を作ってくれと言っているが新しいことに挑戦するには歳がね。

# by kienlen | 2017-03-21 12:32 | その他雑感 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
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