『茶の本』

こちらに来る前に友人よりいただいた岡倉天心のこの本は、ずっと、読まないと思いながらその機会がなかったもの。色々な版があるようだが、講談社文庫の昭和46年発行の宮川寅雄訳の昭和62年発行26版。いやあ、素晴らしい本だった。しばらく前に読みかけて、1ページ目から、はあ、すごいと思って先に進まず、今回また最初から読み直すことになった。薄い本だが、濃厚。古い本は前に読んだ人が赤線を引いてあって、それで自分は青線を引いた。結構だぶらないものだな、と思いながら。もちろんだぶった部分も多いがその一部を引用。

もののつりあいを保ち、自分の地位を失うことなしに他人に譲ることが、浮世の芝居で成功をおさめる秘訣である。われわれが、自分たちの役を立派につとめるには、その劇の全体を知っていなければならぬ/虚はすべてを含むがゆえに万能である/禅の先験的洞察にとっては、言語は思想の邪魔者にすぎない/茶の湯は、茶と絵画を主題に織り込んだ即興劇であった/動作はすべて単純に自然におこなわれるべきこと/初めて花を活けたのは初期の仏教徒で、かれらは生きものに対する限りない思いやりから、嵐に吹きちらされた花を集めて、それを水差しにいれたということである/

# by kienlen | 2017-09-18 22:15 | 読み物類 | Comments(1)

トラックバス圏内の風景

この間の土曜日、街中で用事を足して帰りは時間の余裕があったのでバスにしてみようと思った。スカイトレインを使いまくっていると結構な交通費がかかるので実はバスを使いたいのだが、住んでいる所のバスの便が大変に悪く、物心共に余裕があって真っ昼間でないという条件を満たす時ならバスの集まる所までトラックバスで出ていくのだが、そういう条件下での移動はそれほど多くないのである。その日は帰路がちょうどその条件で乗ってみたわけだった。降りる場所に自信がないので車掌さんに、そこで教えてくれと言っておいた。こう頼んで反故にされたことは今まで一度もない。でもちょっと心配だったのでたまにまだかと話しかけて忘れられないようにしていたつもりだったのに教えてもらえず、まあ自分で気づいてひとつ先の停留所で降りた。
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タイ人は歩かないが、停留所ひとつ分などしれているし、カンカン照りでもなかったので散歩がてらに歩いて戻ることにした。歩道があるので危険度は低い。ブーゲンビリヤが南国の雰囲気。そして運河が、何度もいうが、きれいだったら本当に素敵な場所なのに。こういう汚染された場所での釣りの場面をよくみるので、魚をあまり食べたくないなと思う。まあ、それでも食べているが。ここから乗り合いのトラックバスに乗って帰る。トラックの運賃は20円くらい。こういうトラックの集まる場所はマーケットになっている。ご飯を買った。ジャスミンライスと普通のライスは値段が違って別々に売ってたのでジャスミンライスの方を。せめて電気釜を買って米だけ炊こうかと思いつつここまできてしまったのでこのままでいこうと思っている。
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# by kienlen | 2017-09-12 21:33 | その他雑感 | Comments(0)

予想通りの対応

アパートの部屋ではエアコンではなくて天井に設置された扇風機を使っている。いつものように入るなりすぐスイッチを入れた。部屋が妙な臭いに包まれた。隣の人がベランダで料理しているらしい気配を感じていたので、何か作っているのかと思ったが、それにしても臭いの質が違う。臭いの元になるようなものもないのでシャワーして、ふと気づくと、扇風機の動きがものすごく遅くて、スイッチから煙が出ていた。びっくりして管理人を呼びに行った。「火事」と言うと「そんなバカな、そんなこと今までなかった」と怖がって動こうとしないので「とにかく来い」と言って来させた。扇風機のスイッチから煙が出ている由を伝えると「隣の部屋の人が電気に詳しいから呼べばいいのに」と、さらに的外れなことを言っている。こういうところは全く私の思い描いていたタイである。

部屋に入れてもくもく煙の出ているスイッチを切ってくれと頼む。こちらは電圧が高くて感電死もよくあるので怖い。さすがに触れないわけにいかなくて彼女はスイッチを切った。修理はいつできるのか聞くと「あなたは一体いつ在宅なのか」「いつもいないじゃないか」と逆に文句を言われる。隣の人を彼女が呼び、ふたを開けて焦げている部分を説明。管理人は「電気屋は忙しいからなかなか来てくれない」と言っている。翌日は管理人が休んでいて打ち合わせできず、昨夜友人と食事して戻ったら管理人がいたので「いつ来てくれるんですか」と聞くと「日曜日にいるって言ったから電気屋が来たのにいなかったじゃないか」と言う。とても本当とは思えない。多分ウソである。前にもテレビの調子見るといって来たのにいなかったと文句を続ける。こういう対応も常套手段だ。時間聞こうと思ったのにあなたがいなかったでしょ、とこちらも言いながら、こういうストレートな言い方じゃないよな、タイスタイルだとと思って、しかしどういう言い方していいのか分からない。とにかく月曜日に電気屋が来たら電話をくれれば来るからと何度も確認した。それと、本当に来るかどうかは別問題であるし、どんな言い訳するかもまだ分からない。電話のスイッチを切っているじゃないか、という文句には、さすがに当方も呆れた。携帯電話番号違うと言われるのを防ぐため、当人に書かせた。どうなることか。

# by kienlen | 2017-09-11 08:47 | その他雑感 | Comments(0)
友達が来ている。私の休みは週末だけであるのでなるべく土日を入れてくれといってあったのに土曜日が入らないプランで来たのであまり付き合っていないが、せっかくだからタイの教育について話しを聞いてみたいということで身近の何人かを紹介した。当人を連れて行ったり現地に案内したりなので私もすべてに同席。そして思った、はあ、仕事したい、と。そんなことを切実に思っている時にメールで仕事の打診があり、日本にいたら喜んで引き受ける内容だったのに、残念ながらバンコク在住につきご縁がありましたら、来年お願いしますと返事するしかなかった。
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それで、その来バンコク中の友人に何度かご飯をごちそうになっていて、昨夜は本格的なカツの店で定食を。釜炊きのご飯がとっても美味しくてたっぷりの量を全部いただいた。味噌汁も美味しかったし、サービスもなかなかだった。そして今日は保留になっていたビザをもらいに入管へ。付き添いで行ってくれたタイ人にランチをおごる。こういう葉っぱ系が大好きなのでとっても美味しかった。ただやはり甘めであるのはやはり気になる。
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職場も日本人が来ていたりでちょっとイレギュラーな日々だったが明日でそれが終わるし、友達も明日の夜に会って帰国となる。来月は長期休みがあり、その間に娘が来るのが楽しみ。一緒に地方に行こうかと思っていたが、バンコクのちょっといいホテルに滞在しながらボートや汽車やバスでミニトリップの方が面白いかなと思ったりで決めかねている。その後も友達の来タイ予定は何組かあり。


# by kienlen | 2017-09-06 22:47 | その他雑感 | Comments(2)
この間、北斎漫画のセミナーを聞いて、ギャラリーでの展示を見る予定が夜遅くなるのがイヤで展示見学を後回しにしていた。で、今日時間があるので友達を誘って見に行くことにしていた。結構遠いし交通費もかかる。最寄り駅で待ち合わせ、食事を先にするかギャラリー先かで一瞬迷って、ギャラリー先にした。大学の中にあるギャラリーに着くと、妙に静か。休館は月曜日のはずなのにイヤな予感。そこに若い男性が来てしずしずとドアを開けて入ろうとしていたから聞くと「今日休み。係の人がいないから」と言う。そんな。「わざわざ来たんですけど」「ちょっとでいいから見せてくれませんか」と食い下がると、しょうがないなあって感じで入れてくれた。食事を先にしていたら、もうちょっと時間がずれていたら、と思うと、何事も一期一会である。

ザザザと北斎と漫画を見て食事に。暑い中を歩いていると結局ショッピングセンターの中のレストランに入りたくなる。混んでいる店を避けていたら洋食屋が比較的空いていた。まあねえ、お値段もそれなり以上にしますから。
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パスタを注文。麺がすごく柔らかかった。まあ、目的はお話の方なのでゆっくりできる店であればいいというところはある。で、次にコーヒーショップへ。とっても感じのいい店ね、と案内してくれた友達に言うと「シンガポールの店だから」とのこと。世界中の資本の餌食なんて人聞きが悪いとすれば、投資を集めている感のあるタイ。そっか、シンガポールもASEANの仲間でした。
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これが店の名前なのだそうだ。チュ。
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隅っこにある座り心地の良い椅子でおしゃべりしていた。それで1日が終わった。こういう暮らしだと、庶民の一食代の10倍以上を一回で使うのである。夕食は市場で買い込んで来た。で、こちらのお花は北斎漫画展の入り口のもの。おしゃれでした。
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# by kienlen | 2017-09-02 23:12 | その他雑感 | Comments(0)

『言葉と歩く日記』 

そうだ、この間読んだままメモってなかったということに気づいた。読書量激減につき読んだことも忘れる始末。これは多和田葉子さんという、日本語とドイツ語の両方で書く小説家のエッセイ。前に買ってあって読みかけてそのままになっていて、こちらに来る時に選んだ本の中に入れておいたもの。選択に際しては、言葉関係というのは優先順位が高かったのだ。で、タイトル通り日記スタイルなので気軽。ヨーロッパって朗読会がこんなにあるのね、と感心したり、ドイツ語を知らないのが残念だが、ドイツ語という言葉の面白さは伝わる。今日は良いことがあったが少々疲労感もあり眠くなっているが寝るには早過ぎる、が、書くには疲れている。面白かったかというと、はい。こんな感じでタイ語と歩く日記だったら、自分にとってはなお面白いと思う。


# by kienlen | 2017-08-30 21:42 | 読み物類 | Comments(0)

連日のおのぼりさん

昨日も今日もバンコクの中心地へ。ここも一応バンコクではあるが、田舎より田舎っぽい雰囲気なので、中心地に行くとものおじしたくなるほどの別世界。昨日は早朝だったので最寄りの駅まで歩いてみることにした。早朝だったので、という理由は、歩くのが好きといってもこちらの炎天下はさすがに歩きたくないから。しかし早朝や夜は犬が怖い。バンコクは相変わらず犬だらけというわけでもなく、中心地で野良犬を見かけなくなった分だけ郊外がすごいことになっているのかどうか、もうもう犬だらけなのだ。もちろん自由に闊歩していて、タイは狂犬病も多い。で、動物ですから夜に元気になるみたいで吠えている。昼間は人もいるし犬もおとなしいが、人もいない通りで野良犬に吠えられると怖い。怖がるとまずいので大丈夫、もし咬まれても病院に行けばワクチンあるし、と思いながら毅然と歩くしかない。と、いつものここに通りかかったところで列車が来た。
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慌ててコンパクトカメラを出す。柱がじゃま、と思っている間もなく目の前を通り過ぎた。実はこの橋の上ですれ違うはずだったが、犬同様、脱線だって怖いので待っていた臆病者。
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で、この橋を渡って、何度も強調してしまうが、汚れていなければとっても素敵な運河の光景にしばし足を止める。汚れていなければ・・・。
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この右隣がお気に入りの図書館で、日曜日は街中から戻ってずっとここで本を読んでいた。文化の香りほぼ皆無の生活の中でほっとする時間。おかげで遊びに行きたいという欲求がなくなっているのは逆に問題かもしれない。で、今日は仕事用の買い物のため、前に来た時に爆発で一人亡くなっているし、何かにつけて騒ぎのある場所へ行き、何かあるとすればここだよな、でも政府の禁止なり自粛区域にはなってないしな、と思いつつ観光客だらけの中をバスで戻った。





# by kienlen | 2017-08-28 22:10 | その他雑感 | Comments(2)

パタヤ旅行

パタヤなど好きでもないのにまた行くハメになった。一昨日と昨日の金曜日と土曜日。前回は夫が行きたいといって行くハメになりつまらない旅をしたのだった。そして今回もまあ色々あったけど書けることはあまりない。純粋なタイ人のツアーに入ったということと、予め渡されていたスケジュールがほとんどすべて実行されずにびっくり仰天したことくらい。知り合いがチョンブリにいるのでスケジュール見せて、落ち合える場所があったら会おうと連絡し合っていたのだが、どこも分からなくて残念ながら会うのを諦めていた。もしも、どこかで約束していたらとんでもないことになっていた。何しろほとんどどこも行かなかったのであるから。そして時間がまためちゃくちゃなのであるから。

こうしてタイ人の様子を見ていると、夫がなぜああなのか分かるようになる。言うこととやることは別物なのである。両者の間に関係は、多分ほとんど全くないのである。スローガンはスローガンで、それをやるなんて考えるのはヤボなのである。と、考えないと理解できないことがいっぱいな毎日の中のたかが2日なのである、と思えばいいわけだ。それにしてもこの調子だと帰りが遅くなってしまう、嫌だ、早く帰りたい、と思っていたらそこはスキップにスキップ重ねてちゃんと予定より早い時間に帰れたのだった。このあたりは考えることはみんな同じなのだろう。となると、何のために行ったんでしょう、という疑問が残るのだった。しかし、この歳でバンコクに住もうなんてすごいというメールが友達から来たが、確かに笑い者であるな。

# by kienlen | 2017-08-27 21:20 | | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
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