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『アジアを結ぶタイ国境部』

本を読んでいる時間はあまりない。勉強しないとならないし。とはいえせっかく何冊も持って来たので関連書籍くらいはと思ってこれを読んだ。古本屋で見かけてタイ関連は一応という意味で購入してあったハードカバー。タイトルだけで中身を特に検討しないで買ったので自分の想像とは色々と違った。一番は文体で、会話体になっている。こういうのは初めてかもしれない。読みやすさのためということで、確かに読みやす過ぎるくらいに読みやすい。著者が実際に訪れた様子を中心にして、そこに歴史や政情などを入れている。国境好きにはタイトルだけで限りなくワクワクだし、行きたくなる。こういう状況でなければ飛んで行きたい。それにしても、こんなに平穏な期間は一生で一度きりに違いない。何しろ閉じこもって決められたスケジュールに従っていればいいのだから、信じられない日々。
by kienlen | 2017-03-30 07:21 | 読み物類 | Comments(0)

安全な日々

危険な仕事に就いている人にとって帰宅時の感想は多分、今日も生きていた、だろうと思うが、そこまで危険でなくても、例えば車の運転だって戻ると、ああ無事だったと思う。あのころのバンコクでの日々はまさにそんな感じだったし、遠出して戻ると、自分たち自身もそうだが、家に泥棒が入っていなかったと安心した。そんなことを思うのは、守られた決められた場所に住んで決められた場所に行き、決められたことをしている日々がいかにも平穏で安全だから。それでふと、ひとりでなく多勢の職場で大きなビルの中で1日を過ごしていたらこんな感じに近いのだろうかと思ったりもする。もっとも自分はビル自体が怖いのでそんなことないけど、慣れたら違うかもしれない。
by kienlen | 2017-03-25 08:27 | その他雑感 | Comments(2)

『僕がイスラム戦士になってシリアで戦ったわけ』 

出がけに読み始めて、どうせなら最後までと思って持参。買ったのは結構前で、実はすぐに読み始めたがなかなか読めずそのままになっていた。タイトルから抱いた予想とはだいぶ違う内容だった。予想というのは自分の勝手な予想なのでタイトルが悪いわけじゃないけど。シリアに行った動機は今ひとつよく分からないが、この本を書いた理由はよく分かった。つまりイスラム過激派と一口に言っても色々なグループがあるということと、マスコミ報道では偏向がありすぎて伝えたいことが伝わらないということから。

色々なグループについての説明は分かりやすかった。文章にもうちょっと理があるといいなという感じがした。でも、逆にこの方がリアルかもなという気も同時にした。帰ってからの話の方が興味深かった。多分こういう本を読んだ理由のひとつは、昔会ったことのある人がフランスの外人部隊にいたことのある傭兵で、少数民族のためにビルマ軍と戦っていて、こういう人がいるんだ、と衝撃だったのがあるからだ。その人のことは深く話したわけじゃないので分からないが、共通するものがあるのかもしれないと思いながら読んだ。あの時の彼も、今だったらシリアだったかもしれないし、この著者もあの当時だったらビルマかもしれないなと。

by kienlen | 2017-03-23 20:32 | 読み物類 | Comments(0)

閉じこもり

夫が駅まで送ってくれて助かった。ひと月分の荷物なので重たい。勉強用とひと月の読書用とで20冊持参したから、それが一番なのだが。出る時に夫に「一か月も自由がないなんて」と言ったら「自分で決めたくせに不満を言うって何ですか」と言われた。おっしゃる通りです。そういえば彼は不平不満というものを言ったことがない。連休明けなので空いているかと思ったらとんでもなくて、駅も新幹線もしっかり人がいっぱいいた。そうか、移動の時期なのだ。季節感のない仕事の上、子どもがいないと世間のことが分からなくなる。そうしてじょじょに社会から引退していくのだというのを実感する日々。

それなのに新しいことをしようというのだから物好きといえばいえる。まあしかし、それだからこそできるわけで、とにかく決めたことだし、施設に到着して部屋に入る。普通の狭いビジネスホテルと同じ。夕食は施設内の食堂を推奨とあったので、荷物を全部出して所定の位置に納めてから行く。お仲間は若い人ばかりに見える。向かいにも隣にも人がいたけど、話しかける気にもなれず5分くらいでカレーをさっと食べて部屋に戻る。しかし、ひと月缶詰で歩かないって大丈夫なんだろうか。退化、老化が急速に進行したりして。散歩したくなる環境のようにも感じられないが、着いたのが暗くなってからだで周辺をまだ見てない。仮に素晴らしい環境としても時間はない。

by kienlen | 2017-03-21 20:40 | その他雑感 | Comments(4)

野菜を片づける

出発前に目安にしていたところまで一応終えた。仕事の前倒しも最低限はやり、最後の問題は野菜だった。父からもらったのがまだ余っている。白菜やら大根やら玉ねぎは夫の店で使うのでいくらあってもいいが、長いもとかぼちゃは店では使わない。長いもはタイに多分ないし。ここ何日かご飯代わりに生の長いもとかぼちゃのみそ汁を食べていたが、それでも終わらないし、ご飯代わりに食べると米が全く減らず、これはこれで困る。ひとりってこういうことで、ひとりが多くなるとどの家でもこういうことになっているに違いない。友だちにやるといっても、わざわざ取りに来てもらうほどじゃないし、と思うとやりにくく、結局蒸して冷凍にすることにした。ほうれんそうも一つかみあり、私はほうれんそうそのものはさほど好きじゃないけど、根っこの赤い部分だけは好き。小さいのを引っこ抜いてあるので、この赤い部分がたくさんあるのは嬉しい。
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朝食に、このほうれんそうと蒸しかぼちゃ及び蒸し長いも、及び野沢菜の蕪をそのまんまで。野沢菜の蕪は生で食べるとシャキシャキで結構いけるのだ。料理上手なら色々やれるのだろうが、料理できない上にひとりだとますます何もしないでそのまま食べるだけ。芸がない、文化レベルがごく低い。動物のエサといってもいいような皿である。今日は雨で駅まで重い荷物をどうしようかと思っていたら夫が送ると言う。本当に実行してくれるとありがたい。当分こういう野菜は食べられないので食いだめ。そもそも長いもはどこでもできるもんじゃないし。父が野菜を作る張り合いのなくなるのが心配。夫はタイの野菜を作ってくれと言っているが新しいことに挑戦するには歳がね。

by kienlen | 2017-03-21 12:32 | その他雑感 | Comments(0)

海は燃えている

どうしてもやらなければならない仕事を何とか終えたので、父とランチができて、その後、現場に行く仕事の最後をやり、なんと思いがけずワインをもらい、割らないように持って自転車で図書館に本を返却しに行き、やるべきことはまだあるので急いで戻ろうとして、しかし映画館の前を通りがかり何となく見たらこの映画が1時間後。これもご縁だ、やるべきことを忘れて入ってしまう。ロビーで書類記入とか読書とかで1時間はあっという間だった。そしてまたもたった1人の映画鑑賞。

難民がテーマというだけしか知らなかった。フィクションかと思っていたら、イタリア南部の島が舞台のドキュメンタリーだった。ここにものすごい大勢の難民がやって来る、という説明が入るのは出だしだけで、後はもうひたすら淡々とした映像。島が舞台というだけでふたつの無関係な話が進行する。ひとつは島の猟師の家族でひとつが難民の状況。島の住民の暮らしは一応のどか。難民の状況はものすごい過酷。ドキュメンタリーでこんなに遺体が出てきたのを見たのは、例の東北の「遺体」以来だ。生と死が紙一重であることを言葉にしないで教えてくれるものだった。家に帰ってテレビをつけたらシリアの状況だった。映画にはシリアからの難民もいた。いただいたワインはイタリアのだった。

by kienlen | 2017-03-19 22:39 | 映画類 | Comments(0)

レトロなモーニングセットほか

午後に上田だった。その途中に、研修前に会っておくべき友だちがいるので、モーニングを一緒にどうですかと打診したら8時という時間指定がきたので7時半に家を出た。昨夜はあまりよく眠れず、午後の仕事を思うともっと眠っていたい気持ちは強かったが、えいっと出かけた。そしてこういうモーニングセットを一緒に食べた。
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深い意味は特になし。これ食べて続けてランチをファミレスで取る。時間があるのでゆっくりするにはファミレスしかないと思って行ったのに、混んでいてじきに出たのだから、別の店に行けば良かったと後悔。最近は美味しいものばかり食べていたが、今日は違いました。最近その1はワイナリーのレストラン。美味しかった。ワインも。
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最近その2は、沖縄料理店でもずくそば。美味しかった。オリオンビールも。
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by kienlen | 2017-03-17 21:44 | | Comments(0)

『日の名残り』

カズオ・イシグロの本、初めて読んだ。丸谷才一が絶賛していて俄然読みたくなって購入。朗読者を読んだ時、今まで読んだ中で一番感動したと思っていたが、それを塗り替えた感がある。いやあ、素晴らしかった。言葉になりません。主人公は貴族の執事という設定。文体は執事の話し言葉風なのでとってもお上品で、しかもいやらしい感じはなくて自然で、お館の執事ってこうなんだ、と、縁もゆかりもないのに分かったような気になってしまう。執事のプロ意識とは何でプロの仕事とはどうで、ということが言葉の端端に表れ、これがまた英国とは英国人気質とは、みたいなところも表していて、いろいろ充分堪能できる仕掛けとなっている。

しかも、構成はこの執事が休暇中にひとりで旅をするというものなので、イギリスの田舎の風景とか田舎の人とかも登場して、これがもうイギリスに行きたい気分にさせられてしまってたまらない。つまり旅をしながら高貴なお方に仕えてきた過去を回想するわけなのだが、回想している年は1956年で、回想されているのは1920年代から30年代、かな。つまり第二次大戦が迫っている時期まで。ドイツがイギリスにアプローチしていた様子なんかが秘密会議とかの様子で分かるようにもなっている。執事の視点なのでものすごく抑制が効いていて、というか、それが品格というものであるというのは結構くどく語られているのだけど、隅々まで巧妙な仕掛けがいっぱいで小説の楽しみ満喫。原文はどんななんだろうか、この前ロンドンに行く前に翻訳を読んでいたら原書を探したに違いない。残念だ。執事の現在の主人はアメリカ人になっているのだが、コーク家の方々もイギリスの建物を買いあさっていたので、それと重なりなるほど。ああ、素晴らしかった。深く感動。

by kienlen | 2017-03-16 14:59 | 読み物類 | Comments(2)

『コーク一族』

結構な大著で時間がかかり、やっと読み終えた。コーク家というアメリカの大富豪について各々の人物像からドロドロの家族関係から企業経営から政治との関係から諸々を詳細に記したもので、書いているのは米国人ジャーナリスト。小説を読んでノンフィクションに移ると文章の平坦さに物足りなさを感じてしまうが、しばらくすると慣れた。とにかく私はコーク家など聞いたことがなく何も全く知らなかったが、これは相当に面白い内容だった。一日読んでいられるような時間があったら読みふけったに違いないと思う。主人公というか中心となる人物はコーク家の男ばかりの4兄弟である長男、次男、それから双子という構成。ただし石油で創業したのは4兄弟の父なのでそこから物語は始まっている。父がどのように息子たちを育てたかだ。アメリカ映画を見ていていつも父と息子の関係の重さを感じるが、ここでもそのイメージはそのままだった。妻は強い夫に従い、息子は強い父に従うというのが、日本のように形式じゃなくそのまんまなのがきっとアメリカ白人プロテスタントの家庭の掟なのでしょうか。

それでこのコーク兄弟のキャラクターというのが見事に描き分けられるものらしく、長男は事業には関心を持たずに母に似て芸術分野へ。次男が期待の星で跡継ぎとなる。頭も容姿も良くて事業の才能がありものすごい勢いで企業を大きくする。非上場企業で全米2番目とのこと。多分この2人だけだったら問題は起きなかったのだろうけど、物語としては面白いのは双子で、1人はイケメンで明るい人気者でデキル次男の家来みたいな感じ。でももう1人が悉く上2人に批判的というより喧嘩をふっかけてばかり。この喧嘩というのがハンパではなく、つまり裁判闘争をひっきりなしに行うのである。どっちも大金持ちなので金に糸目は付けず徹底的に執拗に。誰と誰がどうして組んでどうなる、みたいなダイナミズムも面白かったが、一番興味深かったのは社長である次男が徹底したリバタリアンであること。父が徹底的に反共になった過程も詳述されていてなるほどと思ったが、徹底したリバタリアンとなると共和党が大企業有利の政策を取るのも当然意に反するわけで、この内部というか民主党はあり得ないという点では一致する人々の中での分裂ぶりが面白い。おかげで、憎い、あり得ないオバマを落とせなかったわけで、その闘争もすごい。コーク側の視点に徹底してはいるがオバマ側の様子も想像できる書きっぷり。トランプが彼女連れで2行ばかり登場していた。大著で盛りだくさんで書ききれないが、なんか、アメリカという国の一部を大変よく理解できた気になってしまう本だった。面白かったあああ。それにしても本の時間がないこの頃。

by kienlen | 2017-03-15 18:01 | 読み物類 | Comments(0)

東京といえば本

昨日は東京に用事があった。他の町ならワクワクするあの感じがまるでなく義務で行くのが東京であり昨日もそれだった。せめて時間があれば美術館にでも行きたいがないし。さらに新幹線が高いのでバス。夜までかかる用事だったので戻りは新幹線にしようと思ってバスを予約しないで行ったが、やはり高いのと、それに新宿から直行のバスの便利さもあって1時到着の便に乗った。乗り換えなしというのはとっても便利。ただ、この時間になると駅を西から東に通過できないらしくてドアが閉まっていて東の自転車置き場に行けず、地下を通るのは嫌だしで、しばしウロウロした挙句にタクシーになったから、じゃあ新幹線にすれば良かったともまあ別に思わなかったけど、とにかく色々やっていて遅いというか早いというかの時間に寝たのだった。
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仕事以外は気が進まない東京ではあるが、それでも行くのは娘との用事を済ませられるからというのもある。こちらから持っていくものを渡し彼女から本を受け取る。本屋を巡るのもいつもと同じ。新刊と古本屋の両方をまわり10冊近く購入。だいぶ抑えたのだがまた増えてしまう、ああ。往復のバスでカズオ・イシグロを大感動しながら読んだけどまだ半分くらいだ。ランチは神保町で娘と。揚げたフグの丼と彼女が即決。フグ食べたことないと言いながら。つられて私も。


by kienlen | 2017-03-14 09:33 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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