<   2007年 04月 ( 35 )   > この月の画像一覧

山の幸をたっぷり味わう季節

f0104169_19482760.jpg夫がこれをもらってきた。多分ゼンマイだと思う。ゼンマイとコゴミの区別が私にはつきにくいが、このたくましい巻き方はゼンマイで、コゴミにはもっと柔なイメージがある。ゴミがたくさんついていて山の香りがした。今夜は夫が家で夕食という珍しい日で、娘はいないが息子もいるから3人の食卓だ。父からもらったタラノメがあったので、それを揚げる予定ではあったが、ついでに飛び入りのこのゼンマイも少し揚げてみることにした。あとは明日おひたしにするつもり。

ざっと洗ってざっと水を切って粉に入れたら、何か粉の中で動いている。小さなクモだった。山の物を持ってくると虫がいろいろいる。他にも何だか分からない小さいのが這い出して来た。憎らしい相手だったら、気付かないフリしてこのままテンプラにしてみようと思ったが、別に憎らしい相手でもないのが残念だ。それに、夫はまず絶対に驚かない。私よりももっと野生的に育っているから。娘もそう驚かない。彼女が保育園の時、先生が娘を驚かそうと思って足元のミミズを見せたら「あー、ミミズだ」とつまみあげて、逆に先生を驚かせてしまったが、私なんかにすると、こんなもんで若い先生は驚くようになってしまったんだと世も末って感じがした。で、クモがいたら、それ以後テンプラを食べなくなるくらいのショックを受けると思われるのが息子である。バンコクの都会育ちの結果かと思うと、もっと早い時期に連れてくるべきだったかと後悔の念。大人の味にしておきたかったので息子の前から離して置いたのに目ざとく発見して「旨そう。塩を振った時の甘さがいいんだよね」と言ってモクモク食べていた。クモの件はもちろん秘密。
by kienlen | 2007-04-29 20:06 | その他雑感 | Comments(2)

旅する友と渡米した友に連絡する

仕事の受注の失敗がなんとかいい形で解決したので、昨夜はたまたま出会った友人達と深夜まで夫の店で飲んでいた。今朝は息子が部活のため早いうちから出かけたが、特に世話することもないので、ベッドの中で読書していた。それが面白いので風呂にも持ち込んだ。それからメールを2つ送った。ひとりは1年をメドに世界旅行に出た日本人の友人で、今はネパールにいるはず。日本語が使えないからと、彼女からの最初のメールは英語だったが、次に日本語で来たので日本語で送る。もう1つはアメリカのワシントン州在住のタイ人の友人S。この間「5月に日本に来るから東京で会えないか」というメールが入っていて、返事を出す前に電話があった。東京の友達の家を泊まり歩いて、大阪にあるBFの実家に行くという話しだった。何をおいても東京でも大阪でも行くからスケジュールを教えてくれ、というメールを出した。

日本語が堪能で日本企業で通訳をしていたSと知り合ったのはバンコク在住時。何がきっかけだったか覚えていないが、私の住んでいたアパートに引っ越してきたので付き合うようになった。国籍はタイらしいが、ちょっと異国風のタイ語を話すし、日本語と英語も同様に堪能だったが何が母語なのかちょっと不明の感じ。タイとミャンマーの国境のシャン州の出身。ビルマで教育を受けたような話しも聞いたことがあるが謎。ある日、ミャンマーエアーのエアホステスをしているという親戚の女性が彼女の部屋に同居するようになった。Sは「飛行機の仕事は危険だからお母さんが心配するので辞めてアメリカに行く。私も一緒に行く」と言い出した。ミャンマーから出国してタイ経由で別の国に行く人はそれまでも見て来たが、タイで安定した生活のSまで?とちょっと驚き。「でもなかなかアメリカのビザ取れないね」と言っていて時間はかかったが、ある日いなくなった。廊下に階下の食堂から取った出前の皿が出ていたのを覚えている。人付き合いをちゃんとしない私はいろいろな人と知り合っても関係が続くことはほとんどない。今考えるともったいないとは思うが、中には先方から探し出してくれる人がいて、アメリカに渡ったSはバンコクに一時帰国した時に私の前の職場に電話して自分の連絡先を伝言しておき、私がバンコクに行った時にその事を聞いたという経緯でたまにやり取りするようになった。すべてEメールのおかげで、これがないと1人も友達いないかもしれない、と思う時もある。
by kienlen | 2007-04-29 12:38 | タイ人・外国人 | Comments(0)

大失敗の後始末

我が家にとって連休というのは、子供の休みが長いな、という以外に変化はない。私はここんとこさぼっていた分の挽回を少々、夫の店は連休だから掻き入れ時…ってことは全くなく、連休だから休みってこともなく平常営業をただ続けるのみ。毎年そうなので、子供達にしたって親と過ごそうなんて気はさらさらなく、勝手に予定を立てている。今日は農産物直売所めぐりをしようと思って試しに友達を誘ってみたら、夫もなく子供の巣立ちも近い1人暮らし予備軍の一員である元同級生が付き合ってくれるというので出かけた。するとじきに夫から電話があった。「今話せる?」と珍しく聞くので道端に車を止めたら「できないから断ってくれ」と言う。ドライブ気分いきなりぶっ飛んだ。が、実は半分くらいは予期していないわけでもなかった。しかし気分は真っ暗だ。つまりこういう事だ。

翻訳をしてくれないかという打診があったので打ち合わせに行った。すると日本語→タイ語で、難易度はざっと見て5段階評定の3と4の間位かと思われるもので、分量多く期間短く報酬は今いち、ってものだった。気持ち的には断りたい、しかし、自分の専門分野でないにしろ、そもそも仕事を断るってことはフリーの身には勇気がいる。自分で出来るものなら何が何でもやるが、自分でできるレベルではない。やるのは夫になるから電話で打診することにした。店をやってなければ、コックさんがいれば、連休があれば、田んぼなんかやってなければ、とかいろいろと頭の中を駆け巡る。この状況では無理って言うだろうと思ったら意外に調子良く「やるやる」って言うから引き受けた。ところが、それはエクセルとパワーポイントのテキスト部分をタイ語に変換していくというもので、彼は両ソフトを使ったことがない。しかも、日本に来てからというもの、頭脳労働をしてないし、タイ語の入力そのものからもう離れていて慣れていないという始末。迂闊だった。以前はこんなじゃなかったのに…。翻訳そのものは英文が付いていたのでなんとかなるが、誰でもブラインドタッチで入力できるってもんじゃないんだな、と反省。だったらなんでやるって言うんだ、と責めても埒があかない。解決策を必死で考えた。やっと見通しがついた。若いうちなら双方がトレーニング的な含みで受発注することはあり得るだろうが、この歳でそういうわけにはいかない。夫にとっては完全に畑違いになってしまったんだ。来日11年になる。それがどういう事だったのか…、なんとなく考えてしまった日。
by kienlen | 2007-04-28 19:33 | 仕事関係 | Comments(0)

お仕事モードへの切り替え

外で片付く外仕事は帰宅後に引きずらないのでなごむ。在宅仕事は家にいる=仕事場にいる、なので引きずるなんてもんじゃない。で、このところその在宅仕事から遠ざかっていたのだった。その上、外仕事もなくて生活の糧的には問題だが、子供に対しても穏やかでいられるし、料理もする気になるし、ミシンもかける気になって部屋の真ん中に持って来たし、タイ語の勉強もできるし、さらにTOEICまで受けてみようかと参考書まで買う始末だ。いいなあ、この状況が許されるなら…と思っていたら、本当に仕事がすっぽり抜けてしまって、やらなちゃいけないのに何も浮かばなくなった。頭の使い方が違うんだろう。どっかでショートした感じなのだ。マズイなと思って、打ち合わせを兼ねた飲み会をした。そしたらなんとか元に戻った。ところが、このテンションを維持すると他の事に集中できない。せっかく参考書も買ったのに、って、買った時がイレギュラーだったんだ。

今日はやり手のビジネスパーソンと話した。忙しく飛び歩いている。そういう話を聞いてると自分のペースがいかにノロイかが分かる。でもノロくやってもやっていけるならそっちを取ってしまう自分である。仕事人間だとか仕事好きとか思うこともあるが、実は違うんだな、とバリバリ型と接していると分かる。こんなブログ書いている時間があるくらいだしな。でもその人が必要とするものって、当然ながら人によって違うのだ。この間、友人が議員になったのだが、それでよく言われるのが「主婦でおさまる人じゃないよね」みたいな事。私は当事者じゃないから「当人に伝えて下さい」と言うのだが、なんだか面白い発想だと思う。主婦と議員の違いは何だ。主婦の方が辛い人には議員の方が楽かもしれないし、逆もありだし、こういう序列みたいな意識の源はどこにあるんだろうか。なんて考えていると忙しいビジネスパーソンにはなれないのだが、とにかく頭を切り替えて仕事モードにする必要はある。
by kienlen | 2007-04-27 23:52 | 仕事関係 | Comments(0)

外国人支援ボランティアって…

昨日の事だが、携帯に知らない人からの留守電が入っていた。「支所から紹介されたけどタイ語の通訳してほしい」というような内容。前も市役所から紹介とかいうのがあって、登録制度があるわけでもないのにどういう経緯で個人情報が流れているのか不思議。放置しておこうかとも思ったが、律儀な人間なのでこっちから電話してみた。律儀と言うと聞こえはいいが、実のところタイ人関係については現在進行形でいたいので何が起こっているかを知りたいというスケベ心である。若そうな女性が出た。当方から電話したことに対しての礼の言葉もなく、あまり要領を得ない話し方。予想通りなのでちっとも驚かない。オジの妻がタイ人で、その2人の間の通訳をして欲しいという。「夫婦間の感情的なやり取りだと私はできませんね」と言ったら「それは問題ないんです。区費って何かとか、そういうのが分からないので説明して欲しい」とか。

「外国人支援のボランティアをしているんですよね」と彼女。「特にしてしてませんけど、どこにも属してませんし」と私。外国人支援という分野はボランティアが集りやすい領域なので活動している知人は結構いる。しかし、どっからそういう話しになっているのかなあ。「そういう機械的な事柄でしたらいいですよ。伝えたい事項をまとめておいて下さい。それから奥さんの方の疑問があればそれもまとめておいていただくように伝えて下さい。まとめて説明しちゃいますから。あ、でも、姪御さんでしょ、当人達は実は第三者が入るのは迷惑とか思ってないでしょうね」と言うと「それはないです…あの、その都度電話で通訳してもらえませんか。電気屋さんが来た時とか分からないみたいで」と言う。すごい要望だな。「その都度って言われてもその時私が電話取れるか分からないですよね。電気の専門用語使いながら、あっちだこっちだって説明されたら見えない所にいて分からないし、お宅の様子も分からないし難しいですね」と言った。すると次に「保育園の説明とかも電話で」と言う。終始一貫しているのは相手の状況や都合等々には何の興味もないってことだ。

ボランティアだと常に電話を取れて何でも知っていて何でも手伝ってくれるわけなんですね、なんて聞くのも面倒だが、一体どういう人達なんだという好奇心がムクムクしてきた。「あのね、何を相手に伝えたいかが明確になっていないとできないし、電話じゃあやりにくいから、1度どっかで会ってまとめて説明した方がいいと思うけど、そのくらいならお手伝いしてもいいですよ、でもいずれにしても当事者じゃないと分からないですよね」と言うと「じゃあ、またかけます」と切れた。すると間もなく、ちょうど仕事の打ち合わせを兼ねて飲み会している時に日本人男性から電話。いきなり「あ、ちょっと待って」と言ってタイ人女性に電話を渡したらしい。彼女も私もハローのみ。そしてまた日本人男性に代わる。「タイ語できるそうじゃないか」「はあ」「話さないのか、何かやってくれるんだろ」「あの、何話すんですか。それと今、私、打ち合わせ中なので明日にしていただけませんか」と言ったら「明日??」と呆れたような声色で言って切れた。こういう人達に言葉は要らないんだろうな。夫婦やら親戚やらがどういう関係をもとうと勝手だけど、対外部になったら、頼むからコミュニケーションの基本に沿っていただきたい。ひどく気分が悪くなった出来事だった。
by kienlen | 2007-04-26 21:23 | タイ人・外国人 | Comments(2)

家庭訪問での短いやり取り

今日は娘の家庭訪問だった。小学生の段階では特に話すテーマはない。中学になると高校入試というテーマばかりなのは驚いたが、中学入試がないのでそういう具体的な話題がない。「○さんの場合特に申し上げることもなく、お母さんから何か…」「私からは特に何も…。今年もよろしくお願いします」って便利な日本語でおしまいにすると、時間が余りすぎる。今年はウチが最初なので、次の時間までの時間つぶしをしないと先生だって困るだろう。子供の絶対的基準みたいなものは知らないが、息子がアレなので相対的には娘は何もかもまともである。つい先生にも「息子で苦労してますから○は、それに比べると何もないです」と言って、ここで終わらすのもなあと思って「でも、このところ遊び一筋で宿題とかやってますかねええ」と聞いた。すると先生は「このところ家庭訪問で毎日見てないですが、今日はやってきてましたよ」と言う。大雑把な親に大雑把な先生が重なっているから伸び伸びするわけだな。それが吉と出るか凶と出るかは知らない。

この担任はもう4年目だし、その間に私は学級会長もやっているし、全然知らないという人ではない。最初の年はこっちから質問していた。「どっから来たか」「長年教師をやっていて感じる子供の変化は」「学校による違いを感じるか」等々。しかし今さらそういう事を聞くのも面倒だ。それに質問→当たり障りのない簡単な答え、でおしまいで話しが弾むわけではない。先生のガードって固いよなって感じ。お疲れ様というか、それだと疲れないだろうなっていうか…・。「先生も4年目なので前は来て欲しがった授業参観もこのところ『同じ先生だからもう来なくていいよ』って言われるんですよねえ」と言ったら「はあ、つまらない授業してますんで」と言っておしまいになった。これがなかなかいい味わい。こういう先生がこのまま伸び伸びしてもらえるといいと思ったりして。
by kienlen | 2007-04-25 23:27 | PTA・学校 | Comments(0)

文化の出来方守り方

久々に美容院に行った。いつも利用している近所の美容室。息子と同じ小中学校の同学年の娘さんがいるから、学校の常識を知らない私はここでいろいろな話題を仕入れることができる。「学校のお茶会にお母さんが来ないって○(娘の名)ちゃんが泣いていたんだって」と言われたこともあるから、自分が話題を知るつもりで来ても、自分自身が話題になっている方が多いのかもしれない。今日はお互いの子が高校生になってから初めてだったので「どこの高校に行ったの?」から話しが始まった。そのお宅は母娘でバレーをやっていて、バレーのためにS高に行ったという。「いいわよ、自分で決めた高校だから朝5時半に起きて自分で弁当作って電車で行くの」と言うから「なんだ、ウチも弁当自分で作っているけど、今の高校生の流行なんだね」と私が言ったら「えー、流行ってるわけないでしょ。それに男の子が弁当作るなんて聞いたことない」と言う。「ウチのお客さん、高校生の子がいる人多いけど、男の子が弁当作るなんて人1人もいないよ、ねえ」と隣の席の女性に声をかけた。

その女性は「さっきから話し聞いていて驚いて何も言えない」と言う。彼女にとっても男の子の弁当作りは初耳だそうだ。そんなもんなのか、面白いなあと思っていたら、美容師さんが「あのねえ、このお宅はご主人が料理もするの」と言う。そんな珍しそうに言われても、今度はこっちが驚いて何も言えない。しかし、思った。ここに弁当作りの息子当事者がいたらどう思うだろう。そんなに珍しいのか、じゃあやるのやめようか…と思っても不思議じゃない。そうかあ、こうして文化は守られていくのだと感心。帰宅後、息子が「今日は野菜と肉を炒めただけで手抜きだったから、友達の弁当つまんだ。自分で作ると残せないよなあ」とか言っている。「アスパラのベーコン巻きもらったけど、ベーコンの味は生活クラブのが一番だよな」とも言うから「今なら菜の花があるから、その茎をベーコンで巻いていくのもいいんじゃないの」とアドバイスしてやったら「そんなのとっくにやってる!」と言われた。その調子で3年間弁当作りを続けたら褒めてやってもいい。
美容室で珍しがられたことは秘密だ。
by kienlen | 2007-04-25 22:34 | 家族と子供の話題 | Comments(4)

全国一斉学力テストに4時間の日

さわやかな朝になっている。娘は今日全国一斉の学力テストだ。「それで学校ごとに順番つけるんだって」と昨日言っていた。これがえらい批判されているものであることは雑誌で読んだ。私が読むのは批判系ばかりなので、どういう利点があるのかは知らない。政府広報系を見れば分かるんだろうけど、なんだかそこまでの興味ないし。私の覚えている範囲では、つまり、ただ学力判断の目安のためにやるならどってことないけど(いや、大変な費用がかかる)これによって序列化してそれで先生も萎縮する、みたいな事だったと思う。テストを請け負う教育産業界では、こういうのはどんどんやってもらったらいいんだろう。それで、学力テストに備えて学校専門のコンサルが出入りするようになっても不思議じゃないな。それにしてもちょっと前まで「生きる力」がスローガンで今は「確かな学力」。迷走ぶりもはなはだしい。教育なんてその場で結果がでるものじゃないから言いたい放題、やりたい放題で、そのツケは当人と家族が一番受けて、それが社会ってことになる。

私は「生きる力」議論の時に、ああ、と悟ったような気持ちになったことがある。教育に限らないが、自分が何を基準にして物事を判断するかが人によって大きく違うんだろうな、という点だ。つまり政策決定の場に携わるような人達は学力のエリートで、多分勉強だってよくやってきた人が多いんだろう。すると世の中の子はそれが大半だと思って、机上の勉強ばかりではロクなモンにならないから体験学習だとか言い出す。しかし私らフツウの庶民はそんなに勉強してない。中国人や韓国人が「日本の学校はどうしてこんなに勉強させないの」とあせってる。テキトーにやってきた人にとっては勉強に対して意識するほどの感情をもってないだろうから、勉強の弊害を強調されてもピンとこない。卑近すぎてバカだが、私もそうだし周囲の友人もそんな感じだし、子供もそうだ。でも、だからこうなってしまっている、というのであれば、やっぱ勉強ってすべきで、総合力や生きる力よりテスト勉強じゃないか。なんだかこれも東京のビルの中で過疎の村の地図を広げて、ここに道路でも作るか、みたいな線引きに似ている感じだな。というわけで何を信用するかという点で親としては、お上は正しいですよ、従っていれば安泰ですよ、とは言えないし、日常を淡々と生きるのだ、としか言えないんだな。
by kienlen | 2007-04-24 10:09 | PTA・学校 | Comments(2)

「ブラッド・ダイヤモンド」を観た

まず地図が出てきた。アフリカの西の端の黒丸で示されるのがシエラレオネ。昔昔、国名と首都を暗記するのが趣味だったが、全然知らない。そこが舞台だ。反政府軍が無抵抗の村人を虐殺する。アフリカの映画だと必ずのように出てくる場面だが、今回のはさらに執拗でリアルで、途中で逃げ出したくなった。自分は逃げ出せば済むし、知らなければ知らないで済む事なのかもしれないが、そうじゃない人々が同時代にいるというのは、なんともやるせない。闘いは根っから苦手なのだが、それでも戦争映画の方が兵士であるだけマシなんて気になる残酷さだ。で、闘うには武器が必要だが、武器入手を可能にしているのが標題にもなっているダイヤモンドである。そのダイヤを採取する労働者を得るために村人を誘拐して奴隷にする。武器とダイヤの橋渡しをするのが密輸と武器商人を兼ねたような存在で、それをレオナルド・デカプリオという、私でも聞いたことのある有名俳優が演じていた。非情さにおいて「ロード・オブ・ウオー」を彷彿とさせたが、ロードの方は武器商人側の視点だったから、ある意味そこまで身につまされることはなかったが、こっちは、いろんな要素が絡んでいて、終始感情移入できて、それだけに終始辛かった。特に子供を誘拐して兵士に育てる過程は、あんまりだった。でもこれは多分現実に近いと思う。本などで知らなかったわけじゃないけど、映画の迫力は桁違い。

私は見損ねた「ホテル・ルワンダ」に似ている点もあるかと思う。「ナイロビの蜂」より好きなのは、ロマンチックに流されないからで、登場人物はいずれも、ハードボイルド小説の主人公並の人ばかり。あの「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きている資格がない」ってヤツのアフリカの現実適応型って感じだ。とにかくすごい映画だった。これは若い人が観たらいいんじゃないかと思って、息子に勧めておいた。アフリカが舞台ってことはつまり、背景にあるのは先進国の利害だ。その点で登場するのは美人ジャーナリストで、どうしても出てくる男女関係の描き方が、ちょうどいいあたりで抑えられていたのが良かった。つまり彼女もハードボイルドなのだ。唯一の救いは最後。ここで最後まで悲惨だったらヤダと思ったけどいい終わり方だった。途中で逃げ出さなくて良かった。大作って多分ほとんど観てないと思うが、これは大作でテーマはシリアスでボカしてなくて、しかし映画の魅力いっぱいで、ううむ、観る価値はあると思う。
by kienlen | 2007-04-23 22:26 | 映画類 | Comments(0)

『血液型の世界地図』を読んで

まとまった読書をしていない。その時間を老後の趣味に役立つようなものに充てようと思ってタイ語の勉強に費やすことにした。生活時間の再編を進めている。かといって活字を見ないってわけにもいかないので睡眠導入本として昨日これを買ってみた。能見俊賢という著者はこの道の草分けの人の息子さんで、先行研究を深めるためジャーナリストから血液型研究の道に入った人。性格占いのように思っているかもしれないが、これはあくまで科学的研究であるという主張で、なんか感動的でもある。それによると、もともと人間の元はO型で、A型とB型が加わった。ヨーロッパとアメリカは極端にA型が多く、アジアやイスラム圏はB型。これで西洋文化と東洋文化の違いが血液型という側面から解読できる、みたいな話しも入っているが、青春出版の新書でそこまで深く解き明かしているわけではなくて、娯楽色も相当に強い。

定石通りに有名人の血液型が紹介されるが、やはり驚くべきは戦後の首相の血液型で、田中角栄がB型とかのごく一部を除いてO型が圧倒的である。なんか、自分が今ひとつ政治に興味を持てない理由が分かったような…。私の知る限りの血縁者はB型のみで、夫のO型が目立つことになるが、この本の説明と私の実感とはかなり似ている。あと、私自身はどうしても興味を持てない歴史小説家が、司馬遼太郎しかり池波正太郎しかり山岡荘八しかりで圧倒的にA型の寡占状態。著者によるとA型の著者がB型の人物に惹かれて書くのが多いパターンだそうで、そう言われると私のようにB型が当たり前で何の目新しさもない者にとって興味持てないわけだ。ううむ、これって科学的ってことかなあ。野茂とかイチローはB型だそうだ。ヒトラーは自分もA型なら親衛隊もA型で固めたってところにドイツ人が興味を持って翻訳もでているそうだ。日本と韓国が血液型バランスの黄金比率を持つ珍しい国で、だから世界の調整役になれるとか、どっかの政治家に進呈してもいいかも、なんて思った。すぐ読めてしまってお得感はないけど雑談のネタ提供本にはなる。
by kienlen | 2007-04-23 09:42 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
プロフィールを見る