カテゴリ:言葉( 73 )

中学生の質問

タイから高校生がひとり来た。1週間程度の交流が目的。受け入れ団体に知り合いがいる。その彼女から頼まれて地元の中学のクラスとの交流会のお手伝いに行って来た。役割は通訳。教室に行くと先生が「全員がひとつ質問します」ということで、タイから来たばかりの高校生びっくり。でも楽しそう。教科としては英語。「生徒が英語で言ってみて必要なら訳しますか、それとも最初から日本語にします?」と尋ねると「英語だと簡単な質問ばかりになってしまうから日本語で」と先生。ごもっともで大賛成。よってお互いの母語にて。どんな面白い質問が飛び出すのだろうかと期待したが、さすがに中学生で、そこまでのオリジナリティはなかった。ちょっとおかしかったのは「このクラスの男子の中に好みの顔とかタイプの男子がいますか」というもの。彼女の答えは直訳すると「みんな、かわいい」だった。「かわいい」は日本語でもよく使うし、そのまま訳そうか一瞬迷ったけど口をついて出たのは「みんないい感じです」だった。かわいいってニュアンスが、タイ人は男女問わずとても普通に使うので、表現として珍しく感じられると違うなって感じたせいだろう。

おせっかいかなと思ったが、途中で口を挟んだことがある。なるべく具体的に質問して頂戴ってこと。「タイってどんな国ですか」「今、タイで流行っているものは何ですか」などは、思わず聞きたくなる気持ちは分かる。また、単純な意味で訳しにくいわけではない。しかしあまりに広い、でも一応そのまま聞くと賢い彼女は「どんなって・・・」と少し困ったように時間を置いてから「例えば季候なら・・・」と勝手に続けてくれたからいいのだが、となると、質問者の意図が伝わらない可能性もある。その人が具体的に何を選ぶかまで試すなら別だが、中学生がそこまで作為的ってこともないだろうし、ごく短い時間で互いがコミュニケーションしやすくするならば、ここまで多義的な表現は避けた方が無難と思って、そう言った。でも、そのこと自体も中学生には難しかったのかもしれない。よってその手の質問はその後も出た。流行しているものっていっても、とっても難しい。賢い彼女は「例えばファッションっていうなら、短期間で流行が変わるから答えにくい」と答えた。まあ、つまり質問する側もそこまで整理しないまま言葉を発しているということだ。そういうことは子供のうちに享受しておいてねって感じ。しかし、ウチの娘がタイ語ができたら同年代だし漫画が好きとか趣味も合いそうだし、手伝ってやればいいのに、実に残念なことだ。
by kienlen | 2012-04-20 14:45 | 言葉 | Comments(0)

知らなくてイラっ

コミュニケーションという言葉をやたらによく聞くし、何かとこれがテーマになっているようだ。それに自分でも使うわけだが、結構難しいなと思う。今日、ちょっと頼まれた仕事の件で不明な点があったので先方に電話したところ、担当者がいなかった。「じゃあ、伝言お願いできますか」と言って説明すると、相手がちょっと不思議な対応をした。何がというのでもないが、何かちょっと噛み合ってない不自然な感じ。最近、日本語通じないよな、誠実に対応しないよな、コミュニケーションになってないと感じる場面が実に多いので、これもその例かと思ってイラっときた。それで嫌味を込めてわざとバカ丁寧に「明日の朝、〇〇さんがいらしたら分かるように紙に伝言書いておいて下さい、××に電話を下さるようにと」と言った。すると相手が「あら、××さん、お世話になっています」と言った。「どなたですか」と聞いたら、知り合いだったが日本人ではなかった。

なんだ、あの反応に納得。日本語はもちろんひじょうに上手で不自然さがない。何に不自然さがないかというと発音。通常、大人になって外国語を学ぶとどうしたって発音がちょっと違う。発音がちょっと異なると、こちらも身構えるというか、相手が日本語ネイティブじゃないことを意識しながら話すし、間違っても問題とは感じない。多分、他の言葉の人もそうだろうし、私がタイ人と話す時だって相手は意識すると思う。ところが発音が完璧だと、それがその言語の力と一致するというわけでもないのに、瞬間的に完璧だと思ってしまうわけだ。バンコクにいた時、小さい時にタイにいたから発音だけはタイ人みたいなのに挨拶程度のタイ語しか分からないという日本人がいた。発音がいいものだから、タイ人から普通の速さのタイ語で話されて理解できないと困っていた。タイ語は発音が難しいから、うらやましい話だと思って聞いていたが、多分当人は辛かったんだろうと思う。私もイラってきたくらいだし。あれで発音から違和感があればイラつくどころか、分かりにくい話し方をした自分を反省するはずだ。難しいもんだ。
by kienlen | 2011-12-14 18:05 | 言葉 | Comments(0)

タイ人も使う便利な日本語「お願い」

今月に入って「タイ語でお願いします」というような検索ワードがいくつか目につく。ひとりかもしれないし、数人かもしれない。今まで多かったのは「よろしくお願いします」だから、挨拶を済ませていよいよタイ人と関わるようになって「お願いしますって何かな」というところなんだろうか。もしも、日本でタイ人と接するなら「お願い」は、タイ語の中にかなり入り込んでいると言える。タイ人がタイ語に混ぜてよく使っている。「お願いカオ」つまり「彼に頼む」という具合に。ということは、タイ人にとってとっても便利な言葉なのだろう。確かに日本人にも便利だ。依頼表現の万能選手。相手が目上だろうが目下だろうが使えるし、軽く頼む時から本気で頼みこむ時まで、顔の表情とかパフォーマンスとか前後を変えれば広く使える。で、「タイ語で『お願い』は何」と聞かれて何て答えるかは、タイ語の先生でもない私には即答できない。どうもぴったりする言葉を思い付かない。状況によるんである。タイ語の先生ではないが、タイ人の夫に単純に「お願いってタイ語で何」と聞いてみた。「コー ローン」という答えだった。

確かにそうだが「ちょっとそれお願い」的には大袈裟。軽く頼むなら「チュアイ」の方がモッ(ふさわしい)だと思う。「手伝う」という意味だから「ちょっと手を貸して」みたいな感じか。最後に「ちょっと」を意味する「ノイ」をつけて「チュアイ~~ノイ」となる。ひじょうによく使う表現。上司が部下に頼むとか、レストランでお客さんが従業員に言うとか、友達同士などだと問題ないが、しかしかしこまった場で使うにはちょっと気が引ける。バンコクでタイ語をちょっと習った時に、やはりすぐに「お願いって何だろう」の疑問はわいてきた。大変に便利な日本語なのだ。大学で日本語専攻だった先生に聞いたら「コー クワームガルナー チュアイ~ノイ」と言われた。喜んで職場の同僚のタイ人に使ってみたらきょとんとされた。そりゃあチュアイ~ノイよりお上品だが、普段使いにはお上品過ぎ。お着物を着こなして「あら、それお願いしてもよろしいのかしら」みたいか。「コー」は「下さい」「ちょうだい」「くれ」という時に使うから、日本語としても「~していただけますか」という感じかなあ。専門家じゃないので実感だけど。へりくだりの表現を実感できるという点でタイ語と日本語は発想が似ていると思う。結局タイ語のお願い表現は状況に合わせていろいろということになる。「タイ人もお願いって日本語で使っているよね」と夫に言ったら「それは日本にいるタイ人だけ」と言われた。当然、タイで通じるわけがない。
by kienlen | 2010-11-06 10:04 | 言葉 | Comments(0)

フィリピンの子から教えてもらう

相変わらず飛び飛び日記と化してしまった。今日は中学校でフィリピンの子と話す時間があったので、前々からの疑問をぶつけてみた。彼女は中学3年で来日から半年くらいになるんだろうか。日本語はまだまだだが、それでも積極的で明るい性格のせいもあってコミュニケーションはかなりいける。困ると英語の単語を混ぜるとさらにいける。この点が英語を話す国の明かに有利なところ。世界に羽ばたくフィリピン、さすが。それに、異文化に入る場合には、人なつこくて明るいって利点だよな、と子ども達を見ていると感じる。やはり話しやすいのでつい話しかけてしまうのである。冗談も言えるし。もうひとり韓国の子が同学年にいるのだが、南国のタイやフィリピンのような無邪気さとはひと味違う感じで、話しかけにくい雰囲気がある。まあ、私が南国スタイルに慣れているからかもしれない。そしてタイ人がどうしても遠慮がちなのに対してフィリピンの子は積極的でもある。やはり、さすが国際人って感じがするな。ただ、私なんかよりいろいろな国のたくさんの子を見ている日本語教師の先生によると「でもがさつなのよねえ」ということになる。料理をやらしても手芸も丁寧さに欠けるそうだ。となると、私なんか図にのって「アメリカの影響でがさつになったんじゃない」なんて言いたくなる。これこそ、がさつな物言いでありますが。

積年の疑問とは、フィリピンは教育を英語で行うということだが、となるとタガログ語と英語をどのようなバランスでやっているんだろうか、ということである。それに母語がタガログだったら友達とはタガログだろうし、先生はどうなんだ。とまあ、そういう疑問。彼女は私立のクリスチャンスクールで公立よりも厳しかったそうだ。英語の時間は英語以外を使ってはいけない。社会も英語。これは「難しくて意味の分からない言葉がたくさんあった」そうだ。でも面白かったそうだ。科学や数学は?と聞くと「タガログと英語のミックス」だそうだ。バイリンガル批判者が、両方取り混ぜて考えるから深い思考ができない、と言うのを聞いたことがある。想像はできるが経験がないので分からないが、あてはまりそうでもある。ただ、結局仕事をするようになると必要な語彙というか思考は高めるしかないから、基礎があればそれからで遅くないんじゃないだろうか、と思ったりはする。何しろ言葉をすべて知るのはあり得ない。それにそもそも深い思考って何よ、である。そんなのない方が生きるのには便利かもしれない。学校で英語だとタガログは弱くならないか尋ねたら、もちろんそうで、難しい言葉は分からない、と言う。ここで「そんなことない」と言われたらびっくりだったけど、なんか安心というか、言葉ってそういうことだよな、という感じがした。しかし、それでもタガログが生き残っているのはどういうことなのかな。というか、多分相当に言語としての影響力はなくなるんだろうなあ。残念だなあ。知らない言葉だけど。しかし現実的に英語が話せるのがものすごく有利であることは間違いない。フィリピンから来たばかりの子が英語100点取ったそうで、タイ人じゃあこれ無理だものな。
by kienlen | 2010-09-22 18:12 | 言葉 | Comments(4)

自分の言葉を振り返る機会

タイ人の中学生が泣き出した。どうも見るからに元気ないなとは感じていたのだが、周辺にいる先生が心配しているのでタイ語で聞いてみた時だった。春に来日して夏。多分辛い時期だろうと思う。最初は訳分からずにいる。言葉ができないのも当然。しかし少し慣れて余裕がでてみると、自由に話せるわけじゃなく日本人の子とは別世界で友達もいないし、勉強だって進まない。中学だから小学生ほどの子どもでもない。しかしまあ人前で泣けるというのは素直というか、素直すぎるというか。泣いたからと気にしていてはお話にならないので適当に切り上げて日本語の授業をした。とにかく言葉さえできるようになれば大方の問題は解決するのである、と私は思っている。せめて数学が得意だと自信という点で随分と違うのだが…。

それにしてもいつも思うことがある。外国人が来たら、日本人生徒にもいいチャンスとして生かすような事をすればいいのに。そりゃあ日々の事で精一杯なのは分かるが、手間をかけるのではないコミュニケーションの力を養うチャンスにはなると思う。日本語の覚束ない相手とどうコミュニケートするか。分かりやすい日本語を使ってどう伝えるか。相手の話を理解する方法は、等々は、国際社会の中で求められるスキルと思う。それによって例えば英語に置き換えて、知っている少ない単語を駆使してなんとかサバイバルの会話するなどという方向にも発展できる気がするのだ。言葉に敏感になることって重要じゃないだろうか。どうも見ていると、外国人が来るとお客さま扱いするか、一方的な支援対象か、あるいはもう訳分からないからお手上げとか、そういう残念な対処になっているように感じられてならない。自分が担任だったらそういう風にするのにな。楽しそうじゃないだろうか。
by kienlen | 2010-08-25 20:59 | 言葉 | Comments(2)

小学校と中学校とどっちがいいのか

午前中はタイの子の日本語指導へ。中学3年というのは私にとってはやりやすい。その子のキャラクター、相性もあるけど、こういう仕事でここまでストレスがないのは珍しい。楽観的で適度にひょうきんで呑気で素直で楽しく授業ができて、宿題をちゃんとやってくる。そして何といってもいいのは、このくらいの年齢になると理屈が通じることである。タイ語で文法解説したテキストを使えるのがありがたい。小学生ではこうはいかない。その代わりに理屈なしでじきに覚えるんだけど。どうも理屈に偏りがちになる自分としては、単なる乏しい自分の経験から、小学校で移動するよりも中学以上の方がいい、なんて感じていることもあって、ちょうどこの間ずいぶんとフィリピンの子達を見てきているベテランのフィリピン人に会ったので「中学で来た方がいいですよね。小学校は大変じゃないですか」と言ってみた。

すると彼女は「そんなことない。中学は困る。中学で来るのは親がいけない。小学校だったらすぐに日本語覚えるのに中学だとそうじゃないから落ちこぼれる」と自信をもって断言するのだった。お互い単に経験による印象論に違いない。だからここで小学だ中学だと言い張ってもしょうがないし、どういう点をもっていいとするかよくないとするかによっても判断は異なる。私は小学生で困難さを感じ、中学生で可能性を感じる例に触れ、彼女の場合はそれが逆ってことである。個人差、家庭環境、学校の支援態勢、友人とか先生、諸々が関係してくるので簡単に言えないんだろうが、一般的な能力と庶民の家庭環境でしかないのであれば、しっかりした母語の力があってこそ第二言語を効率的に習得できる。そういう気がしてならない。しかし言葉というのはつくずくと不思議なもんだな。現世ではそれを感じるところまでしか至らなかったから、来世にこういう分野を研究したいもんだ。飲み過ぎて忘れないようにしよう。
by kienlen | 2010-07-09 18:08 | 言葉 | Comments(0)

考えさせられる出来事

歳すると心臓がバクバクという機会は、病気とか以外では少なくなる。若かったらこういう場面で緊張したのになあ、と感じることがよくある。そして若い頃に戻りたくないと思う。人によってはあの若さを懐かしむんだろうけどな。で、こういう日常で突然心臓がバクバクし出すとインパクトが強い。つい最近だが、それを経験した。場所は裁判所の法廷。タイ人の裁判の判決のある日で、審理を傍聴していたのと、時間があったのとでふらっと傍聴に行ってみた。判決言い渡しだけなのですぐに終わると思ったら、なんかごちゃっとしたやり取りがあって、弁護士が唐突に手紙を読み上げたのである。あれ、どっかで聞いたような記憶があるなと思ったら、自分が訳した手紙ではないか。こ、こ、こんな所で読み上げられるなんて思ってもいなかった。こんなのアリですか、裁判官、じゃない、翻訳を依頼してきた会社のシャチョーさん。ものすごくびっくりした。そして本当に心臓の音が聞こえるくらいだった。薄着だったら危なかった。厚いコートが消音作用をしてくれた。隣席では通訳を長年やっているタイ人の友達が真剣な目で成り行きを見つめている。「ねえ、この訳ひどくない。誰がやったんだろ」「じ、じ、実は私」と告白するか、いやいや内緒にしておこうとか、などと、もうとんでもない妄想に支配される。退出しようかと思ったくらいだ。しかしここらへんも歳を取るっていいなあと思うのは、もう自分の責任は取りましょう、と開き直れることで、逃げも隠れもしません。って、大げさなひとり相撲イメージだけなんだけど。

この手紙については小さな翻訳会社を経由して私の元にきて、大急ぎで頼むってことだった。特に難しい内容ではない。感情に訴えたいものであることは想像できる。となると、それなりの表現になる、というものだ。ひとつひとつの言葉をどう選んでどう組み合わせるかは人によって違うに違いない。恋文代筆業があこがれの仕事だったくらいの年代の生まれであるから、情に訴えるのに自信がないわけじゃないが、まさかそこまで演出するわけもなく、普通に訳したつもり…などと、もう自分の注意は細部に入っていく。すると検事が「・・・・の箇所は同意できない」というようなことを言った。裁判官が「その部分を説明してやって」と通訳に指示した。心臓やっぱりバクバク状態。通訳が「これは原文とちょっと違います」なんて言ったら、翻訳自体を問うような展開になるんだろうか。その場合、問われるのは訳者か受注会社か。半分ボランティアみたいな仕事でなんでこんな目に遭わなくちゃいけないんだ。通訳さんもイレギュラーな展開にとまどっている。別に私は間違った訳をしていると不安になっているわけじゃなくて、こういう扱いをするのなら最初から分かっていたかったというだけのことである。この時は判決に際して情状を求めるという使い方だったので(もっとも他の使い方があるのか、裁判についてそう知らないから分からないけど)表現のレベルまで突き詰めるものではなかった。実際、そこまで突き詰める場面があるのかどうかは知らないが、今日の多言語状況を考えると、なんかすごくびっくりする出来事ではあった。まあ、たまたま傍聴に行かなければ知らなかったことでもある。
by kienlen | 2010-02-24 16:04 | 言葉 | Comments(3)

タイ語の「おはよう」

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少し前のことになってしまうが、横浜市のいちょう小学校という、外国につながる子が生徒の半数以上を占めるという学校を視察した。大変興味深いお話しをうかがうことができた。その内容はまたゆっくり消化することとして、案内してもらった校内は、さすがに国際的だった。階段に五十音が張ってあって目につくようになっていたり、いろんな国の民族衣装や民芸品の部屋があったり、それに先生もラオスかな、タイかな、と思われる上着を着る演出ぶり。用意されたお茶も3か国だか4か国のもの。で、下駄箱のところにあったのが、各国の「おはよう」である。タイ語も目立つ。これを見て、ちょっとびっくりした。「アルンサワッ」と書いてある。まさにおはようなのだが、日常生活で日本人が「おはよう」と言うのと同じように使う言葉ではない。というよりか、まず聞かない、言わない。

また翻訳って何だろうという、いつもの疑問。これを書いたのはタイ人の子かもしれない。悩んだかもしれない。おはようって言葉は確かにあるけど、普段使わないなあ、でも、おはようをタイ語でってことだからそうしなくちゃなあ、テレビのキャスターなんかは使うんだし、ちゃんと正規の挨拶としてこっちかなあ…などと。もちろん正しいのである。かといって、子供が学校で挨拶する言葉としては、普通に「サワッディー」を想像するから、意外性が拭えない。どうしてこっちにしたのか機会があったら聞いてみたいなという気がした。たかが「おはよう」だけでもこれである。ほんと、言葉の世界も奥深い。
by kienlen | 2009-11-01 14:59 | 言葉 | Comments(2)

タイ人の名前と外来語

タイ人と話している時「コーン サパイ」という音に聞こえる単語の意味が分らなかった。サパイっていう音だと嫁みたいな意味があるけど、その時の話の文脈からすると変。それにコーンというのはモノだしなあ。えー、何、何、分らない、と思ってよくよく聞いたら英語から来た言葉だった。つまりサプライズがタイ語風になるとサパイみたいに聞こえるわけだ。「サプライズなモノ」ということらしい。よく英語圏の人が一番分りにくい日本語は英語からきたカタカナ言葉である、みたいなことを言っているが、英語からきたタイ語というのも分りにくいことが多い。この間はタイ人の子に「きょうだいはいるの」と聞いたら「弟がふたりいる」と言うから年齢と名前を聞いた。こういう場合、日本人相手だったら名前を尋ねるようなことはしないと思うが、タイ人の名前は世相と親の好みを反映していて楽しいので、私はよく聞くことにしている。ああ、名前と言ってもニックネームであるが。

するとひとりは「デーン」だった。デーンは古典的な名前で「赤い」という意味だ。私の知り会いにもいたな、と思って「デーンね」とオウム返ししたら「違う、違う、デーン」と何度も直された。ああ、私の発音が悪いわけね、と思ったが、それにしてもここまで通じないってことはあんまりないぞ。おかしいなあ、と思ってよく聞いたら英語のダンスのタイ語風であることが判明。それだと確かに発音は異なる。なるほど。納得して発音したらOKが出た。しかし、ダンス君ですか…。思ってもみなかった。下の弟は「ディス」だそうだ。もうここまでくると英語からという発想に切り替えた方が良さそう。ディス イズ ア ペンのディスかな。珍しすぎ…。よく聞いたら「ディスク」のタイ語風発音だった。名付け親はお父さんだそうだ。ふたりの名前から、お父さんは遊び人で、CDとかDVDとかで音楽聴きながら踊るのが好きらしいってことが想像できる。日本語は通常、子音で終わらないので英語もそれらしくなる。タイ語だと末子音がいろいろなので、それ風になってしまう。コツをつかむと難しくないが、それ以前に、どっからでも来てくれ、というほどに頭を柔軟にしておくことが大切に感じる。
by kienlen | 2009-10-20 15:44 | 言葉 | Comments(2)

タイ語 よろしくお願いします

昨日も今朝からもずっとパソコンに向っている。ここで終わり。本来なら、そして集中して仕事している、がくるはずなのに…。お気に入りに入っているブログを片っ端から覗いてみたり、当ブログの検索キーワードを見てイメージを膨らませてみたりしている、延々と。この間、ホームページ製作を受けているエンジニアと話していたら、検索エンジンの進化がすごいらしい。どこがどうすごいかの説明も受けたように思うが、分からなかった。ただ、すごいらしいというだけ。それを念頭にキーワードを見てみると、そういえばそういう気もする。そもそもこんなささやかなブログに、膨大な情報の波をくぐってたどり着く仕組み自体が、もう常人の想像を絶している。で、毎週1-2件あるのが「タイ語 よろしくお願いします」である。前にも書いたけど、この言葉のために、今日もどこかで誰かが困っていると思うと、連帯感のようなものを感じる。毎週毎週登場するものだから「よろしく」がヤケに気になるようになった。そういえばつい最近もタイに赴任する前のビジネスマンから、タイ語でどう言うかと聞かれたばかりだったな。

日本風の挨拶言葉としては使わないことは、この間も元日本留学生の大学教授に確認したばかりだから間違ってはいないと思う。でも、それに相当する言葉がないわけではなく、日本語を学ぶ人々の間では使用されているらしいのが、タイ語表記のできない悲しさはさておき「ファーク ヌア ファーク トゥア」というもの。私の肉も体も預けます、みたいな意味だ。ただ、これは、実験的に使ってみて相手の反応をうかがう、という使用法でいいと思う。結果を知りたい。あと、一体日本語の「よろしく」ってどういう意味なのか、である。例えばどこかに丁稚奉公に入り、生活の何もかもを委ねる意味での「よろしく」ならこれでOKだろうが、ビジネスマンの赴任の挨拶で言ったら…ちょっとミスマッチ。それはさておきこの「ファーク」が時には「よろしく」と訳せる働きをする。意味は、重要基礎単語のレベルに位置していると思う「預ける」。銀行に金を預けるとか、伝言を頼むとか応用範囲広い。「ファーク 〇〇〇」で、「〇〇〇をよろしくね」となる。留守の間に「家のこと、よろしく」とか。この場合「頼む」という意味だから「よろしく」では漠然としすぎかもしれないが、日本語としては不自然じゃないように思う。でも、そう考えると、この「ファーク」と「よろしく」は近そうだな。ただし専門家じゃないので感想のレベルにおいて。タイ-日だと、冨田先生の素晴らしい辞典で事足りるけど、日-タイが物足りない。いい辞典が欲しい。
by kienlen | 2009-09-06 10:57 | 言葉 | Comments(4)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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