カテゴリ:読み物類( 701 )

明石書店のこのシリーズのロンドン版を図書館で借りてガイドブックとして持参した。こういう短く色々なことを紹介している本って、読み物としては何か物足りない感じがあったが、ガイドブックとしてはいいなと思いながら楽しく読んだ。これを見て絶対行きたいと思ったのがロンドン塔で、ちょっと中心から離れていたが、最終日に行ってみることにした。なぜロンドン塔かというと、夏目漱石が明治33年の10月31日に訪れていたとこの本で知ったから。時期が同じ。倫敦塔という作品にまとめたそうで、青空文庫にあったのでダウンロードして旅先で読むつもりだったが集中できず。ロンドン塔というから塔がひとつあるのかと思ったらお城みたいだった。拷問部屋や牢獄があり、王族貴族が幽閉されたり処刑されたりしてきた建物なのだそうだ。そういう場所で国王が戴冠式までを待つのだというから、即位イコールいつかは処刑の可能性みたいな覚悟ができるのだろうか。
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どこに入るのにも行列。ここではタイ人のグループがいた。
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血の塔の中に入って見学。ブーリン家の三姉妹という映画で処刑の場面があったけど、これもロンドン塔で裁判と処刑が行われたようである。メインのホールは王家の歴史を紹介しながら豪華絢爛な宝物を収めてあった。
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規模が大きくて写真はほんの一部のみ。テムズ川の対岸に行かないと全景は無理と思われる。そこまでする時間も意欲もなし。イギリスの建物は見た範囲ではモノクロームに徹していて、曇り空と調和していた。人々の服装も黒が圧倒的に多いシックな街だった。この本にはフィッシュ&チップスの美味しい食べ方が書いてある。ビネガーをたっぷりかけて食べるのだそうだ。そうするとあの油っこいのがさっぱり食べられるのか、なるほど。今夜はフィッシュと芋を自分で揚げようとイワシを買ってきた。

by kienlen | 2016-11-05 18:14 | 読み物類 | Comments(0)

『職業としての小説家』

羽田のチェックインカウンターで通路側を希望したがダメだった。満席だと言われた。もともと娘が、安いチケットがあったから確保してしまおうということで決まったロンドンだったので、そんな希望が通るわけない。しかし窓際で良かったのは、北上してゆく経路だったのでロシア上空からシベリアだろうか、ちょっと分からないけどなかなか荒涼とした景色が見えたこと。通路側にいたのはイギリス人らしい男性で、常備しているらしいヘッドホンつけてバババババとずっとパソコン画面見ながら何かしていて、その後はババババとずっとゲームをしていた。ビールもワインも呑まずトイレに立ったのは2回だけで、しかも何度も失礼と言うのは煩わしいので娘と一緒に行った。という機内で村上春樹のこの本を読んだ。娘が文庫を買って持参していたのだった。彼女はいつでもどこでも寝れるのでほとんど寝ていたが私はどこでもいつでもよく眠れないのでずっと起きて色々読んでいた。そして今も、まだ寝ていたい時間なのに起きてこんなことをしている。アパートを急いでホテルにしました、みたいな感じの部屋から外の音がよく聞えて、大声やら車の音やらかなり激しい。それに救急車だかパトカーの音が何度も、というか今も聞える。

本は、活字も大きく村上春樹なのでもってまわっていながら読みやすく、エッセイなのであまり時間かからなかった。日本の業界からの扱いについてかなり率直に語っていて、こんな書き方するんだ、というちょっと驚きがあった。どういう過程で小説家になったのか等々、私は知らなかったのでその辺の事情が知れて面白かった。芥川賞とかノーベル賞とか、つまり権威ある賞についての考え方もあり、なるほど分かります、という感じがした。文学賞の選考委員にならない理由も丁寧に説明してあった。アメリカで受け入れられていく過程もひじょうに面白かった。すごく普通にまっとうな人で、そういう人が業界的に異端みたいであるらしいのも面白かった。このところ聖書を読んでいるせいで今になって感じてて、この間も知り合いから今さら何だよと大笑いされたのだが、あの絶対性を内在化している人たちにとっても新しいのではないだろうかなどと感じたのだった。昨日ホテル周辺をブラブラしていて地下にある風情たっぷりの古本屋に入ったら、もちろんみんな英語の本の中に混じって、日本語の多崎つくると・・があった。ニーズがあると踏んで引き取ったんだろうか。これ、前回の旅の本として読んだことを忘れていて娘に言われて思い出した。ファンの資格はなさそう。
by kienlen | 2016-10-29 13:27 | 読み物類 | Comments(2)
これは本好きにはたまらない本。カナダはトロントの刑務所で読書会を主宰する敬虔なクリスチャンのキャロルに誘われ、ジャーナリストである著者も読書会ボランティアを務めることにして行った1年間の記録。参加を決める前に著者の逡巡があるのだが、理由は、ロンドンで強盗に襲われた恐怖が、犯罪者に会うことでよみがえるのではないかという不安があったからで、もうひとつは、顔や名前を知られて自分にも家族にも何かあるのではとの心配。とまあ、そういうところからスタートする。著者とキャロル以外は仮名だが、起きたことやセリフは実話なのだそうだ。まず読書会の様子が一番多い。120冊くらいの本が登場して巻末にリストになっている。私が読んだのは、子どもの時に読んで内容を忘れているのも含めてなんとなんとたったの6冊であった。で、この読書会、進行はキャロルだったり他の人だったり、受刑者が行ったりと色々だが、1人の登場人物に対してそれこそさまざまな感想、意見が出てワクワクの面白さ。

もうひとつは、著者が受刑者にインタビューする場面。殺人、銀行強盗、薬物と犯罪の種類は色々だが、どうしてそういうことになったのかなどが会話主体で明らかになる。そしてもうひとつが刑務所内の様子と出来事。規則、仕事、人種構成、ストライキがあり、ケンカがあり、武器作りがあり、イジメがあり等々。400ページを超える長さで基本読書会の様子だが全く飽きないし、軽いタッチなのに涙がホロリという場面も。本の力を信じている人たちによる本の力の物語だ。もちろん万能であるわけはないが、ここまで真摯に本について語り合うということは、その人の生き方とか世界観とかが出るということで、それが感動的。受刑者だけに一筋縄の人生ではなく、個性的な感想も多々。どの人物も魅力的に描かれている。著者は外の世界の恵まれたマダムたちの読書会にも参加していて、対照的な人たちが手紙を交換したり、楽しいエピソードもある。小説よりもノンフィクションの方が人気とのことで、読んでみたいなと感じる本もたくさんあった。ネットで紹介されていたのを見て興味もち、この間のブックフェアで買ったもの。読書会やりたいという気持ち強まる。それにしても刑務所事情は日本とはだいぶ違うように感じられ、そのあたりも興味深かった。いやあ、良い本でありました。

by kienlen | 2016-10-20 20:03 | 読み物類 | Comments(0)
神保町の古書市でこの本を目にした時は、これだ!と思った。藤原書店、500ページの大著。定価が5800円+税で古本でも3300円。ちょっと迷ったが、仕事にも日常にも関係ないので特に調べてみるということまではしてないが漠然と気になっていたことのヒントがあるような気がして購入。なお、今Amazonで見たらえらく安い中古がでているが。まあしかし本というのは価値を考えると安いものである。これだけのことを他の何で代替できるかというと、とても思いつかない。暇になって読めるようになってさっそく取りかかり、思った通りの面白さではあるが文章が読みにくくて、一文を何度も読み返さなければならず、なかなか進まなかった。しかしそれにしても期待通りのことが書いてある。ヴァスコ・ダ・ガマがインドに到来した年から始まり、東インド会社とインドの関係、中国がいかに列強から蹂躙され、日本はアジアの帝国目指してどう立ち回り、東南アジアで唯一植民地にならなかったタイは大国を目指すのでなく緩衝地帯である道を徹底させることで西洋の支配を切り抜け、というようなことが、各国の国内というか地域事情の細かい説明と、それがどういう時代背景と重なっていたのか、それから、イギリス、フランス、ポルトガル、オランダの支配の仕方の違い、それによって植民地となった国がどういう影響を受けたのか、と書くと、一般的な話のようではあるが、この450年間をアジア全体を巻き込んで一気に俯瞰するスケールの上に、ひとつひとつの描写がエピソードまで細かいのだから実に面白かったし、説得力ある。小説読むと、やっぱ小説で言足りるというような気分になり、でもこういう歴史書を読むと、やっぱ事実は面白いと感動し、つまりどっちも面白いのだ。

アジアへの進出はイスラムを排除する十字軍の続きで、宣教師とセットで、だからこの宣教師がいかにその国に取り入るかがひとつのポイントになるのだが、このあたりも大変に興味深かった。アジアというくくりなので当然インドと中国が中心で、特に著者がインド人ということでインドは詳しいが、自分としては日本がもちろん気になる。インドではイスラム化によって廃れていたヒンズー教を知識人が見直し改革したことでキリスト教化を避けられ、日本では徹底的な排除の後、神道で政祭一致の政策を取って自信をつけたことが功を奏したのに対し中国は脱宗教化の方向へ。権力者に近づくことで成功したかに見えると、権力の交代で得られたもの以上を失うというのは、中国への布教の過程に典型だった。イギリスの統治が精神にまで及ぶのに対しオランダはひたすら利益追求のみというあたりの対照も、このスケールの中で見ると、なるほどなあで、それが今日のインドやミャンマー、インドネシアにつながっている。あと、ヨーロッパの美術館なんかで中国の物がすごく多いのにちょっと驚き略奪の成果だろうかなどと思っていたのだが、中国がヨーロッパの文化に与えた影響力の大きさにも触れてあり、なるほど。原書の初版が出版されたのは1953年だそうだ。翻訳は2000年。訳者によると、サイードのオリエンタリズムはこの本に触発されたとか。翻訳がなかなか出ないので自分でやったというようなことが書いてある。ありがとうございます。著者の経歴を見ると、評伝があったら読みたいような人。大満足な一冊だったが、読んで読んでと気軽に勧めるには大著過ぎてそこまでの暇人は心当たりなし。

by kienlen | 2016-10-10 10:50 | 読み物類 | Comments(2)
なんという不覚。こんな素晴らしい小説を読まずにきたなんて。あまりの感動に次の読書にとりかかれなくなっている。内容を知りもせずにワイセツ裁判という思い込みだけがあり、こんな素晴らしい文学とは知らなかった。今後、好きな小説をひとつあげろと言われたら、まあ、そんな質問されることがあるとは思えないが、これをあげることになるように思う。最高だった。古本屋に105円で置いてあり、じゃあ風呂の中でボロボロになってもいいかという感じで読み始めたら、これのどこがワイセツなんだ、哲学じゃないか、すごい、すごいの驚きを誰かとシェアしたくて心当たりに聞いたけど、今のところ読んだ人にも深く感動したという人にも出会えていない。いやあ、小説ってすごい、深く満足。風呂で数ページずつで何か月も要してしまった。高尚過ぎて感想書けません。伊藤整訳のを補訳で完訳したもの。そういえば若い時に伊藤整好きだった記憶があるが内容を覚えていない。あとがきと解説も良かった。保存版にしたいくらいだがボロボロになってしまって申し訳ない。
by kienlen | 2016-10-06 23:15 | 読み物類 | Comments(2)
しばらく前、急遽夫から店番を頼まれた時、外出先にいて店番しながら読めそうな本を持っていなかったので図書館でこの本を借りた。出だしは少々くどく感じて止めようかとも思ったが、そこを過ぎたら納得できるくだりが多くなり、最終的には大変いい本だと感じた。というか、よくぞ言ってくれました、という感じ。つまり、マスコミ等ではなかなか報道しにくいことが書いてある。事件の背景に精神障害があった場合、それが原因であるとは言えないので触れないという選択は、多分なされているように思う。被害者であれ加害者であれ。さらに精神障害なのかどうかも微妙だし、さらにそれに育て方が関係しているのかどうかなんてさらにさらに微妙だろう。因果関係のはっきりしないものを短い時間で説明するのは、長い時間でも難しいんだからひじょうに難しいに違いない。

統合失調症の友人がいて、この病名に至るまでに色々な診断名が下っていたようだが、彼の説明によると医者の見立てとしては生得的なものだそうだ。へえ、そんなことまで分かるんですかと感じ入ったものだったが、そういう説明があるとすれば環境的なものもあるということになるのだろうか。などと回りくどくいわなくても虐待等々、環境要因が関係することはあるだろうし、かといってすべてなわけもないし、でも避けては通れないし、というモヤモヤ感にひとつのヒントを与えてくれるものだった。それと、長期入院させないという法改定により行き場のない人も出てくるとか、とことん悪くならないと福祉につながらないという日ごろ感じている疑問への答えというわけじゃないけど、なるほどという感じがあった。落とし穴のようなグレーゾーンの苦しさは充分に想像できる。建設的な提案もあり。精神障害者と医療をつなぐ移送サービスの会社を経営するという著者の経験に基づいた貴重な内容と思った。とても良かった。

by kienlen | 2016-09-28 22:58 | 読み物類 | Comments(0)
大好きな黒田龍之助の中公新書を書店で見つけたので購入。読みかけのを置いておいてこちらを先に読んだ。想定読者はこれから外国語を学ぼうとする若い人と思われるが自分のような者にも大変楽しめた。何といっても黒田先生の本は面白い。文章は読みやすいしユーモアがあるしで、何冊か読んだけど挫折したことはない。外国語の勉強に近道はなく地道にやるだけだという確信に満ちたお言葉には、いつも安心する。宣伝文句で苦労しないで上達とか、これをしたら効果があるみたいなのを見ると、はあ、自分にはそんな能力ないや、これをやってもきっとムリだ、決められた通りにやるの苦手、ああダメだ、ちーん、となるので、その点、黒田先生のは実践的でもなく即効性もなく、でも全く知らない言語のことでも面白く説明しているし言葉へのあくなき関心には共感できるし、楽しくてこっそり役に立つ、という感じ。言語学は興味があってもあまりに専門的だとついていけないし、でも何かを知りたいのだ、という感覚にぴったりマッチする本だった。面白かった。しかし、あっさり読み過ぎた感あり。図書館のじゃないのでいつでも読み直しできるので安心。
by kienlen | 2016-09-12 17:27 | 読み物類 | Comments(0)

『プラハの憂鬱』

佐藤優著。好きな作家を読み込む、というタチでなくて脈絡なし読書なのだが、もし冊数が最も多い人をあげるとすれば佐藤優かな。若い時の松本清張を除けば。でもここしばらくこれはと感じる引っかかりがなくて遠ざかっていたところ、友だちが佐藤優講演会に行って良かった話をしていて、その足で図書館に行ったら偶然これがあったので借りてみた。もう素晴らし過ぎて脱力。このまま本の中の世界に留まっていたい感じだった。昨日は松本行きだったので暇にまかせて周辺で遊んでこようかと思ったけど、この本読みたくてギリギリまで家にいて、読み終えたので出かけた。しかしこれって小説なのか実話なのか、まあどっちてもいいのだけどあとがきから想像するにパーツはほとんど実話で構成で脚色している印象。チェコ人の神学者フロマートカの研究をライフワークにしようと学生時代に決め、そのための方策のひとつとして外務省に入り、ロシア語の語学研修先だったロンドンで冷戦末期に当たる1986年から1年2か月学び暮らした日々の様子を綴ったもの。日々の様子で何を思い浮かべるかはそれぞれだろうけど、佐藤優でなければあり得ない日々ではある。そもそも神学部から外務省に入る人自体が世界的にも稀有であるらしいのは英国での色々な人とのやり取りからも察せられる。

ロンドンでチェコ人亡命者が営む古本屋に行くところから本格的な物語は始まる。外交官の卵の著者は店主の博識に、店主は店主でこの日本人の博識に驚き、信頼感をもつ。この店主が元はBBC勤務の亡命チェコ人。ここからチェコという小国の立場、そこから形成されるチェコ人の性格などが語られ、同時にイギリス人とは、ロシア人とは、外交官とは、亡命者とは、亡命者と反対に自国に戻ったインテリは、帝国とは等々が語られる。これを会話で行うので分かりやすくだれない。一語一語に当事者ならではの微細な感情が絡んでいて本当に刺激的。チェコ人がなぜ懐疑論になるのかも、なるほどー。で、ちゃんと、ここでいう懐疑論とは何かの説明も的確になされている丁寧さ。これは一例で、抽象的な用語は一般向けの説明が物語の中に入れ込んであり、読みやすさを考慮した分かりやすい構成になっている。登場人物それぞれから人間とは神とは、人間関係とは、国家関係とはまで網羅的なスケールで思考しながら伝えている。獄中記くらいに感動しました。素晴らしい。

by kienlen | 2016-09-02 10:23 | 読み物類 | Comments(2)
せっかく時間があるので今まで読めなかった本にかかっているのに、本屋に行ったり図書館に行ったりしている。これは本屋で見つけて好きな中島岳志さんの対談本で、相手が、タンマガーイ運動についての本でも言及されていた宗教学者の島薗進さんで、テーマがストレートに興味の的だったので買ったら娘とだぶってしまい、友だちに頼んで引き取ってもらった、ありがとうございます。で、今取りかかっている本より読みやすいのでこちらを先に。目次をみると流れが分かる。戦前ナリョナリズムはなぜ全体主義に向かったのか、親鸞主義者の愛国と言論弾圧、なぜ日蓮主義者が世界統一をめざしたのか、国家神道に呑み込まれた戦前の諸宗教、ユートピア主義がもたらす近代科学と社会の暴走、現代日本の政治空間と宗教ナショナリズム、愛国と信仰の暴走を回避するために、全体主義はよみがえるのか。

この章立てにピンときたら読んで裏切られることはないと思うしピンとこなくても読んでソンはない。大変大変良かった。新書で対談ではあるが、中身はとても濃くて、明治期からの日本独特のねじれを分かりやすく説明していてすごく刺激的だった。自分自身、何を拠り所にするかという時に、やはり宗教だよなと思い、その点自信をもって信仰できる対象があったら人生全然違うだろうと思っているので、ほとんどずっとうなずきながら読んだ。そういえばウディ・アレンの映画でも、キルケゴールの絶望に言及した時、教授が「彼にはキリスト教があるからいい」と即答していた。神も共同体もない底の抜けた個人の行方は…。戦争を挟んで約75年で対称的になる明治から今日までを25年ごとに区切り、自由民権運動の構造、中島岳志らしく当時のテロと今の無差別殺人の共通性なんかも含め細かく論じていて、ああやはり。つまり今戦前の状況に似てきているということだ。さてどうするか、も模索している。上からと下からと両方からの議論は納得できる。それにしても、手っ取り早く毎日絶望できるのがメディアという状況にまでは確実にきてる。現実直視の良い本が怖い時代とは…。

by kienlen | 2016-08-29 21:51 | 読み物類 | Comments(0)
買ってから何年になるのか。もう一生読めないかもと思っていたのをやっと読むことができた。バンコクに住んでいる頃、仕事の関係で使う難解な日本語を教えて欲しいというタイ人が週末わが家に通っていて、その彼女がタンマガーイの信者だった。そのことがずっと頭にあり、メディアで話題になったりもするし、何より日本にも世界各地にも寺がいくつもあり、身近にも通っている人がいるので、こういう研究書があるのを知ってすぐに買ったのだった。何度か読もうとして本棚から取り出し、その都度挫折。趣味で読むには学術書はそれなりに時間がかかるので細切れの時間だと厳しい。5600円もする本、今の状況では買う勇気ないので買える時に買っておいて良かった。

タンマガーイ寺の僧侶、職員、信者にインタビューし瞑想イベントに参加し、という調査と文献から全体的に考察したもの。調査は90年代に行われたものだし、研究書だし、当然最新というわけにはいかないけど、基本を少し分かっていると起きていることの理解はしやすい。時代が変化していく中でこういう運動が生まれてくるのは必然というのが分かる。学生運動との関係も興味深かった。この本を読んでいる最中の昨日から、ちょうどご縁があって聖書を読んでいくことになった。これもずっと機会がなかったものなので楽しみ。聖書でなくて仏教書を読む会があったら参加していたかもしれないし、タイミングの問題なのだ。

by kienlen | 2016-08-25 16:01 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
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