2016年 12月 20日 ( 2 )

人間の値打ち

外仕事の予定がキャンセルになり、それだけだといいけど、気分の悪くなる出来事も。まったくなあ、である。夫の車のキーはなくすし、冴えない気分を転換しようと映画に行くことにして、時間の関係からこの映画にした。予告ですごく見たいと思ったわけではなく、いつもながら事前情報は皆無で、ただちょっとどんなかなという程度の気持ち。観客は自分含め4人。始まりは軽いテレビドラマみたいな感じだなと思って、期待もなかったのでまあいいかと見ていたけど、途中から結構面白いと思うようになった。どのあたりかというと、だんだんそれぞれの抱えている不全感とか孤独感が現れるようになってから。

富豪だが心満たされない妻、その富豪にあこがれる男は娘を通じてアプローチして危険な投資、富豪の息子も典型的なお坊ちゃんで、中流の娘はそれなりの傷をもち、それから貧しい青年は理不尽さに耐えて健気ではあるが満足しているわけではない、というありがちな人物たちが登場して物語も、いかにもな高リスクな投資が失敗したり浮気したりと、やっぱりありがち。でも、つまらなく感じなかったのは、それなりに感情移入できたから。娯楽というのではないが、かといってシリアスでもなく、ふざけた感じもある奇妙な味わい。これを半端で嫌とみるか不思議な面白さと感じるかは分かれそう。私は後者。孤独と暴力性についてちょうど友達と話していたところだったのもあり、分かるなと感じた部分多々あり。

by kienlen | 2016-12-20 21:32 | 映画類 | Comments(2)

今日もお外へ

どうして仕事がはかどらないのかと考えると、外出が多いからだ。どうして外出が多いかというと、このところ教える系のボリュームが大きくなっていて、つまり現場に行かねばならないからだ。ボリュームといっても単に時間的ボリュームなので、まあ、ありがたいというわけでは全く全然なく、受けたからにはしょうがないという面の方が巨大。でも、そうでない人もいて、これは結構面白い。タイ人の大人が意志的に自分でお金払って日本語を学びたいという場合。彼女から助詞の「が」の使い方が分からないと言われ「調べてきます」と答え、幸い色々な関係の本だけはあるので、かつてAmazonのワンクリックで二重に注文してしまったお高い悔しい日本語を教えるための文法書をひっぱりだしてきた。あるある有名な「は」と「が」の違い。これさえあれば何でも…と思い、何ならここをこのままタイ語に訳せばいいや、くらいなつもりでいたら、そんな簡単なもんじゃない。

そもそも文法を解説するための用語ですでに全く分からない。で、これを仮に分かったとしても、それをタイ人に話して何になるのか、ということだ。とにかく彼女が学びたいのは実践的な日本語なので、実践の中に入れ込まないと。もうひとつは解説で日本語と比較しているのが英語であってタイ語ではない。ここでもうダメ、日タイ比較が欲しい、やはりどうしたって大人になると母語との比較で考えてしまうんだから。この間、荒川洋治の講演会で紹介されていた本居宣長の息子が、日本語の文法を発見した経緯を追ったノンフィクションを娘経由で注文しているのだが、これを読むと日本語の文法って何なのかがもしかしてちょっと分かるんじゃないかという期待がある。この場合「期待はある」としてもいいのに、なぜ「が」なんだ、という程度であればこの文法書で大丈夫そうなので本日はその程度にしておこう。それにしても知らないことだらけでただ歳だけくっていく…。



by kienlen | 2016-12-20 09:12 | 言葉 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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