2016年 10月 15日 ( 1 )

中国の民族問題

昨日「歴史から読み解く中国の民族問題」という講演会に行った。講師は杉山清彦先生。講師は1回毎に変わるが、大変いい話をきける市民教養講座の中のひとつ。地方都市でこういう機会は多くないので、もう何年も前からなるべく行くようにはしている。とはいえ、6時からスタートという時間がなかなか厳しく、それに子どもがいる時は夕食の時間でもあり、半分も行けないくらいだったが、時間に余裕ができた今年は毎月聴講できている。今年の統一テーマは「アジア諸国の歴史と現況」。毎回勉強になっているが、昨日も知らないことばかりで、なるほどーと思わずうなずいてばかりいた。漢字ってホントに便利であると思っているのと、何よりも平和を愛する者としてはつい「東アジアが漢字文化圏で仲良くすればいいのに」などと思ってしまったりするのだが、これがまずいかに間違いか。漢字を使うのは漢人であり、そもそも中国には中国語というものはなく漢語と呼ぶのに、日本では中国語と表現しているというズレがあるという話。日本って、日本語を「国語」というくらいに世界的にみて極端な単一言語の国なので、どうもひとつの国に対応するひとつの言語があると思い込みがちであるようだ。チベットはヒマラヤ越えでインドと直接接触がありインド文字のチベット語、満洲の満洲文字はモンゴル文字を改良したものとのことで、そっくりだった。新疆はイスラムなので、アラビア文字を用いたトルコ語系。

と、言葉の話だけでもう面白くてしょうがない。トルコ語を知っている友人から日本人にとって学びやすいとは聞いていたが、前置詞ではなく後ろに助動詞がつくのはそっくりだと昨日も説明されていた。ミャンマー人からミャンマー語もそうだと聞いたし、この間、ベンガル語とかウルドゥ―語が専門の友だちと話している時には、それらも日本語の語順に似ているということだった。そう言われてみると、パキスタン人も日本語上手になるものな。インド文字起源なのは同じなのにタイにくるとまるで違う言葉になるのは不思議、という話もその時はしていたのだった。講座でそんな話がでたわけではなく、言葉の話は触りで次々と重要な話だらけだったが、特にポイントといえば、中国がなぜ連邦でなくチベット始め、ひどい弾圧をして同化政策を取るかという点。ひとつはまさかのソ連崩壊にも原因があるとのこと。ああならないためには同化の深化。台湾についても、ここを国として認めてしまうとチベットもモンゴルも新疆もと認めざるを得なくなるので絶対にできない。中国の自己規定は「多民族国家」で「漢族と55の少数民族」がスローガンだそうだが、実は新疆辺りに民族数が集中しているのだそうだ。少数民族と規定することで団結を防ぐ、という常套手段。お隣の国をいかに知らないか、いかに島国の発想と思い込みと勘違いが甚だしいかがよく分かりました。歴史って本当に面白い。

by kienlen | 2016-10-15 17:27 | その他雑感 | Comments(0)

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