2016年 08月 31日 ( 1 )

サラエボ 希望の街角

このところの生活パターンは毎週レンタルショップへ。これも全く偶然に見つけた。サラエボの花を見たのは何年前だったか。同じ監督さんだそうだ。説明的に描いているわけではないのに、悲惨な映像があるわけではないのに、切なさと恐ろしさが迫ってくるという印象はどちらも似ていた。映像が詩的ですごくきれい。すごく良かった。家でのDVD鑑賞は集中できないが、これは最初から最後まで夢中で見てしまった。主人公は若いカップルで、女がフライトアテンダントで、管制塔勤務だった男はアル中で停職処分に。しかしセラピーも嫌がり、このまま転落生活かと思わせる展開は転換し、職にありつくことができる。しかし行き先を聞いて不安になる女性。周囲に言うと、イスラム原理主義のキャンプで洗脳されるに違いないと言われて心配になり自分も訪問することにする。

連れ戻そうとするが断わる男性。でもじきに戻って来た時には雰囲気がすっかり変わっている。敬虔なイスラム教徒になっていたわけだ。知識のない私はてっきり改宗したのかと思ったらそうではなくて、元々2人ともモスリムであることが分かる仕掛けになっている。どんどん信仰心を強めて原理主義的になっていく男性に対し、それを受け入れがたい女性。こうなると女性の方も極端になっていき、どちらも譲らず溝は深まっていく。宗教も民族もそうだけど、争いの芽は違いを意識することからで、かといって蓋をしておいていいのかというと、それで平和が続くという証明はない。内戦や戦争の起こり方を個人レベルで伝えているような分かりやすい普遍性。ボスニア紛争についてもっと知っていたらもっと理解できると思うけど、知らなくてもびっくりするくらいに良かった。主人公がとってもキュートだった。最後のシーンも良かったな。芸術性高く美しい。

by kienlen | 2016-08-31 22:46 | 映画類 | Comments(0)

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