2016年 08月 28日 ( 2 )

謎のフルーツ

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昨夜、夫の店に寄ったら混んでいた。日本人でもタイ人でもないのが分かるグループがいたので聞いたらビルマ人だった。つまり昨日は日本人よりも外国人をたくさん見たということになる。まあ珍しくもないか。カウンターに座ると、夫が見たことのない食べ物をくれた。ピンポン玉と野球ボールの間くらいのサイズで赤い皮で中身のスカスカが見えるような軽さと感触。ああ、あれだと思って近くにいた知り合いに一個やると「ナツメだ」と言った。そうそう、ナツメ。でも、だとしたらお化けサイズ。あんなものを品種改良して売り出しているんだろうか。近くにいたタイ人に聞くと、もごもごと、聞いたことのない言葉を言った。夫に聞くと「そんなの見たことない」で、もう一人のタイ人に聞くと「タイにある。何だったかな」。

タイ人がナイフで切ってくれた。蜂の子そっくり。スプーンですくって食べるとジューシーで酸っぱくてすっごく美味しい。外見からは想像もしていなかった味わいだ。夫によると友だちが持ってきてくれたとのこと。その友だちというのは沖縄出身で、スリランカと行き来していて彼の地の友人もよく来る。スリランカの食べ物に違いない、あるいは沖縄。いずれにしても南国っぽい。乾燥地帯で渇水状態にある時に木の実を見つけ、期待しないで割ってみたら、おお、水分が、という感動は想像できる。それにしても空間ばかり多くて非効率的で、味わいは柑橘類で代用可能な気もする。一体何なんだ。くれた友人にメールで出所と名前を聞いたら「沖縄から送られてきたパッションフルーツ」とのことだった。彼によると、最近栽培するようになっているそうだが評判は今ひとつとのこと。ああ、これが名前だけは聞いたことのあるパッションフルーツ。パッションを感じない外見からは期待はずれの秘めた情熱、という意味なのか。ひとつ絞ってもおちょこ1杯分くらいだろうか。貴重なものをいただいた。味はとても気に入った。

by kienlen | 2016-08-28 21:44 | その他雑感 | Comments(0)

教授のおかしな妄想殺人

ウディ・アレンの最新作、最高に面白かった!隅から隅までブラックなユーモアにあふれてニタニタしっぱなし。ここ数年で見たウディ・アレンの作品の中ではこれがダントツに好きだ。主人公が、いかにも怪しい哲学教授。腹のでかげんを強調したようなTシャツ姿がよろしい。どっかで見た顔だと思ったら、ホアキン・フェニックスってあの、戦争のはじめかたの人だった。この教授がカントやキルケゴールを説き、厭世的な風をぶっているが怪しい感じはぬぐえない。でもこれはあくまで当方の感じであり、設定では人気の哲学者ということになっている。で、この教授にキャンパスの人気者の美人女学生が惚れてしまい、ボーイフレンドの心配をよそに恋心はエスカレート。心だけじゃないところが、アメリカの大学ってこれでいいのかと思ったら、教授と学生の関係は規則では禁止らしい。でもそんなことおかまいなしという感じは冒頭で充分説明されているが。同僚女性からの誘惑もあり、虚無感あふれる非俗物的雰囲気がいいのか何か、まあ、モテモテ。

同僚と一緒にランチをしないのを「変わり者」と言われたり、どこも同じなんだ、と安心したりもする。元気で明るくないとね、みたいな空気が苦手な者には嬉しくなる状況設定。で、この教授が、偶然耳にした裁判の不公正の話から俄かに元気で明るくなり性的不能も治ってしまう。殺人という生き甲斐ができたからだ。ここらで、あれ異邦人かな、罪と罰かな、などと思う。前のブルージャスミンも確か欲望という名の電車だったし。そして案の定、罪と罰は会話の中にも登場する。明るく殺人を犯し、完全犯罪かというところに予想外の邪魔ものが現れ、でもバレずにいたところに別人が逮捕されたというニュースが入るのは罪と罰と同じだった。でも最後は、なるほどというどんでん返し。一緒に見た友だちと「ああ、天才だ」と顔を見合わせる。このところ夜は眠れないしだるいし虚無感でいっぱいだし、初老性うつだろうかと思っていたが、それが何だ、という気分になって楽しく帰宅。映画でこうなれれば殺人よりも自殺よりも楽ちん。こんなに楽しく哲学できるなんて素晴らしい、教授にお礼を言いたい、ありがとうございました。

by kienlen | 2016-08-28 19:17 | 映画類 | Comments(0)

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