『国家と人生-寛容と多元主義が世界を変える』

竹村健一と佐藤優の対談。タイトルと中身の関係がなんだかよく分からない。「白熱のインテリジェンス対談」と帯にある。論壇のヒーローとメディア界の長老が胸襟を開いて、沖縄、ロシア、憲法、宗教、官僚、読書法、そして家族についてとことん語った、とも書いてある。温泉に泊まり込みで対談したそうだ。楽しそうだなあ。温泉といえば、市内に水害で流された温泉があるが、そこの持ち主が竹村健一だったという話しをつい最近聞いたところだった。それを教えてくれた人が「ほらほら、よくテレビに出ている評論家」というから、瞬間的に「竹村健一ですか」と言ってしまったのだが、当たっていたのはともかくとして、テレビに出ているのを見たことがないのに、テレビと結びついて私に記憶されているってどういうことなんだ。本の方は対談なのでなんとなく読み終えた感じ。後半はお二人の保守性に、ううむって思ったが、それはまあ覚悟していたことなので。雑学的に覚えていることは以下。

佐藤優の母親の故郷が沖縄の久米島で、久米仙という泡盛が島一番の産業である。この島の自立の精神には学ぶべきものがある。この泡盛はよく飲むから、へえ、と思った。妻も外務官僚で同じくロシアの専門家だが、今はロシア思想史の研究をしている。沖縄の住民は反米ではなく、基地に反対するポーズを取ることでお金を引き出す効果も計算している。インテリジェンス的には北海道と沖縄の視点から観ることが大切。あー、もっと上位概念を読まないといけないのだろうが、こういうことだけ印象に残った。前半は面白かったし、結構納得して読んでいたが、後ろの方は疲れた。これは庶民が読む本ではなくてエリートが読んでエリートの自覚をもって日本国をリードするための本なのだろう。まあ、エリートがエリートの自覚を持っていないことは今の教育の問題だって言っているけど。佐藤優が天皇制を守るには護憲だというのは論理的に分かったけど、ここで議論白熱するという触れ込みだったはずの、竹村健一の方の主張は押し付け憲法だからって変えろという以上の何が問題なのかよく分からなかった。
by kienlen | 2008-10-12 10:41 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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