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今になって改善を求める意味憶測

地方在住だし地方好きだし地方新聞にはがんばっていただきたいと思っている。しかし、それにしてもつまんない、読むとこない、やめよう、でもどれを講読したらいいんだ、中央紙の地方への関心には根っこを感じないし、いっそ英字新聞か、でもあの販売店はな…とか考えている。でも昨日のカナダと日本の政府の比較のコラムは面白かったし、今日は社会面のトップが「失踪・途中帰国1万2000人」という、何事ですか、と思うような見出しだ。やっぱ新聞って好きなのである。この内容を今頃扱うってことは事件がないんだなあ、良かったなあとか、国の発表に地元の事情を加えるってのはよくある手法だよなあ、とか、このコメントの主はお友達じゃないとか、狭い地方都市ならではの楽しみがある。それで今日のは、つまり途上国への技術移転という表向きの目的と、単純労働者を労働者雇用に伴う権利と正当な報酬を欠いたままに雇いたいという目的を達する、それに日本と途上国の賃金格差を考えると、ある意味両者にとって好都合という面も否めず共犯関係を作りやすい「外国人研修・技能実習制度」の問題を指摘したものだった。

指摘といっても新聞社独自の地道な取材に基づいた指摘ではなくて、会計検査院の発表にデコレーションしたものであるが、なんで今さら、このご指摘?と、ちょっと関心のある向きにはびっくりの内容である。でも会計検査院って失踪者数まで調査するんだというのは知らなかったからお勉強できた気分。まあ、この制度には外務省から厚労省から経産省からいろいろ関係しているから非当事者機関というのが限定されるということだろう。なんて、知りもしない憶測はともかく、こういう発表の何が面白いかというと、別の制度を作りたい場合に、自分たちで作った制度を問題にしてマスコミの協力をいただき世論を盛り上げて、あるいは盛り上がったことにして、不都合になった制度を捨てたいという意向が見え隠れするように感じられてならない点で、次は何を出してくるかワクワクというかウンザリするわけだ。国民の血税で遊ぶのはやめていただきたい。この制度での失踪者は初期から発生していた。特に初期はタイ人の失踪が多かったし、私もそのうちの何人かは知っている。インドネシア人の実態を告発するグループも身近にいるし、中国人はもっと多様。で、そういう問題指摘は長年あったはずだが、そんなのはほとぼりさめるまで放置しておけばよくて、いよいよ権威ある機関の登場、ってことは、いよいよ不人気な制度がジャマになってきたのだろうか。介護分野では労働者としての受け入れが始まったから、隠れ蓑を脱がないとつじつま合わないしなあ、バレちゃうこともあるしなあ、でも現制度に組み込まれている立場からしたらなくなると生活困るしなあで、綱引きというのは、この分野に限るまい。
by kienlen | 2008-10-10 09:22 | 社会的話題 | Comments(0)

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