内田樹『下流志向』

サブタイトルは-学ばない子どもたち、働かない子どもたち。帯は「学力低下、ニートの増加の深層!」最新ベストセラーで新聞・雑誌で話題沸騰!とも書いてある。講談社1400円(税別)。内田先生って、何か雑誌に書いているのを見かけたような気もするけど記憶曖昧。2007年1月に発行されて1か月で5刷りってことは相当売れていたんだ、話題になっていたんだ。どうりでタイトルは聞いたことがあるような気がする。話題になっているから読む主義でもないし、話題になっているのは避ける主義でもないノー主義読書の自分であるが、今回人から注文されて読んでみて、自分で買わなかった理由が分かった。女女格差のインパクトが強かったので、もうちょっと冷静で緻密なのを読んで静寂に浸りたいと思っていたがダブルショックになってしまった。問題提起部分はなるほどなって思って読んだが、あとはかなり苦痛だった。

講演をまとめたものなのでしょうがないのかもしれないが、ここまで荒っぽく断言できるんだろうか。根拠もよく分からないし。私はここで問題にされている若者には、年齢的には属さないが、メッタ切りされるばかりの若者に同情したくなったし、こういう子と先生がおっしゃる子を育てた母親の世代ではある。しかしまとめてクレーマーだの今の若いお母さんは、だの言われても、一体あなたはどこのどなた様でしょうか、責任を押し付けるばかり、すいませんどうせ下流なんです、と開き直りたくなる。たとえ心当たりがあっても。でも、ハウツー本としては役立つと思うから、私に帯の推薦文を書かせてもらえるとしたらこうである。「子どもに退屈されて校長講話のネタにお困りの校長先生方、地区活動への参加が減ってお困りの区長さん役員の皆さま方のための救世の書誕生!晩酌時の30分でネタ仕入れ。責任は全部市場と家庭と子どもになすりつけて通せる画期的な、教育者とそれに準じたい方々のための説教本」。私も教師になってこういう説教したら気持ちが晴れるでしょうか、いいえ晴れません。あ、そうだ、そういう不機嫌の交換が家庭内で行われているってくだりもあった。心当たりありの下流者。やっぱ、これ以上不機嫌にならないためにも以上にしておこう。
by kienlen | 2008-09-21 19:11 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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