『明日の広告』

しばらく前に読んだ本。副題に「変化した消費者とコミュニケーションする方法」と書いてある。クリエイティブ・ディレクターという肩書きの佐藤尚之著。何を血迷ってこういう本買ったのかなと思うことはしょっちゅうあるが、これも広告について考えていた時だったのかな、他の類書と一緒に買って、他のはそのままになっている。温泉に持ち込んで読むのがちょうど良かった。まずは誰に向けて書いているんだと考えるクセがあるが、かなり謎であるような気がしないでもない。広告業界に興味があるか入ったばかりの新人さんがひとつ、次は大手企業の広報担当者の中の古株で現在の多様化したメディア状況についていけないと思っている人だろうか。でも広報担当ってそもそも柔軟な人が就きそうにも思えるしなあ。でも帯には読者の言葉風に「普通のビジネス書としても楽しめる」とか「相手がある仕事をしている者は誰でも非常に面白く読めます。つまり全員です」となっているから読者は広く想定しているらしい、まあ新書だから当たり前か。アスキー新書。

ううん、でも何かこうすっきりないのは何だ、面白さを感じないのはなぜだと思ってたたんで表紙の帯の大きな字を見たらこう書いてある。「消費者を相手にしているすべての人、必読!」。ははん、これだ。この本を読んでいると、業界の方からすると、マス媒体が限られていた頃は広告の作り手側の思う壺で消費者は行動した→メディアが多様化してメディアミックスが重要になったが今はそれとも違う状況を呈している→単にメディアミックスではなくて消費者の立場で広告も考えるべきなのだ、と訴えているように感じる。でもこんな受け取り方は誤解なんだろうな、だって当たり前のことではないですか。私が基本的に違和感を感じるのはこういう、自分の専門の場所からのみ世界を見ているように感じられてならない時なのだ。この流れでいくと消費者の立場に立つとうまくいくようにも感じられてしまうが、一口に消費者って言ったってどうなの、ってところを把握するなんてことが難しいということなんじゃないんだろうか。どうもこういうのを読んでいると自分は消費者まで失格なんかなと思ったりもする。ダメだ、もっと素直になるべきなのか。
by kienlen | 2008-07-04 21:52 | 読み物類 | Comments(0)

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