『生きるための経済学-<選択の自由>からの脱却』

夕方に現場1件、それまで形にするものは特にないが考えなくてはいけないことはある。でもどっから考えたらいいのか浮かばないので山の上にいる友人のウチにちょっと遊びに行こうかと思ったのもあって昨日電話した。「たまには会いたいよねえ、でもガソリン高いよねえ」という話しになって「もう、こういう事態になると資本主義も限界ってことが分かって次の次元に行くと思うよ、でもこの過渡期に死ぬ人は出るかもね、生き延びれば次に行けると思うよ」という話しにもなった。国は国を守るために人はどうでもいいように突っ走っているようにみえてしまうし、そういうことと秋葉原の無差別な殺人や多発する自殺は無関係ではないように感じるが、かといって因果関係を検証できるようなもんでもないし、何なんだこのもやもやは…という感じを持っている中で読むにはとっても参考になる本だった。著者は安冨歩東京大学准教授。タイトルがいいです、このタイトルで買ったわけだしな。私にはちょっと難しい部分もあって結構時間がかかったが、こんな充実した内容で税抜970円のNHKブックス素晴らしい。応援したいから次もこのシリーズでいくことにする。

著者は1963年の生まれだそうだ。このくらいの年代の学者の方の本は読みやすいような気がする、というほどたくさん読んでいるわけではないが、なんとなく。何でかなと考えてみた。で、思ったことは、学者ではない身からするとそれぞれの学問の前提とするものが不思議なわけだ。ここらへん、私は分からないので、例えば社会心理学でK大学の学生の調査から導き出した理論があった時に「K大学の学生という属性の人達の調査でどうして一般化できるんですか」なんて疑問は持たないでおきましょう、という経験をしたことがある。これは衝撃的だった。学生さんは、そんな単純な疑問を抱かないのだろうかって意味で。まさかね、という点でほっとするのが、この本のように経済学の前提とする<選択の自由>について丁寧に諸科学の摂理に反していることを解説してくれているような本に出会った時。あ、年代からずれたが、年代に戻すと、この年代あたりから男性ももまれているなという感じがある。従来の規範意識から離れた女性が増えている中で育っているだろうし、学者だからってサービス精神なしで済むような時代でもない、いいか悪いかは知らないが。そういう時代の波は個人の思想にも表現方法にも影響するだろうから、日常とかけ離れたものじゃなくなってきているようで期待したくなる。いずれにしろ面白い本だった。
by kienlen | 2008-06-09 11:04 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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