良かった!ペルセポリス

一昨日見た映画。予備知識なしで、ただ「1970~90年代の激動のイランを舞台に、監督自身の半生を綴った少女マルジの物語」という宣伝の文句だけで行ったので、始まってから、エ、アニメだったんだ、と思ったくらい無知なのは、意外にたくさんいた観客の中でも私くらいのものだろう。後で映画館のスタッフや常連さんたちと話したが、映画についての私の知識はひじょうに低レベルであることがよく分かる。まあ、でも知らなくてよかった。アニメというだけで自分にとってはマイナスに作用するから見なかった可能性があるから、大きなソンをしたことになる、と感じられる内容だった。シンプルで、やっぱ日本人の顔つきならこんな目と鼻を描くのはムリだろうなっていう絵もとっても魅力的だった。目だけで表現する箇所が多かったように感じたけど、伝統的日本人の目じゃあ難しいだろう。現在フランスで映画監督として活躍しているイラン出身の女性の学童期から大人になろうかという時期の物語で、始まりは1978年、マルジが9歳の時から。王を打倒せよとのデモが大きくなって革命が起きる。で、政治犯で刑務所にいたマルジのおじさんが戻ってきたりで世の中が明るくなるかに見えたが全然そうじゃないということがじきに分かる。

おじさんはまた逮捕され周囲にも逮捕者が相次ぎ、次々と殺され、そういう国内事情の不安定さをみたイラクが侵攻してきて戦争になり、空爆で死者が相次ぎ、マルジの家族はなんとか生き延びるものの、いろんな意味でこのままじゃあマズイと感じた両親がマルジをオーストリアに留学させて、異文化の中で大変な思いをして限界に達して故郷の学校に戻るものの、ここも大変なことになっていて、という過程を描く画のユーモアな雰囲気が、元王族という家柄でのびのびと育てられたマルジのキャラクターを際立たせて面白かった。日本にイラン人が激増したのは私がタイにいた時だったが、こっちに戻って来た時も名残りはあって、日本人と結婚している人とかそうじゃない人の話しをちょっと聞く機会もあって、なんかが決定的に違うと感じたものの、それが何か分からなかったけど、ああいう社会情勢の中にいたんだと思うと、この社会情勢に育った当方には想像力を相当たくましくしても分かりにくいのもムリないと思った。それにしても世の中を動かす1番大きな影響というのは何なのだろうか。お観得な映画だった。原作がグラフィックノベルだそうだけど、こっちも読んでみたい。
by kienlen | 2008-05-30 13:37 | 映画類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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