千野栄一著『外国語上達法』

岩波新書黄色版で1986年に初版で2007年時点で35刷り。なんか1度読んだような気がしないでもないな、と感じつつも最後まで読んだ。出だしがすごく感じが悪くて、自慢しているようで、いきなり挫折しちゃおうかと思ったが、もったいないから読んでいるうちに面白くなってきた。ここでもったいないから読むというのは、その時間を無駄にする方が700円+税よりマシなのかどうなのかという問題なのだが、外国語学習もそうであるというしごく現実的で実用的なアドバイスの本だった。実践的な部分としては、まず頻出重要千語覚えることから始めるのがいいのだそうだ。あやふやな覚え方ではダメでしっかり千語。ここまでできると続ける価値があって次の1500語は割合とすれば格段に楽になるそうだ。で、言語学の知見だとだいたい3000語できればたいていの言語でテキストの90パーセントは理解できるようになるからまあ充分だそうだ。そもそもすべてをできるのはあり得ないからたまあに使うだけの単語を記憶しておくのはもったいないから辞書に任せるのがいいそうだ。ごもっともだな。つまり自分の到達するべきターゲットを設定すること。

あと、音声学の知識を身につければ発音が正確になるというのもごもっともであって、こういう基礎勉強を外国語を導入する時に学校教育でやってくれればいいのにと、ずっと思っていた。こういう本を若い時に読んでいれば人生違っていただろう、ということを毎日感じる日々。86年に読んでいればこんなじゃなかっただろう、なんて思ってもしょうがないんだ。あの当時は他の事に感心があったわけだから。外国語学習の本というのは励まされることが多い。というのは、年を取ったらダメってもんじゃないからだ。歳を取ったら手芸や編み物をやるんだと思っていて、今もその気持ちが失せたわけではないが、外国語学習も楽しいだろうなとは思う。著者はロシア語とかチェコ語とかあっちの方面が専門のようでその構造に触れているが、驚くべき複雑さ。タイ語を知った時に単語の語尾変化がないことに、こんな合理的な言葉があるんだと感動したが、その逆だ。言葉から文化をみるって楽しいだろうなあ。今になってあれこれ興味持っても時間がないんだが、観念の中のお楽しみということで、で読むにはちょっと違って実用書的。
by kienlen | 2008-05-12 22:56 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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