桜の季節の思い出

里ではそろそろ桜が満開で、ちょっと標高が高いともう少しで、もうちょっと上ると蕾がまだ硬い。平地じゃないとこういう違いが目に見えるのが楽しい。娘を乗せて走っていたら、桜を見ながら思い出したのか「山桜って咲くのが遅いんだよね」と言う。小学校の遠足で、とっくに桜が散った頃に山に行ったら山桜がきれいだったのを思い出したようだ。何かに触発されて何かを思い出すのは日常的に起こることだが、私は桜の季節になると、赤ちゃんだった息子の泣き叫ぶ声を思い出す。バンコク在住時は住み込みのお手伝いさんに家事一切と子守を頼んでいて、私達は地獄のような渋滞の中へ車を出してヘトヘトになって会社に着いて、帰りなんてもう何時になるか予想もつかないような生活だった。洪水の時なんかの帰宅は深夜だった。車から転がり落ちて死にたいと思ったくらいだ。あの時に無駄にした時間は膨大で、自分に欠けているものが多いのはあの渋滞中に盗まれた時間のせいである。まあ、そんな生活であるから当然子は親になつかない。しかも周囲はタイ人ばかりで居住地はタイであるから当方は異分子である。母親になつかないのをいいことに、タイ人達が独占しようとするからますますなつかない。産みの親であれば、何もしなくてもなつくように思っている人がいたとしたらそれは間違いであると断言する。私が何もしてなかったわけではないのにこうであったから。

で、そういう子を連れて一時帰国した時のことだ。来る時は夫と一緒だったが、彼の方が仕事の都合で一足先に帰ることになった。その時の息子の悲しみは尋常じゃなくて、泣き続ける。もともと神経質なところがあって、飛行機の中で眠れないし、その疲れで電車の中でも泣いたりしていたのは、スヤスヤ眠っていた娘と大違い。もっともこういうことは当人の資質なのか親に余裕がない上の子ゆえなのか分からないけど。上野まで見送りに行き、改札を通る父親を追いかけようとして泣き叫ぶ子を連れて、アメリカだったら虐待で通報されるんじゃないかと思いながら、上野公園に連れて行った。気を紛らわせようと思って。その時に桜が咲いていた。出店で何か食べたような記憶があるがはっきりしない。私の母も一緒だったが父がいたのかも思い出せない。しばらくすると動物に興味がいって落ち着いた。なんだか遠い昔になってしまったな。その息子は花見なんて興味がないが娘から「今週末はお花見に行ける?仕事ない?」と聞かれて我に返った。
Commented by jun at 2008-04-15 08:30 x
 ご無沙汰です。
 この季節、桜の想い出はそれぞれありますね。当時の大変だったことの記憶とともに一瞬ホッとするような桜の風景も私の脳裏にもあります。
 さて、
  
  「桜の木 花見に皆は 気の楽さ」
 (さくらのきはなみにみなはきのらくさ)
 今回は、回文とともに575の川柳にもしてみました。個人的に今週のローカル誌に広告で出すものですが、先取りで書いちゃいました。
 桜の木に集い皆で飲み食いする花見は、「お気楽」ではありますが、憂さを忘れる「気を楽」に持つこともまた長寿の智恵ではないかと思う昨今です。桜は人間と同じく50年から100位が寿命と言われていますのでその辺にも何か通じるところがある気がしています。他の木と違い病気や虫で枯れる場合も少なくありませんし。
 長くなりそうなので、この辺で失礼します。ではまた。
Commented by kienlen at 2008-04-16 10:50
桜の寿命ってそうなんですか。うさぎと人間の組成がそっくりって聞いた時に、飼っているうさぎに親近感を覚えるのはそのせいかと思ったものですが、桜もか。昨日ツクシを摘んだ時にはそういう感覚なかったなあ。先取りの回文毎度ありがとうございます。確かに気楽。
by kienlen | 2008-04-14 20:58 | 家族と子供の話題 | Comments(2)

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