『「ニッポン社会」入門-英国人記者の抱腹レポート』

昨日読んだ本。自分で購入した本。著者はコリン・ジョイスさんという英国人で英高級紙の東京特派員だそうだ。高級紙という表現が英国風である、という思い込みのある自分からすると、期待を裏切らない面白さだった、いろんな意味で。これは多分に編集の巧みさもあるように思う。このタイトルを見たら、素直には、英国人に向けて日本社会を紹介する本かな、その翻訳かな、と思う。実際、翻訳者はいるわけで。でも、そのあたりの説明はないし、NHKの新書であるし、日本人に向けた本なんだろうと思い直した。で、この本を読んで理由が分かった気がしたのは、イギリスで日本の本を出したってそう売れないだろうから、マーケティング的には、日本人論が好きな日本で、外国人の視点というひねりを入れた日本人論で売ろうってことだろうか。私も、タイ人の視点で日本人論はどうかと思っているのだが、それを友人に話すと「タイはあまりにマイナーだし、誰も関心持たないよ」と言われる。でもイギリスだったら日本人からすると需要があるか、と思って奥付を見たら2006年発行で1刷だった。

いずれにしろ好感を持ったのは、訳者の技か著者の資質か知らないが、チャーミングだった。何これ、と思う部分も許せるなと感じさせる技量を感じた。それが何か。もしかしたらオックスフォード出で高級紙記者で、という公表経歴からくる思い込みかもしれない。ということになると、自分みたいな者が読者対象なのかなあ。1番面白かった章は「イギリスと日本は似ている!?」だった。日本人でイギリスと日本は似ていると言う人は多いし、私もごく少ない経験から言うと、イギリス人には親しみを感じるというか、違和感を感じない。ひとつには体格。欧米人=巨体=チビな自分の劣等意識、となるのだが、私の知り合いのイギリス人は小柄で威圧感がなくてユーモアがあって押し付けがましくなくて皮肉っぽい点で共通している。でも、この本では体格には一切触れていなかった。著者によると、日本とイギリスは全く違う。それをイギリスにいたことのある友人に話しながら行き着いたのは、イギリス人も日本人も、自分の国の文化特殊論が好きなんじゃないかということ。だから似ていたくないのだろう。すぐに読める娯楽本、でもフウウンと思うところ多々ありで楽しめた。
by kienlen | 2008-04-05 23:44 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
カレンダー