あの時のヒジキと今日のヒジキ

夕食は手巻き寿司にした。具はいつも違って、あり合わせで冷蔵庫の整理のようだったり、ご馳走だったりという時もあるが、今日はウサギの餌のキャベツの外葉をもらいにスーパーに行ったから、シシャモとかホタテとかリーズナブルなものを調達してきた。ヒジキも食べたくなってカゴに入れた。いつもは生活クラブ生協の食材がほとんどで、ヒジキも乾燥だからもどす手間がかかるし、このところ買い置きがない。スーパーには生ヒジキがあるんだ。私の好みで酸味の強い酢飯にする。子ども達も好きなのはラッキーだ。ただし夫は刺身と納豆と酢飯は食べないので手巻き寿司の時はあんまり食べるものがなく、漬物をつまむ程度。これを夫の店の週に1度の定休日の日曜日に頻繁に作るのはどうかと思うが、作る人の気分優先だからしょうがないし、それに、食べなくても人数が多い方がこういう料理の雰囲気には合う。息子が「懐かしい味だなあ」とヒジキを食べて言った。ヒジキと「なつかしい」は似合うが、どういう意味のなつかしさなのかと思って聞いたら「昔よく作ったじゃない」と言う。それで思い出したのは、タイから日本に帰った直後の頃の食生活だ。

それで自分の方もなつかしくなった。日本に来て、食べたいと思ったのはサンマとかヒジキとか切干大根とか、つまり田舎育ちの自分がよく食べていた好物だった。その人にとってなつかしい味が何かで親近感を覚えたり逆だったりするが、バンコク在住時に、私よりずっと年上で東京出身の友人が「一時帰国してハヤシライスを食べて嬉しかった、なつかしい」と言った時は、私などの郷愁と違うので話しは弾むことなく頓挫して、何やら東京と田舎の相違まで感じたものだが、つまり息子のなつかしさというのは、私がそんなだから帰国直後は頻繁にヒジキを煮ていたことに由来するのだった。当時まだゼロ歳だった娘はそんな記憶もなく「今日のはコンニャクが入っていていい」と言うだけ。あれからもうじき12年だ…と感慨に浸っていると息子が「だし巻き卵食べたい」と言うので追加。残りは明日の弁当に入れようと思って多めに作ったつもりの、卵4個分の卵焼きは瞬時に終わってしまった。こんな風に日常は流れていく。明日は久々の早朝からの外出。夕食後に弁当用の卵焼きを作りおきしておいた。息子に「私の方が早く出るから自分でちゃんと起きないと誰も起こさないよ」と釘を刺しておく。
by kienlen | 2008-02-24 23:21 | 家族と子供の話題 | Comments(0)

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