北国の友とタイ人の話し

数日前の夜中に電話があった。こんな時間に電話してくるのは2-3人いる。北の方に住む友人でバンコク時代の友の中では最も付き合いが長い。タイに家族を置いて日本に出稼ぎに来て、それが定着しそうになって当人もいい加減あせっている風である。単純肉体労働の現場を渡り歩く日々。たまに電話をくれるのは「誰とも話さないから言葉が出ないんだよ」という理由。リハビリのトレーナーになった気分で話してあげる。状況を聞くとかなり悲惨なのだが悲壮感がないのは、やはり傍観者の自分が同時にいるからだろう。その感覚は共有できるものがある。それでもあんまりなので「別の地方都市の方が労働環境良くない?」「タイで仕事探せば?」「なんでそんなにタイに仕送りするのよ、奥さんはなんで働かないの?」「学費にどうしてそんなにかかるの?」等言葉のレッスン相手としては会話が途切れないようにする。で、いろいろ聞いていくと「やっぱ書くしかないんだよね、俺の場合」って言う。なんだ、映画のシナリオを書く話はずっと聞いてる。「だったらそれしかないでしょう。であればヘンに小出しにしないで言葉溜めておいて、わっと放出する方がいいよ、その意味ではいい環境じゃないの、最高、いいな」と言うと「ま、ね」なんて言っている。

「タイ人って雪好きでしょ、タイ人が雪に感動しているシーンがあるんだけど」と彼。イメージしてみるが、つまんなそう。「それで?」「×さんの知り合いのタイの子に話し聞きたいんだよね」「電話番号教えたじゃない」「続かないんだよ、話しが」「そりゃあ、会ったこともない怪しいおじさんに電話で何でも話すわけないでしょ。信頼関係が大切」「聞きたいなあ、直接」「そりゃあ直接がいいよ、こっちに来ればいい」。それから在日タイ人の話しになる。在日タイ人と毎日会っている当方よりいくらか説明してあげる。その中で「日本の方がいいんじゃないの、食えるし、安全だし。そう言っている人多いよ」と言ったら「ええ!経済的な事を除けばみんなタイに帰りたいって思ってるのかと思った」と彼が言う。ここで疑問。経済とその他は切り離せるのか。「経済は重要なファクターなんであって、それ切り離せないじゃない。アタシだって生活できる場所ってのが一番の条件だよ、生きてくのには」と言う。「でもね、分かんない。日本人がその場にいると日本がいいようなこと言うでしょ、タイの人って気遣いするから。本音を聞くのはそう簡単じゃないし、どういう視点かもそれぞれだから自分で聞きなよ。それにそもそもタイの方がいい人は帰っちゃってるしね、ははは」「金ないよ、そこまで行く」。ほらほら経済は切り離せないでしょうに。「でもねえ、タイ人に聞いても話しが深まりにくいでしょ。そんな事分かってるじゃん。想像の世界の方が面白いもの書けるよ、聞かない方ががっかりしないよ」と自分の方の本音がでた。
by kienlen | 2008-02-13 14:25 | タイ人・外国人 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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