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サルバドールの朝

昨日見た映画が「サルバドールの朝」。観客はまた3人。最終日の前日だったから見逃したくなくて行ったのだが、最初の画面が出た時に少し後悔した。どうしてこういうのに興味を持つのかという自分への腹立たしさもあった。見ていて辛くなるものであることは覚悟していたけど、最初からこれかってシーンで始まる。いくらなんでも…帰ろうかな、しかしお金払ったし簡単に出る決断ができないのが劇場の利点だし…と思いながら我慢。1970年代の前半が舞台だから、つい35年前の出来事であり、それらしいファッションや時代の空気は、私の記憶の中にあるものと似ていた。ああ、きっとあんな感じだったんだろうな若者は、という。最初の衝撃的なシーン、つまりスペインのフランコ独裁政権に対する反体制運動に加担してきた主人公が銃撃戦にまで至った末に瀕死の状態で逮捕されて以後は、弁護士に語りかけるという回想のスタイルになっている。テレビドラマをあんまり知らない私が言うのはなんだが、前半3分の1くらいはテレビのアクションドラマみたいという印象だった。映画館でなければここらあたりで中座していたかもしれないが、それ以後は完全に引き込まれていた。

振り返ってみるとああいう始まりというのは意味があったのだ。見終わって、なかなか素晴らしい映画だったのではないかと感じた。映画を1人で見ると感想を話し合う人がいないのが寂しい。昨日は息子が休みだったので一応声かけたが即刻断られた。見る前は政治的なのをイメージしていた。チラシにも登場する「白バラの祈り」みたいなのを。でもそれはいい意味で裏切られて、登場人物がどの人もすべて「ああ、分かる、私もこの立場になったらこうするだろう…」と思わせる人ばかり。私にとっては、それが好きと嫌いの境界線みたいなもので、その点でいったら実に満点評価をつけちゃうかもしれない。スペインの歴史を知っているともっと理解は深まると思うけど、そうでなくても人間ドラマとしてひじょうに良かった。実話に基づいているからリアルなのか、制作の力か、両方だろうか。あと、死刑の存廃について自分は確信をもってどっちと言えないでいるが、これを見ると、死刑廃止に傾きたくなる。運命の残酷さ、半端な希望を抱かせないという面では「麦の穂をゆらす風」を思い出した。主人公は「グッバイ、レーニン」に出ていた人。後からジワジワと効いてくる普遍性がある。
Commented by 2chアクティブスピーカー at 2008-02-08 18:07 x
テレビのスピーカーをずっと探してたんですが、安くて性能がいいのは
なかなかなかったんです。だけど、今回やっと満足のいくスピーカーを
見つけました!2chアクティブスピーカーORPHEANは機械音痴の私でも簡
単に繋げられそうだし、何より場所を取らないのがいい。デジタルアン
プを搭載してるおかげで解像度の高い音を再生できるし、言うことあり
ません。これで快適に映画ライフが送れそうです。

by kienlen | 2008-02-08 09:16 | 映画類 | Comments(1)

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